幽霊
「あ驚かせた、ごめんね。」
「えっと生きてるの。」考えれば分かるような質問をした。
「えっと、ね。」と壁をすり抜ける。何となく察しはついていた。
「ねえ愁君、あの漫画の最後みたくさ。お姉ちゃんを助けてよ。…このままだとさ、耐えられなくなって息を絶ってしまうと思うんだ。だってさ、架空の私を作り出しているから。確かにそれは現実逃避出来るかもしれないけど一時的なものになってしまう。…だからね。助け出してあげて。ごめんね最後まで我儘で。」
「そうするさ。触れないけど泣いている香子さんの背中をさする。」
「ありがとう、私の
そんな事を約束してしまったが僕には時間がない。
はなして僕は出来るのだろうか。
「…ごめん愁君一人にさせて。励ましてくれるのは本当にありがとう。だから一人にさせて。あと呼び捨てやめて。」
僕は言われた通り一人にさせてしまった。呆れた何にもしてあげられなくて。不甲斐なくて不甲斐ないくて。もしこの時何か立ち直る事が出来ていれば、こんな悲しそうな琴乃を救えたかもしれない。
琴乃が、立ち直ったのは、一週間後だった。そして
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