嘆き
私はあの公園にいた。いつもそうだった悲しい事があると。でもあまり気は休めなかった。だって香子の思い出が蘇るから。そう言えば愁君とも来ていた。今は思い出したくない。
ねえ何で私と関わった人はいなくなるの。何かした人の不幸を邪魔した。ねえ誰か教えなさいよ。私が何をしてこうなったか。
…香子はいなくなるし、愁君は寝たきりだし、化け物だし、何で何で。そう一人で誰もいない暗闇の公園で嘆いていた。生きて仕方ないんじゃないか。そんな考えに至ったが、誰かに言われたような気がした。
「私の分まで生きて。」
まだ希望はある。起きていなくても生きているとそう言い聞かせて病院に戻った。そう言えば、愁君に聞き忘れた事があった。そんなのは心を見れば分かるが愁君の口から聞きたい。あの告白の意味を。心を最初見たときは好意とかは全くなかった。だから愁君の本音を聞きたい。そんな事を考えて歩くと。
…え。突如トラックが勢い良く突っ込んでくる。あ、ここが墓場か、まあいいや。目を閉じて覚悟をした。痛いんだろうな。
誰かに抱き抱えられて転がっていく。誰なんだろうか。愁君みたいに手が暖かい。まさか…
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