きゅうりの話

縁田 華

テストにも載っけたきゅうりのお話

幼い頃から食べ続け、いつの間にか好きになっていた。中学の時にこのことをクラスメイトに話すと「ばあさん臭い」と言われたが、幼い頃から大好きな食べ物だから、誰に何を言われようが変えるつもりはない。

私から言わせると、きゅうりはサラダ界のスターだ。売れっ子タレントが引っ張りだこであるように、きゅうりもまた然りでどんなサラダにも合う。というか、きゅうりがなければ私の家のサラダは味気ないものになってしまう。それが入ることによってその他の食材の彩りが鮮やかになり、より一層引き立つのだ。

また、きゅうりは歯ごたえも良く、一本まるごとマヨネーズや味噌で食べたこともある。幼い頃からずっとあの食感が好きで、それを味わいたいが為に祖母の家の漬物の過半数を皿に取り分けて食べたり、時にはおやつがわりにしたり、小腹満たしに一本まるごとということもあった。

私は基本的にどんなきゅうりも好きだが、一番好きなのはレタスとトマトときゅうりのサラダにフレンチドレッシングという組み合わせ。どうも私はシンプルかつあっさりした味付けが好きなようである。今でもフレンチドレッシングを見るたびにこのきゅうりの味を思い出し、懐かしむ。そして今日も私はサラダの中のきゅうりを食べた。この味と食感がいつまでも続けばいいのに、と思いながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きゅうりの話 縁田 華 @meraph

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ