4.ネコマタ

プロローグ

自分が他と違うと気付いたのはいつだっただろうか。彼女はふと足を止め、川面に映った自分を見返しながら思った。


 温もりと安らぎを求め近づいても嬲られ、拒絶される。私がいったい何をしたというのか。


 襲ってくるのは孤独と空腹。もう何日まともに食事をしていないのかすらわからない。


 せめて空腹だけでも紛らわそうと、川面に顔を近づける。


 カクンと脚の力が抜け、ポチャンと波紋が広がる。


 もがく力すら出ない、私はここで終わるのか。

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