第3話:どう足掻いても無謀
どうやらこの学校は一般的に進学を目指す学校では無く、即戦力で社会に貢献するような人間を育成するのを目的にしていたようだ。とはいえ、全教科すっ飛ばして人生だけを延々説き続けるなんて、どんな無謀な学校なんだ。確かに人生は見えないことだらけだ。ましてや若い人になれば尚更だ。経験が乏しいと人生はバラ色に見えるなんて、誰かが言っていたっけ。歳を取れば取るほど人生は揚げ足取りの地獄絵図に変わっていく。夢とかなにそれ異世界転生でもしたら叶うんですか状態。
そんな腐った俺が、遂に女子校生5人の担任になる事になった。おいおい、お前寝ぼけてんのかと言いたくなるが、これがマジな話である。こんな一発逆転みたいな人生があるのか、と感心してしまう。人生は夢だらけですか?
5人が待っているはずの教室に遂に辿り着き、戸を開ける。そこには桃色の世界が・・・・・・待っていなかった。教室には誰一人として居なかった。
おいおい、この5人ってまさか、問題児なのか?問題児だよな、一応授業の時間なのに席に着いてないしね。授業を受けることは学校の生徒であれば義務だよね。一体何処に居るのか?まさか学校すら来ていないっていうパターンか?毎日モーニングコールして、幼なじみの特権でベッドに馬乗りになって起こしに行くのか?それはそれで楽しみだな。
というか、義務を守らない生徒に授業してどうするんだ?どうせまともに俺の話なんか聞くはずないぞ。むしろ、授業に来ないでくれた方が俺の仕事も無くなるし、Win-Winなんじゃないか?でも授業とかちゃんとしないと女子校生と仲良くなれないし、好感度を上げたくても上げられない。この学校に来た意味が無くなる。それだけは避けたい。警察に捕まるなら、個別ルートが確定したあとで捕まりたい。
フラグを立て始めるには、まずは居場所についての手掛かりを掴まなければいけない。校長がもしかしたら知っているのか?知らなかったら、学校の監視カメラから居場所を探ろう。女子更衣室に監視カメラは付いているのかも、ついでに確認しよう。付いていたら毎日監視ルームに通おう。
だいたいは保健室とか屋上に逃げている奴が多いよな。保健室に逃げている奴はまだ救いようがある。学校の屋内に居て、保健の先生とおしゃべりしたり、まだ社交性が残っている。話せば分かりそうなタイプ、と思う。実際に保健室に入り浸ってるような奴と話した事はないけど。俺はどちらかというと屋上でゲームして時間潰してたけど。そう思うと全くもって社交性ゼロだな。よく教師やるとか言い出したよな。
まずは保健室を訪ねてみる。保健の先生は不在。部屋の奥にある白いベッドを恐る恐る覗くと、人間と思わしきものが布団に包まって横たわっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます