エピローグ

「うん、終わったよ……」


 ヒバリに状況報告をしながら理事長室を目指す英二の後ろを歩くのは、木下とマッチョ。木下は先程の妙なテンションで口走った事を思い出し顔を真っ赤にしているし、マッチョはマッチョで自身の腕の中でジタバタと暴れるている件の妖怪を見ては、それをじゃれ付いているのだと素敵な勘違いをして鼻から真っ赤な液体をダバダバと垂れ流していた。


「一条よ、このモフモフ、ワシが飼ってもええかのう!?」

「……好きにしたらどうですか?」


 相変わらず鼻血を垂れ流したままのマッチョにドン引きしながら答える。一応妖怪なのだが人を食うわけではないし、理事長からの依頼は一応完遂した。すねこすりの今後など本気でどうでもいいと英二は考えていた。


 不器用にスキップしながら去っていくマッチョを見ながら英二は歩く。学食タダというすばらしい報酬を手に入れるために。

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