第678話 紗希の京都生活

 ☆紗希視点☆


 合宿を終えて京都へ戻ってきた私。

 京都では舞ちゃんという友人と一緒に共同生活を行っているわよ。 女の一人暮らしは何かと不安で心細いという事で、2人で部屋を借りて暮らしている。

 お互いに家事はしっかりできるので、家事は毎日分担制。

 借りた部屋は2LKで比較的広い家。 家賃は勿論2人で折半。

 生活費を稼ぐために私達はそれぞれアルバイトもしている。

 私はレストランのフロアスタッフ、いわゆるウェイトレスね。 舞ちゃんはコンビニのアルバイトを始めたみたい。

 そうそう、京都には私の彼氏である裕樹もやって来ている。 大学は別の大学に通っているけど、住んでいる場所は近くのアパートよ。

 夕飯をよく食べに来てるわ。 男の1人暮らしだと栄養偏ったりするから、こういうのは大事よね。


 さて、そんな私の1日の生活はこんな感じになっている。



 ◆◇◆◇◆◇



 朝──


 基本講義へ出る時は朝6時半頃に目覚ましをセットしている。


 ピピピピピピピピ……

 

 パンッ……


  目覚ましを叩いて止めて目を覚ます。


「んにゅー」


 ベッドの上で座り目を擦る。


「にゅー」


 朝の私はこのようにボケボケになっている。 血圧の所為なのか何なのか良く知らないけど、朝は激弱なのよね。 しばらくして起き上がり、まずは洗顔歯磨きから始めるわ。

 顔を冷水で洗うとようやくが目が覚めてシャキッとしてくる。

 部屋に戻って髪を結ったり軽くメイクをしたりとしていると、あっという間に7時半。

 今日の講義は9時からだからもう少しゆっくりできるわね。


「朝ご飯ー」


 今日の朝食は面倒になったので近くのコンビニで菓子パンと牛乳を買ってきたわ。

 もちろん舞ちゃんにもね。


「おはよー」

「あ、おはー。 朝ご飯一緒に買ってきておいたわよーん」

「ありがとー」


 2人で菓子パンを頬張り朝のニュースを見ながら過ごす。

 私と舞ちゃんは同じ大学の同じ学部で講義を受けているので、基本的に同じ日に同じ講義を受けに行くようにしている。

 8時過ぎには家を出て、バスで大学へ向かうわよー。


 大学での講義は午後まで。 お昼は大学内の飲食店で適当なものを頬張るのが常。

 朝の場合はお弁当を作るのも面倒だからね。


 講義を終えた後は舞ちゃんとは別行動よ。

 舞ちゃんは部活もサークルにも入っていないので、このまま家に帰って家事やアルバイトへと向かう。

 私はバレーボールサークルに参加しているので、アルバイトの時間にもよるんだけどサークルに顔を出すか、直接バイトへ向かうかの2択。

 今日はバイトも夕方なので、サークル活動にも軽く顔を出していくわよ。


「こんちゃー」

「こんちゃー」


 このサークルはとてもゆるゆるなバレーサークルで、単純にバレーボールを楽しみたいメンバーがゆるーく楽しむサークル。

 一応ガチガチのバレー部もあるにはあるけれど、ガチのバレーボールをやる時間と金銭的余裕が無いので、サークルで鈍らない程度に続けていくことを選択した。

 このサークルは普段はゆっくりと紅白戦をやったり、他校のサークルと対抗戦をやったりって感じ。

 今日は対抗戦がある予定よ。


「今日は京大バレーサークルとの対抗戦よ。 まったり楽しんでいきましょー」

「おー」


 またすんごい大学から来るわね。

 あ、そうそう、サークルでゆるくやるバレーだから当然ユニなんてものも無いので、ジャージ持参でやるわよ。


「よーし、今日もやっちゃうわよー」

「神崎さん、バンバン気持ちいの決めちゃっていいやよー。 日本代表の力見せたってやー」

「サークルの対抗戦でそんな本気でやっちゃったら何だか申し訳ないような……」

「ええのええのー。 神崎さんは神崎さんで楽しみやー」

「ん-、りょ!」


 そういう事ならバンバン強烈なの打っていきましょー。



◆◇◆◇◆◇



 というわけで京大さんのバレーサークルとの対抗戦開始よ。

 月ノ木では3番手なんて呼ばれていた私だけども、この大学のバレーサークルではエースのポジションについている。


「じゃあ、やっていきましょう」


 選手がコートに散らばったところで試合開始。 インターハイやこの間までやっていた日本代表選抜合宿で見てきた超凄いプレーヤーに比べれば、無名の大学のしかもサークルで楽しくわいわいやってるプレーヤーは随分と見劣りする。

 そんな中で私みたいな日本代表に選ばれた私みたいなガチが本気を出せば……。


「はいっ!」

「とりゃっ!」


 パァンッ!


 ピッ!


「ナイス神崎さん」

「いぇーい」


 ほとんど無双状態になってしまう。 私のスパイクを止められるプレーヤーもまずいないから仕方が無いわね。


「神崎さんラストー!」

「はーいっ!」


 パァンッ!


 

 ◆◇◆◇◆◇



「お疲れ様でしたー」


 対抗戦が終わり、京大の人達と少し話なんかをしながら親睦を深めたりなんかする時間に入る。

 私の周りにも何人か集まってくる。

 基本的に誰にでもフランクに接する私は、すぐに仲良くなる。


「めっちゃ凄かったですやん。 ずっとバレーやってんの?」

「えぇ、小学生の頃から。 高校でもやってたわよ」


 バレーボールのサークルっていうのは何も経験者ばかりが所属しているわけではないのよね。

 体を動かしたりしたいだけみたいな人も結構な数でいたりする。

 逆に私みたいなガチ勢な人はそんなにいなかったりする。 そういう人はやっぱりバレーボール部にいくものね。



 ◆◇◆◇◆◇



 そんな風に親睦を深めた後は、バイトがあるという事で先に上がらせてもらい、バイト先へと向かう。

 バイト先のファミレスは家の近くなのでバスで帰るわ。

 家の最寄りのバス停で降り、一路バイト先へ。


「こんばんわー」

「あー、こんばんわー。 そろそろ忙しくなってくるとこなんよー。 助かるわー」

「きゃははは。 着替えてすぐに来ますねー」


 という感じでバイト先でも上手くやれているわ。 コミュ強はやっぱ有利よねー。

 お店の制服に着替えて消毒やらなんやらを済ませてフロアに出る。

 これぐらいの時間になってくると少しずつ客足が増えてくる。

 夕方から夕食時が一番忙しくなる時間よ。


「いらっしゃいませー、何名様でしょうか?」


 見ればわかるけど、こういう風に聞くのはお店のマニュアルにあるからよ。 後からお連れさんが来るパターンもあるにはあるしね。

 お客さんをお席に案内してお冷をお出しする。


「ご注文が決まりましたら、そちらのボタンでお呼びください」


 この辺もマニュアル。 意外と自由にやらせてもらえないのね。

 私達フロアの仕事はこんな感じで、お客さんを席にご案内や注文取り、出来た料理の運搬や、空いたお皿の引き上げ、空いた机の清掃などと、意外と忙しい。

 特にお客さんが増えてくる時間帯は、結構休む間もなかったりするわ。


 そうこうして私のバイトは21時頃まで続く。

 この時間に帰って、家で夕食を食べるわ。

 舞ちゃんのバイトも基本的に同じ時間に上がって帰ってくる。

 なので、夕食はお互い帰ってから準備するのよね。 もちろん、裕樹もそれまで夕飯にはありつけない。

 悪いとは思うけど、これは私達の京都での生活がかかっているので諦めて欲しいわね。

 そうして夕飯を3人で食べるのは22時半。 その後はお風呂に入って日が変わる頃には寝る。

 これが京都へ来てからの私の生活ね。

 講義に出ない日は逆にお昼の間にアルバイトのシフトを入れて、夕方にはちゃんと夕食。 残り時間をデザインの勉強に充てるようにしているわ。

 これにて、京都での生活の解説終わりー。


 さー寝よ寝よ。


 

 

 

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