その2 転校生

夢の中で私は高校生だった――


転校生てんこうせいがきた。

私はその転校生のことを知っていた。

転校生も私のことを知っていた。


得体の知れない、遠くから見える黒い何か


次の日また転校生がきた。

昨日の転校生と同じ転校生だった。

私のことを知らない転校生だった。


得体の知れない、遠くから見える黒い何かを転校生は私にくれた。

壁中がシールだらけの部屋にそれをしまった。


無数むすうのマネキンが住む街。

マネキンは定期的に動き、そこで生活している。

思考しないが生きている。

人間だったモノが望んだ形でそうしている。


薄暗うすぐらい、街全体が薄暗い。


――2019年7月1日

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