完璧義妹には重大な欠陥が有りましたが.....?!

アキノリ@pokkey11.1

幸せなる世界

私、伊藤皆穂っていう個人は私も分からないと思う。

今までも.....そう。

これからもずっと分からないと思っていた。


だって昔から貴方は人じゃ無いって言われて。

化物、頭がおかしいって言われていたから。

周りのクラスメイトとかに、だ。

だから全てを抱いて塞ぎ込んでいた。

それはまるで.....言うならガラスのケースに気持ちを仕舞う様に、だ。


そんな時、由紀治。

つまり私のお父さんが明るい家族と再婚した。

相手は.....私より一歳年上の男の子供が居る、西子さんという女性の居る母子家庭の人達だ。


男の子の名前は吉さんっていう名前の少年だった。

私の.....フィアンセで有り、婚約者だ。

夫になる人でも有る。


正直、私と吉さんが今の今まで付き合う事になるなんて思って無かった。

私と吉さんはそれなりに反発し合う仲だったから。

だから結ばれるなんて有り得なかった。

それから周りが.....祝福してくれるなんて思ってなかったのだ。


昔の事だけど私は.....吉さんがとても嫌いだった。

私の大切なお父さんを占領している気分だったからでも有ったけど。

だからとても嫌いだった。

でも.....ある日、吉さんの秘密を知ってから.....そう。


大切な吉さんを守っていこうと思った。

どんな秘密かって言われたら.....私のお母さんが吉さんのお父さんを轢き逃げして死亡させていたから。

私としては.....私の母親が傷付けたこの人は私が守らないといけない。

そう思ったのだ。


だから私はその熱い熱意を隠しながら向けていた。

そのうちに.....それが好意に変わっていったのだ。

私は吉さんを陰ながら好きと思っていて。

その中で私の行動に、それっておかしいよ、と.....吉さんが言ってきた時は.....本当に悲しかった。


だけど.....これが私の接しかただから.....と自分を納得しながら。

全てを賭けて私は守ると決めたの。

でもそんな中でも.....吉さんは私を守ってくれて。

抑えられなくなって独占したいって思ってた。

それは簡単に言うなら絶対愛かな。


だからそれはそのうちにアピールに変わっていった。

そうしているとノアっていう女の子や.....吉武先輩に出会って。

数人さん、富山。

みんな。

私はまるでゲームで経験値を積み上げる様に.....変わっていった。


そして.....私は吉さんを独占するのはいけない事だって気が付いた。

だから私は.....振られても良いと思い始めたの。

ノアと結ばれても.....良いとさえ。

だけど.....吉さんは私が座っている場所に来てくれた。

水族館の.....イルカショーの所に。


「ノアの分まで幸せになろうな」


「.....そうだね」


私は素直に嬉しかった。

だけど涙が止まらなかったの。

ノアが可哀想で仕方が無くて、だ。

だけどノアは言ってくれた。


「私の分まで幸せになってね」


と、だ。

だから私は決めたの。

吉さんと二人三脚で.....この人生を歩むって。

それから.....何年も経った。


私は今、花嫁衣装を身に纏っている。

そして白い純白の教会に居る。

目の前には.....涙を流している、西子さんとお母さん。

それから.....お父さんが居る。


あれから目紛しい日々が過ぎ去って.....私は吉さんと婚約した。

吉さんが私が大学を卒業してのレストランで告白してきたのだ。

私の.....生涯の伴侶になってくれますか?と、だ。

五年以上の付き合いになったけど.....その日々は私のとって宝物で私は.....とても幸せだった。


そして私は.....メイクをしながら.....ヴェールを被る。

こんな事になるって誰が予想したんだろう。

私の様な人で良いのだろうか、って思ったりもした。

これから私は過去の事を反省しながら.....生きていくつもりだ。


この先の扉の先。

私を待っている人が、新郎さんの吉さんが居る。

私はその姿を見ながら.....笑みを零す。

相手も.....笑みを零すだろう。

その事を想像しながら.....私は.....花嫁衣装で歩みを進める。


赤いカーペットに彩られた.....教会の廊下をゆっくりと歩きながら.....これまでの想いに馳せる。

全ての暖かい想いを抱えながら.....これからは吉さんと分かち合うつもりだ。


数人さん、小町さん、灯篭さん、鹿島さん、吉武さんなどの姿が見えた。

あとは私達に関連する関係者の方々。

私はそれを確認して目の前を見つめる。

目の前に白いタキシードを纏って.....白いネクタイを身に付けてそして.....笑顔を浮かべている吉さん。


私はこんなに婚約して幸せになった。

これからは私が.....幸せを青い鳥に乗せて運ばせるのが仕事だろう。

そういう職業だから、だ。

思いながら私は目の前のステンドグラスを見ながら。

これまで見せた事の無い、最高の笑顔で.....吉さんに応えた。


「吉さん」


「.....皆穂」


そして吉さんが手を差し出してくれて私はそれを握る。

それから.....壇上に上がった。

そして.....結婚式が始まったのを.....今でも忘れない。

幸せが最高潮だった。

私は貴方に会えて幸せです。


そう言いながら.....私は吉さんと婚約した。

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