妄想の展開
僕の名前は雨宮りゅう。どこにでもいる普通の高校2年生!。的な感じのあるある自己紹介をしている者だ。りゅうは龍でも竜でもない、りゅうだ。彼女は出来たことがない、みたいなフラグを立ててるといつしか現実にならないかと夢みている。
まあ、こんなラノベ主人公風な男他にはいないだろう。ラブコメ主人公になりメインヒロインが出てくる的な展開が待ち受けているはず!!
そんな感じの期待を胸によせ高校生活を送り始めた訳だが、未だにラブコメ的な展開は発生していない。しかし、僕はそこそこ顔が良く、成績はいい方だ。
ぶっちゃけクラスで僕より頭の良い奴はいないだろう。なのに僕に告白してくるような女子なんていなかった。悲しいことにな!顔がダメなのか??だが、そんなある日。僕に告白してきた人がいた。クラスのマドンナ、可愛い系のショートヘア!佐伯沙苗である。胸はDかE!
ついに俺にも輝かしい日常が!
「ふふふ、ふははははは!!」
、、、、、勿論嘘である。
頭が良い、これは本当だ。でも、その他は全部妄想だ。なんでこんな細かい妄想をしてるかって?
憧れているからだ!
だってそうだろ?授業終わって部活にも入らない僕は速攻家に帰ってラノベ読んで寝るだけの人生を送ってんだ!下校途中とかにイチャイチャしまくるカップル見るとイライラするだろ?
なぁ?普段の俺なんかクラスメイトの胸見てサイズ予測を友達としているようなゴミ人間だ。
んで、妄想した。
僕はそんな悲しい人間なんだ。
今日も今日とて昼休みの時間になれば数少ない友達の中で最も僕と喋っている智樹と一緒に昼飯を食べ、食べ終われば静かにラノベを読んでいる。
悲しすぎる、
僕はこの人生から抜け出せるなんて思っていなかった。正直諦めていた。
「ちょっと良い?話があるんだけど。」
急にそんな声が横から飛んできたので僕は思わず体をビクッとさせてしまった。恥ずかしい。もしかして、今日胸ばっか見てるのがバレたとか?!
だとしたらまずい、せめて智樹を道連れに!ていうか、よく見たらこの人
クラスのマドンナ佐伯沙苗さん(妄想のあの人)ではないか?!
まずい、これはまずい!こんな人に嫌われでもしたら明日から僕はクラス皆んなから蔑んだ目で見られてしまう!
どうしよう、
あの奥の山を見てたんだ!
とか言っても信じてもらえない!智樹を道連れにしたところで軽蔑される人が一人から二人になるだけだ!
と、そんなことを考え焦っている僕に彼女が放った言葉は、非常に重たく、
「好きです。付き合ってください。」
、、、、、はぁ?
「はぁ、、、、、、、はぁあぁぁぁあぁぁあぁ?!」
????どゆこと????
あ、あれはあくまで妄想の中の話であって現実に起こるなんてそんな、て言うか、胸のことじゃない!良かった、
いやそれどころじゃない。どう言うことだ?!
「あの、聞こえてますか?」
ぎやぁぁぁぁぁぁぁあ!!
なんだこの声、天使か!天使だ!
「えっと、ごめん。もう1回言ってくれる?」
僕がそう言うと彼女は顔を赤くしながら、
「ずっと前からりゅうくんの事が好きだったんです!付き合ってください!!」
ええぇぇぇえぇえ?!
好きだったって、いつから?!
何だこの王道ラブコメ的な展開は!
彼女が答えを待っている。これは、今答えなければ行けない空気だ。だが問題は無い、僕の答えは決まっているからな!
「こちらの方こそ、よろしくお願いします!」
「良かった嬉しい!じゃあ明日、一緒に帰ってもらっていい?」
「勿論さ!」
こうしてこの男、雨宮りゅうのラブコメが始まったのだ。ただし、この男はクズライフを送ることになるが、、
この瞬間、佐伯がとても不適な笑みを浮かべたのは本人以外知る由も無い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます