オタクは恋しない!.......はず
おきた狂
第1話
「めいさん!君が好きです!付き合って下さい!」
ちょちょちょちょーい!待って待って!気持ちが追いつきませーん!ただ今、絶賛学校1位のイケメンに告白されてる私、大森めい!
「あの、そのすみません.......バツゲームですか?」
じゃなきゃこんな普通の女の子に告白なんかしないっしょ!
「まさか!本気の告白です!.......だめ、ですか?」
うっ、顔面偏差値高い.......強い.......。いやいや流されるなーめい!これはこれからの私の高校生活にかかっているのだ!ここは穏便に断らなければ.......。
「あのですね、まだお互いのこと知らないじゃないですか.......なのでちょっとわからないというか.......。」
「わかりました!では友達からお願いします!」
え?そうなるの?
「LINE教えて下さい!」
え?え?有無言わさぬ感じ?でも友達なら大丈夫かなー。
「あ、じゃふるふるします?」
「はい!します!」
こうして、学校一イケメンと私は友達になった(?)。
学校一のイケメンは同じ学年の海上宗介というお方です。彼は頭も良く運動もできて容姿も良く性格も爽やかで明るくいかにも陽キャって感じで友達も多い。そんな人がなんで私を選んだろ?
「そりゃ、めいは可愛いし、性格もいいからなー。」
「え?そ、そう?」
「うん、磨けば磨くほど光る宝石みたいな感じ。」
こんな素晴らしいことを言ってくれるのは幼なじみの赤屋凛。しかしだな、あんさんは美人すぎる。故に私が可愛い事信じ難し。
「凛みたいな美少女に言われたら困るわー。」
「は?私美少女じゃないし。」
と彼女は言うが真実はモテまくる。保育園からずっとモテ続け、告白された数は数えきれない。
「めいは付き合うつもりないの?」
「ないよ。だって私はぽぽちん一筋だもん。」
そう何を隠そう私は2次元オタクなのだ。リアルのイケメンなど興味はない。あ、でも最近ぽぽちんのコスプレーヤーでソウっていうお方が気になってるんだよねー。
「だよねー。私はさま様が1番かっこいい人♡」
「さま様かっこよきよなー。」
「うん♡」
普段は普通の女子高生のフリをしているけど、休み時間の心友とのオタク談議は熱が入る。仲良くしてる人はみんな優しくてガチオタでも引かない。ありがたてえー。Twifferとか見ると結構「オタクきもー」とか「どうせ、オタクとかブスでしょ?笑」とか誹謗中傷の言葉を言われたという人もいるらしい。最悪なのはそれでいじめるということだ。そんな人によく聞いて欲しい。我が美少女幼なじみもオタクなのだぞ!しかもガチオタ!そして神絵師!描いてる絵はBLもあるし百合もある!これでもオタクをバカにできるか!?どうだ!参ったか!?こほん、失礼しました。取り乱しました。つい熱くなってしまいました。オタクはオタクでも美少女もいるし、かっこいい人もいるし「オタクだからこうだ!」みたいなのはあんまり嬉しくないなという気持ち。結局、誰になんと言われようとオタク降りるつもりはミクロンもないけどね!
──キーンコーンカーンコーン
「あー休み時間終わりかー。次英語寝そー。」
「あはは!凛昨日も寝てたもんねー!」
「見てたのー?恥ずっ!」
「まあね!可愛いから大丈夫!」
「あらそう?じゃ、また。」
「うん!」
授業が全て終わり放課後。部活の時間なのでそろそろ剣道場に行こうとしてたら
「あの、めいさん。」
「ん?あ!宗介くん!」
おーびっくりー。
「今日帰り一緒に帰ってもいいですか?」
「あ、えーっと.......。」
「無理には言いませんけど.......。出来れば一緒に帰りたいです。」
そんな風に言われたら断りづらいわー!
「わ、私で良ければ.......。」
「あ、ありがとうございます!」
ぱああっと花が華やいだように笑ってる顔を見ると案外悪くないなと思ってしまう自分もいた。
いつも通り雑巾がけを終えて部員にバイバイしてスマホを開くとLIMEが来ていた。
「校門で待ってますね」
おけまるでーす。返信、返信と。
「了解です」
校門に近くに着くとすぐ宗介君がこっちに気づいた。
「お疲れ様です。」
「お疲れ様です。」
どちらからともなく歩き出す。さみぃー。吐く息が白い。宗介君は私のカバンについてるぽぽちんを見て
「めいさんって、ぽぽさん好きなんですね〜。」
「え?知ってるの?」
あ、ついタメになってしまった。
「うん。あ、僕もタメでいい?」
「もちろん。」
「ありがとう。」
ニコッと微笑むと宗介君は話を続けた。
「声優のラッププロジェクトだよね?」
「そうそう!」
「僕も好きなんだ。」
お??まじか!
「え?同志じゃん。」
「認定してくれる?」
「好きだったらみんな同志だよ!」
いやー明日凛に報告だなー!同志おったでーって!
「やった!嬉しい.......。」
「ちなみに誰好きなの?」
「ひーくんが好き!」
「宝石級イケメンだよねー!」
「うん!歌、ノリよくて好き!」
その後も大いに盛り上がってあっという間に駅に着いてしまった。
「宗介君はどっち?上り?下り?」
「下りだよ。」
「私も〜。」
「このまま話しててもいい?」
「もちー。」
すっかり意気投合してしまった私達は私が降りるまでずっと話し込んでしまった。
「あ、次だ。」
「じゃあ、僕はこの先だから。またね!」
「うん、またね!」
アナウンスがかかり立ち上がると、
「あ、待って!」
裾を引かれた。お?なんだ?
「なにー?」
「LIMEとか電話とかしてもいい?」
と真っ直ぐ目を見て尋ねてきた。
「あんま見れないかもだけどいいよー。」
「ありがとう。ごめん引き止めて。またね。」
「いいよ〜。またね〜。」
そうして私は宗介君と帰ってからもLIME電話して大いに盛り上がり朝また一緒に登校することを約束した。
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