きみが世界一ではない。
「本気で、それが宇宙誕生……なんておっしゃらないですよね」
中二病にも似た
慣れないことをすると、脇の下から変な汗をかいていることに気がつく。
彼女は目を細めて、口角を持ち上げた。
「おっしゃるぞ。穢れを祓った意志世界を
「へえ、それはつまり……家のゴミを外に放り出して部屋を片付けたけど、ポイ捨ては良くないと気がついたんだね。さすが神様」
蓮理は拍手の代わりに、ウンウンとうなずいた。
「そういうことだ。とはいえ、
「裸で外を歩けないから服を着ることにしたんだね。賢明な判断だよ。神様も恥じらいを持っていてくれて」
「なにか不服でもあるのか。いちいち突っかかってくるのなら、もう話してやらないぞ」
彼女の眉間に嵐の前の稲妻のように閃くひとつの表情をみつけてしまった。
いまにも舌打ちしそうな目つきになっている。
「突っかかるなんてとんでもない。自分なりにわかりやすいイメージをして、きみの話を理解しようとしているだけだよ。実に興味深い話だから」
彼女の表情に笑みが帰ってくるよう、蓮理は努めて低姿勢を心がけ続けた。
その甲斐あって、彼女の表情に柔和さが戻ってきた。
「そうか。ならば続けてやるから聞くがよい。
「どうした……でしょうね。凡庸なぼくには想像もつかないなぁ。行政代執行で清掃しようとしたけれど業者が見つからず、かといって放置もできない。そうなったら自分たちで片付けるしか……」
また陳腐な喩えを口走ってしまった。
まずいと思い、慌てて両手で口を抑えたが、こぼれたミルクは戻らないの諺どおり、こぼれた言葉は戻らなかった。
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