余命宣告

あの事から一週間だった。まあ良くは思われていないだろう。けれどもなぜか。

「さてと行こうか。愁。」

僕らは病院に行った。なぜが手を繋がれた。

「あの、何で。」

「えっと不安だから。」そうわらって微笑む。この笑顔冗談抜きで惚れてしまう。

「ねえ本持って来たよね。最終巻。」

に勿論。楽しみなんだろうな。」

「愁だよね、このマンガ教えたの。」

「そうなんかあったの。」

「いや珍しいな香子が知ってること。」

そんなこんなで病院に着いた。そして嫌な予感がしていた。なぜなら香子さんの余命宣告は、一週間前だったから。それは琴乃には言えるはずがない。だって笑顔を奪うことになってしまう事になるから。

懐かしい。この病室。僕がいたベットは空いていた。

「あらまだ寝てるの。じゃあ読んで起こそうかしらね。」と琴乃は本を読み聞かせしている。

……十時になっても起きない。

「…昨日手術で疲れてるのかな。」

半分が終わったでも起きない

昼となってしまった。

「…………。ねえ香子。全部終わったよ。皆んな幸せになっているよ。よかったね。」そう泣きながら。涙は本に落ちる。

「ねえもう一度でいいから起きてよ。」そう泣きじゃくって香子さんに触れる。もう温もりも無くなっていた。そして説明を聞いていた。

だから廊下に出てしまった。

「ねえ。」そんなどこか懐かしい声がする。

え……動揺が隠せない。なぜなら居ないはずの香子さんがいた。…どういうこと。

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