孤独な一人

「えっとね。チェスやろうよ。」

「ヤダって言ったら。」と煽ってくる。

「拒否権ないから強制的にやらせる。」なんだろう子供みたいになっていた。

「じゃあ行きましょうか。愁君。」

「えっとどこ。まさか琴乃さんの家。」不思議そうに聞いてくる。

「うんそうだけど嫌なの。」

家に着いた。

「さてと、楽しみだな、だって一人だったから。」

「…家族は居ないの。」

「えっと両親は海外で香子は病院。だから一人暮らし。そんな事は良いから楽しませてよね。友達いなかったから。」

数戦やったがまったく勝てなかった。

「…能力使わないの。」と聞いてきた。

「だから使いたくない。だって楽しくないでしょう。」本音は使いたい。

「この状況は、どうでしょうか。さてと終わらしてあげましょうかね。」

「は。」

「だってさ、顔に出てるから。」

「じゃあまた明日ね。」

「あ、うん。」

なぜだろう。なんか暗くなっている、愁君がいた。

「何かあった。」そう聞くと黙っている。

私は仕方なく能力を使った。どこに野宿しようか。

「ねえ愁君、もしかして帰る場所がない。」

「えっと、うんそうなんだ。ちなみに金もあまりない。笑っちゃうよね。」

「だったら泊まっていく。私は良いけど。」

愁君は赤くなっていた。恥ずかしくなったのかな。

しばらくして答えが来た。

「何でなの。」

にいや、心を読んだんだごめんね。野宿してくたばったら困るからもう友達だからね」

「しばらく厄介になりますね。」

そう言いながらまたチェスの準備をしていた。

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