第2話
「めいちゃん!先輩に呼ばれてるよ!」
「え?誰先輩?」
「.......皐月先輩。」
あ、これ詰んだわ。さよならMY平和Life。
皐月先輩はこの高校では2位の美人で(ちなみに1位は凛)生徒会長をやっている。心当たりしかないが(おそらく宗介君のこと)呼び出されたということは結構やばいと思われる。
「わかった。行く。」
「大丈夫?」
心配そうに凛が声をかけてくれる。先輩の呼び出しを教えてくれたクラスメイトも心配そうだ。
もう、こうなったら腹をくくるしかない!
「大丈夫。私は今ラッパーになったから何言われても韻を踏んで言い返せる。」
「逆に不安だわ。」
「じゃ、行ってくる。」
先輩は廊下で待っていた。
「すみません。お待たせしました。」
「いえ。ここではなんですから場所を移動しましょう。」
「わかりました。」
先輩がくるっと方向変えてさっさっと歩き出したので慌てて付いていく。歩いてる間は何にも会話がなく沈黙が怖かった。
いやー、これは本格的にミンチされるぞー。
凛、母さん父さん、今までありがとう。
「着いたわ。」
そこは生徒会長室だった。
あちゃー完全にあっちのホームグラウンド。私の勝率は1/無限だ。絶対絶命!
「早速だけど、貴方、宗介に告白されたらしいじゃない?」
「は、はい。」
「じゃあこれから私の言うこともわかるわよね。」
「ひゃい。」
先輩が段々と近づきガシッと私の肩を掴んだ。こ、殺される.......!
「ありがとう。」
「へ?」
「こんな可愛い子なら弟が好きになるのは仕方ないわ。」
「え?」
「あら?もしかして知りませんでしたの?私、宗介の姉ですの。」
「えええええェェエエ工!!!」
海上家系恐るべし!美形が2人.......。羨ましい家庭。さぞご両親はお美しいことでしょう。
「宗介は今まで女の子と付き合ったことありませんの。ですから粗相をしでかしてないか心配で.......。もし、宗介が嫌なことありましたら遠慮なく言ってください。直すように言いますから。」
「いやいやいやいや先輩!むしろ私の方が直さないといけないですよ!容姿だって普通ですし!というか友達ですし!」
「いえいえ。貴方は十分可愛いです。それと友達というのも知ってますよ。宗介の男子友達に聞きました。宗介は仲の良い女友達もいなかったものですから。」
「あ、そうなんですね。」
知らんかったなー。まだ趣味の話しかしてなかったしねー。
「どうぞ、よろしくお願いします。」
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」
パタパタパタパタパタ
ん?なんだ??
ドンッ
「めいさん大丈夫!?」
「宗介君!?」
「あら。」
宗介君は私の手を掴んで.......え待って、ナチュラルにかっこよ。
「授業次移動教室じゃない?お友達さんが心配して探してた!急ご!」
「え?あ!そんな時間!?じゃあ先輩失礼します!」
「姉ちゃんまた後で色々聞くからな!」
「またねー♡」
こうして私と宗介君はそれぞれの授業にギリギリ間に合いましたとさ。
放課後。
実は今日ピプマイライブの当落発表!結果楽しみだなー♪♪
ワクワクと届いたメールを見てみると、
「この度はご利用いただきありがとうございます。先般お申し込みいただきましたチケットにつきまして、厳正なる抽選を行った結果、今回はチケットをご用意することができませんでした。またのご利用をお待ちしております。」
「落選かよー!!!!!」
夜、泣いて泣いて泣きまくって家の人に心配されました。明日学校行きたくない!!!
「はあー、ついてないなー。」
あの日の後も一般販売で戦ったが悔しくも惨敗。流石の人気といったところか。
まあ、落ち込んでもしゃーない。ライビュに行くか。
「おはよ、めいさん。待った?」
「あ、宗介君おはよ。ううん、全然。」
いつも通り高校の最寄り駅で待ち合わせして通学路を歩いてく。
「めいさん、一緒にライブ行かない?」
「え?ライブ?」
「ピプマイのライブ「行きます!」」
「了解!」
宗介君に本日はお出かけに誘われました。しかも全然当たんなかったライブ!!!
神ムーブキタ━(゚∀゚)━!
ひゃー!ぽぽちんの声優に会えるぞー!
「すごいねー!当選したんだー!」
「いや、友達からもらったやつなんだけどね。」
「良いお友達だね!」
「ありがとう。」
宗介君は本当に嬉しそうに笑った。相変わらず顔が良い。
「めいさんは何着てく?」
「うーん、ぽぽちんカラーの深緑系の服着よっかな〜。宗介君は?」
「僕はひーくんカラーの黄色か黄緑系の服かなー。チームカラーの灰色もいいかなー。」
「いいね!!!」
宗介のファッションセンス気になるわー。私も気合い入れてこ!!!
「ライブ何持ってく?」
「リングライトとハングライト!あと、ぽぽちんのぬいとチームのフード付きバスタオル!」
ふふっ。ライブの持ち物は完璧に揃えてあるわ。
「おけ!僕はリングライトかな?ペンラは?」
「ハンドサインするし、ペンラはあんまりおすすめしない。」
「なるほど!」
学校に着くとまた放課後の一緒に帰る約束をしてそれぞれのクラスに行った。
ライブ楽しみだなーと思いながら授業を受けてたらあっという間に終わってしまった。
まさに電光石火。はやきことかぜのごとしだった。
家に帰った後もテンション上がりすぎて自室でガンガンに音楽を流しながら歌っていた。
めいの情緒大丈夫か?と家族みんなで心配したと後に母は語った。
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