ヒーロー

私たちは河川敷にいた。

「ねえ綺麗な星空。愁、覚えている最初の頃。私さ、びっくりしたんだ。こいつ何って。だってさ口実がすごかったから。」

「うん、あれは忘れてくれよ。まあ良くここまでになったこと。」笑っていた。

「で何だっけ。私家に泊めたよね。恋心などは全く無かったけど。」

「馬鹿だな変なことやる奴だったらどうしてたんだ。」

「そんな事やらないから泊めたんだよ。だって心が綺麗だったから。…寿命は覆せるんだよ。予測なんだよ。だからねきっときっと助かる。だから諦めないで。希望はあるから。必ず助かるから。」

「そうだよな希望は捨てない。」

「ねえ愁今度はずっと一緒にいてくれる。」

「ああ勿論。離すものか。何があってもこの手は離さない。」と私の手を握りしめてくれた。

「ねえ学校のチンピラを追い払ってくれたよね。あのとき私嬉しかった。その時から気になりかけていたんだ。」

「……。」

「それでね。それでね。だんだんこの気持ちが貴方に対する恋心だと分かったんだ。」

「………。」

例え貴方が私の手を握っていなくても。

……………。

「貴方が居なくなったら何の意味もないじゃない。馬鹿なの本当どんなに、握ってくれても生きていないと、意味もないじゃない。もういいよ。貴方達の分まで生きてやるから。」

「だからね愁どんな時もずっと一緒にいてくれた貴方が大好きだよ。さよならそしてありがとう。」

私の涙は止まることも知らなかった。

そして声は静かに反響していた。


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