本音
「え、愁君。」
「ごめんな、ずっと一緒にいられなくて。でも香子さんの約束守ってやろうね。私の分まで生きてと言う約束。」
「ありがとうまた手を握ってくれて。私は嬉しかった。」
「避けようね琴乃さんよ。たくよ。もう体動かないや。何と言うか寒い。どうにかなりそうだ。」と笑っている。強がっている。
「ねえ、もういいよ。強がらなくて良いんだよ。」
「だからね言っていいんだよ。」
「…死にたくない。もっと生きていたい。孤独な生活は嫌なんだ。だから繋がりを求めていた。建前で琴乃さんを助けると。孤独はもう嫌なんだよ。そして錯覚していた。琴乃さんを救う事が人生だと。最初の告白は口実だ。最初は恋心などなかった。でも一緒にいて笑って過ごしているうちに、好きになってしまった。何が余命だ。もっと生きていたい。」
初めて聞いた本音だった。
「だったらやめにしようよ愁。私も同じ。だからね私もいいよねもう疲れちゃた。だから出していいよね。」
私たちは抱擁した。久しぶりの人の温もりと愁がいなくなる事に。どうしようもなくなりただただ泣いた。
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