05 石室の地図

 高級ダウンを脱がされ、綿の作業着に衣替えころもがえ、幸か不幸かトッディの現場事務所の立地は大きなポテンシャルとなっている。


 五十嵐が事務所のコンセントにプラグを挿し、ドラムの電源コードを伸ばしながら前を行く。オレは脚立を抱え、女子たちは大ハンマーやバールを持ち、化け物屋敷の非常口、見慣れた順路を進む。


「ここなんですよ」五十嵐が足を止めたのは目を背けて通過したギロチンセット、切り離された首がコロッと落ちる大きな木棺、なるほど……


「昔から人が考えることは一緒なんだ。最後の最後にゲストを驚かす、たぶん木棺から生きてるスタッフが『ギャー』って立ち上がったんじゃないかなー」

 思わずオレが解説をしてしまい、中を覗く。


「やめてくださいよ」と言う美彩だが、紀美が面白そうに、

「続けてよ、竹浪くん、それから?」


「やっぱそうだ、中に人が隠れてて、立ち上がるとちょうどいい高さになってるし。なんだ造り物の首じゃん、なんて思ってバカにした瞬間、ホラ、底のスノコは首が落ちたらゴトンっていい塩梅の音がするように……あれっ? ちょっと待って、ギロチンの首受けってカゴじゃなかった?」


「そこなんですよ」と、やはり覗き込んでいる五十嵐。

「どこ?」


 五十嵐がバールを手に得意げに説明を始めた、

「ここから驚かし役が出てきたとしても、木棺が極端に大き過ぎると思わないかい? 必要ないでしょこんな大きさ。美彩ちゃんちょっと懐中電灯照らしてみて……どうよ?」


 厚い床板に開いた節穴、光を当てても反射が戻ってこない、その下は空間? 粗めの隙間にバールを押し入れコキコキすれば、動く!


「そう、底板ではなく蓋になってるんだよ」と、今度は外の床をバールでガンガンし「この建物の床はコンクリートなんだけど、なのに何ですかねーこれは?


 私は、あの穴を掘ってて、このお化け屋敷の下に繋がっていると確信したんですよ。直線上に考えればここらに秘密の部屋があるのではと疑ってね。さっき見た石畳がゴツいのは地下道の天井なんじゃないかと」


 まさか、こんなところに地下への入り口があろうとは、嫌な予感がよぎり出した。これは回避しなければヤバそうな進展、

「ボク、閉所恐怖症なんです」と、可愛らしく言ってみた。

「えー、今まで知らなかった」と、紀美。


 余計な口添えをしないでほしい、なぜ、意図を理解できない、

「紀美ちゃん、閉所恐怖症の件は誰にも言ってなかったけど、もし、途中で発狂したら、足手まといと思わず連れて帰ってきてよ。置いてきぼりなんかにされたら余計おかしくなりそうだから」


「大丈夫です」と、人ごとのように美彩がトランシーバーを渡してくれて「私、本物のギロチンなんて、初めて見ました」と、なぜかウキウキ。

 いや、これは造り物だ、と言ってやれない。


 五十嵐はヘルメットの両側に工事ランプを養生テープで固定、安全ベルトをクロスにしたタスキ掛け、まるで八つ墓村のような出立ち。

 電気技師、と云うより技術営業であったオレに言わせれば問題外、ヤメてほしい。


 しかし、彼は戦闘気分満々「このギロチンセット、フィリピンには行かないよね?」と、紀美に確認。

「これはー、無理ですね」


 紀美の返事に嬉々とし、

「やっちゃいますよ」と、縁にバールを当てグイッと力む五十嵐、

「こりゃダメだ、無理っすね、道具がないと」と、オレを見る。


「何か取ってきましょうか?」と美彩が言うが、

「重くて無理だって。竹浪さん、事務所の隣の倉庫からチェーンとシャコマン、それとインパ、ナス、適当に見繕って持ってきてもらえます。ネコもあるし」と。


 ハァ? ナニ語? いくらオレがテキトーでも、でも時間は10時半、アチラの連中が偵察を始める前に終えなければ。


 紀美の計らいで美彩を補助につけてもらった。オレよりは工具の名前を知っているようで、アシスタント化したオレは愛称ネコと呼ばれる一輪車を押している。


 準備が悪いのは誰のせい、との不満は置いといて名前を復唱、ジャラジャラと長い鎖はチェーンブロック、シャコは英語で言うクランプ、インパは電動ドリル、ついでに距離が足りないだろうから電工ドラムも持ってきた。


 思ったよりもギロチン解体は進んでいない。五十嵐はタバコをふかし、紀美はスマホのチェック。なんだ、こいつら。


「お疲れ」と、おもむろに立ち上がった五十嵐が木棺の縁にシャコマンを掛ける。

 通路反対の鉄骨にフックを引っ掛け、オレと2人でそれぞれ、チャリチャリ、ギリギリとチェーンブロックを締め上げピーンと張ってきた。


 興奮高まりイキそうになったのか五十嵐「ストップ!」木棺の中をしげしげと覗き「見えた、ホゾまで組んで、まあ、丁寧に造ってやがんなー。吹っ飛ぶかも知れないから、離れて下さいよー」と、皆を遠ざける。


「ギリッ、ズッド〜ん!」と轟音を立て側板が倒れた。

 アチラの連中にバレなかったか、そんなことより、辺り一面ホコリだらけで何も見えず。ヘルメットを被っていたからいいようなもの、顔は白化粧。お互い「ダハー」と見つめ合う。


 次は床板。贅沢な厚みだが、隙間だらけ。これは人力で動かせる。


 さてさて床に空いた井戸のような四角い縦穴、トイレの個室程度の狭さで深さはゾウの背丈ほどあり躊躇したいところ。懐中電灯を当てる五十嵐、側面は丸太を横に積み、崩れぬよう押さえつけてある、が、一角は雑に枕木が縦掛けられている。脚立をハシゴにして降りてみれば、カビ臭い。


 枕木を1本どかして「あった! やっぱ有りましたよ、通路が。よし、遺構に行こう」と、もはや有頂天の五十嵐。


 ドン引きというほど的確な表現が他に見当たらない、狭き穴径、地底に向かうブラックホール、まったくもって未知なる冗談。なにが悲しくて行かねばならんの……でも、パワースポット、心を揺さぶる言葉、自分を奮い立たせる唯一のキーワード。


「私がやっぱ、先頭ですかね」と、五十嵐さん、甘美、天使、素晴らしきアイデア。

「一時間経っても出てこなかったら警察呼んできますよ。それじゃあ」と、帰る真似をしてみれば、

「勘弁して下さいよ」と、哀訴。


「私も降りまーす」と紀美がはしごに手を掛け降り始めた。

「待って下さい、このプラグを渡すから美彩ちゃんに挿してもらって下さい」


「人が来たら、なんて言います?」と、美彩が訊く。この子は他人の不幸にニッコニコ、きっと普段からのストレスが溜まっていたのだろう。

「ギロチンで落ちた首を探してる、って言って追っ払って下さい」


 そう言う五十嵐が電工ドラムのプラグをオレに渡し、オレは途中まで登り直して紀美に渡し、紀美が美彩に渡し電源確保。いずれにしろ3人が立てる井戸底ではない。


 はじき出され横穴へ逃げていた五十嵐が2つのライトを点灯させた。覗けば途方もない深さ、ではなさそう。なんとなく下の方に踊り場があるように見える。


 だいぶ屈まないと行かれそうになく、ここまで降りて来た紀美が先をためらったが「私、2番目、だって五十嵐さんのライト明るくて安心できるも。ここを持って」と、五十嵐の背中の安全ベルトを掴み、

「怖いから、ゆっくりお願いしますね、五十嵐さん」


そして振り向き「竹浪くん、絶対に押したり驚かしたりとか、無しよ」

「誰がしますか! そんなこと」


 順番の譲り合いもなく、間隔を空けずに前後を確かめイタズラ無し、と相互確認。

 ヘッドライトを照らし、ドラムの電気コードを延ばしながら五十嵐が踏み出す、続くは片手にスマホの補助ライトを持つ紀美。しんがりは懐中電灯のオレ。


「上原さん、次、段差すごいよ、大丈夫?」とか、

「ま、待って五十嵐さん、スベるスベる」とか言ってたが、だんだん無言になってきた。


 素堀りの下山トンネル、軍手でも触れたくない蜘蛛の巣、狭く勾配がきつく電源コードが邪魔くさい。足元照らして一歩づつ着実に、振り向けば角度のせいか入り口は見えず、もし閉じ込められでもしたら、それは考えたくも無い。


 トランシーバーが通じるかチェックしたい、が、もしも美彩がYOU−TUBEでも見てたら、邪魔しちゃ悪いのでやめておこう、と、ヤバイ、先行部隊に離された。


「ちょっと待ってよ、おいてかないでよー」

「早く来てください、竹浪さん」と、五十嵐の肉声。


 クソったれ、それは無いでしょ、間隔開けずの約束はどうした。焦るが慎重、下ばかり気にしていたらボコッと頭に、なんだと思ったら木の根っこ。腹たつー。折って曲げてやる。


 だが、力一杯引っ張ってもビクともせず、手がヌルヌル、気持ち悪いので一応ライトを当てて、と、すべった、あれよ懐中電灯がコテコテと光を散らし、消えた。


「大丈夫ですかー」と、先頭部隊も視界から消えかかっている。


 見えない、段差が見えない、しゃがんで手探りすれば、なんだ、手すり代わりの安全ロープ、あるじゃないか。どのくらいの強度があるのか、グイッと引けば「キャーーッ」と響き渡る、たぶん紀美。


 電源コードだった。ドラムからプラグが外れ先陣のライトが切れたようだ。漆黒、無音、言わんこっちゃない、紀美がオレに余計なことを言ったからだ……それとも……来たか転生、タイムリーパー、そいつは甘美、いよいよ次はヒーローとしてバトル! 勇気を持たねば。


 誰もいない世界、上に行くべきか下に行くか、トランシーバーのスイッチランプが唯一の光、一段一段、まだかまだかと踏みしめ底に降り立った、そこは猫の額。


 朽ちかけた木で雑に組まれた横穴、淡く漏れ出る光……こんな場合、ララ・クロフトなら……背を屈め、勇気を持って、恐る恐る覗けば、人影2つ……彼らは……見覚えのある五十嵐と紀美。くぐれば、ここは? 石室? 天井は驚くほど高い。


 2人に近づけば無言、鼻を鳴らせば土臭い。最初に口を開いたのは五十嵐、

「竹浪さん、遅かったじゃないですか。なんだと思います、ここ?」


 蜘蛛の巣男と化し糸に覆われ不気味さが漂っている五十嵐、とてもじゃないが突っ込みを入れる余裕はない、

「いや、だから、今、どのくらい潜りました?」


 五十嵐が分析を始めた、

「ギロチンの側からギリギリでドラムがあそこまでは届いたから、まあ、斜めにみて深さは……10mくらいですかね。でも、そこじゃないんです」

「ということは、掘った穴の天井と合致するってこと?」


「んー……だから、ここは、この部屋は何だと思いまか、って訊いているんです」

「えっ……いや、まったく」


 怒られそうで言えないが、外よりは温度は高く適度な湿気、ワインセラーに使えるのではないだろうか。頭のライトが役立たずとなり懐中電灯で辺りを照らす五十嵐、

「安心してください、はいってます」


「えっ?」と、紀美とハモった。

「私の頭の中に情報が入っているのです。ここは旧日本陸軍の特殊任務を務めた通信基地、の跡のはずです」


「へぇ?」

「どうして、五十嵐さん、そんなこと」と、紀美。


「おたくの社長のお父さんが戦中派で、その先輩に聞いて、ここらに極秘の通信基地があった、っていうことを覚えてた、っていうことですよ」


「それで……それで、なんかお化け屋敷に使えそうなものがありそうって、ウチの社長が思ったんですね?」


「違うんです、話はもっと複雑なんです。この部屋の中に地図か何らかの情報があるはずだから、それを探すんです」


「えっ? 伽藍堂じゃないですか、ここ。それに、1時間以内だし、オレ、明かりも何も持ってないし」


「竹浪くん、スマホ持ってないの」

「あー」と探せばポケットにあった。


「1時間と言ったのは竹浪さんであって、ちょっとトランシーバーを貸してください」と、オレから奪う。


「美彩ちゃん美彩ちゃん、プチ」

「………」


「美彩ちゃん美彩ちゃん、プチ」

「………」


「美彩ちゃん、美彩ちゃん、プチ」

「こちら、美彩でーす」と、スピーカーから声。


「皆んな無事に下に降りて来てるからー、心配しないで大丈夫でーす。そっち、美彩ちゃん、お腹すいたですかー プチ」

「よかったでーす。まだ大丈夫でーす」


「だいぶ時間かかるかも知れないから、先に弁当食べててくださーい、プチ」

「でも、人が来たらーどうしまーす」


「穴の周りにブルーシート、掛けといて下さーい。プチ」

「了解でーす。プチ」


「それで、何の、どんな地図なんですか?」と紀美、ちょっとイラついている模様。

「そ、それは……社長から直接聞いてください。私は、まだ、どんなものかも分からないんですけど、とにかく探して、と」


 なんだそれは、一体なんなんだ。ここにあるのは、向こうの方に、うん? タタミ2畳はありそうなドデンとした机、くぐって入った所は、まさに盗掘穴、他に正規の入り口は……あるじゃないか、ちゃんとした石組みの入り口、ドアはないけど。


 足元はやけに靴にくっつく土の感触、スマホを向ければ、

「あっ!」

「イヤッ!」と、飛び上がる紀美。

 でも着地するから意味がない。


「なんだこれ、靴跡? 我々のじゃ、ないし」

 戦時中とは思えない靴底のスタンプ型、盗掘というよりなんらかの調査がすでに行われていたのか、いくつかの足跡が正規の入り口に続いている。


 とりあえず、一番まともな懐中電灯を持つ五十嵐に、

「行ってみますか」

「えっ」と、ためらいをみせるが責任感が強いようで、紀美にも促され隊列を崩さずソロリソロリと移動。


 右を見る。トンネルは両手の幅も無く、高さは手を伸ばせば届く、その天井はアーチ状ではなく石の平積み、どこから運んできたのかかなりの大きさ。両側も石壁、所々にしたたる水滴。


 どうやら石畳の下が地下道というのは真実味をおび、長い通路に懐中電灯は届かない。漆黒の世界を進めば板や土で埋められた間口もあり、さらに進めば柱の林立する開けた空間。中央に段々あり、祭壇か。奥にも部屋やら脇道がありそうで畏怖そのもの。


「あっちに行くと、上は重機が走り回ってて、落盤したら命取りっすよ」

 殊勝な五十嵐、いい考えと皆んなで引き返す。入って来た間口に近づいた。そこから奥は落盤状態、もとより行き止まりか、でも、アレッ?


 あれは? 瓦礫から何か白っぽいものが……クルクルとライトを回せば? 骸骨や長い髪がそのままついた、人の、人間の頭……あ、あ、足が動かない、硬直体験は初めてだ、け、警察沙汰だ、これは遺跡なんかじゃない、


 逃げよう、しかも、細長い板に並んだ尖った棒、先端にちょちょ切れた首をつっ刺している、悪趣味だ、愉快犯の拷問他殺事件だ……骨もバラバラと散っている。2人を見れば、意外と冷静?


「五十嵐さん、なんだと思います、申し訳ないですけど、ちょっと触ってきてもらえます」と、紀美。

「あーっ! ちょっとって、ちょっと、なんすっかそれっ!」

「だから……」


 ここはジャンケンか、いや待て、スマホを手にする紀美が前進を始めた。

「崩れて危ないよ、ダメだよ、戻んなきゃ」と、口で止める五十嵐。


 それでも近づき……手に取った、瓦礫から抜き出し、その白い物体を手に持ち、振り返り、近づいてくる、確かに人間の骨のよう、何を考えているんだこの女、それでもって、オレの頰に、ピトッ……くっつけた。

「キス」と、笑いを堪える紀美。


「……あー、なに……?」

「さっきの仕返し、上でイダズラ無しって約束したでしょ」

「……あ、あのさ、なんかオレ……やったけ?」


「五十嵐さんの電源抜いたり、私を飛び上がらせたり。これは作り物の骸骨、二の腕くらいかな」

 ワザとやった覚えは全くないんですけど、呆れて、呆れて言葉が浮かばない。他にも何か埋まっているようだが、諦めた様子の紀美。


「お化け屋敷で使わなかった材料、捨ててたら崩れたって感じですね。これ、唯一の戦利品、竹浪くん、あげるから持ってて」

 嫌だが、キス代わりの骨、初めての紀美からのプレゼント、大事にしとくか。


「思うに、この部屋だけが使われていて、地図を探すとすればこの中っすね」と、五十嵐。

「あの、そしたら、骸骨や仕掛けの残材は、どこから?」オレは単純に疑問を感じる。


「ん、上原さんの言ってること分かんないかな。ゴミ穴掘ったのがたまたま地下道の上。色々ぶっ込んでたら、崩れた。いくらでも捨てられるから、こりゃまた便利、ってことですよ」


 ありきたりの場所をいくら探してもそれらしき地図はない。あるワケも無さそう、やっぱり地下道の奥か、こんなところで命を賭けるのもなんだし、腹も減ってきたし、足も重たくなってきた……この汚い机くらいしか座る場所はない、エージングのリアリティは抜群、当たり前か。


「竹浪さん、ちょっと貸してみて」と、五十嵐、紀美の骨を手に取りなでている。

「昔のものにしては良く出来てますよね、素材は何ですか?」

「こうやって、木彫りかプラスチックか、確かめるんですよ」と、机の角にコンコンのコンと、折れた。


 ヤバイ、ヤバイよあなた、五十嵐さん、埋蔵文化財を損傷させましたよ。アチャーと片割れは机の下、なんとも奥深く。

「いや、いや、やっちまったなー、大丈夫ですよ竹浪さん、これは明らかに文化財じゃないし、アッ、腰痛っ!」と、腰を押さえだし「あ〜あ、イッ」と。


「大丈夫ですか、五十嵐さん、頑張りすぎですよ」と、紀美。


 なぜオレなのか? と、疑問は湧くが、どうせホコリや土で汚れた作業着、下はブランド物のGパンだけど、意外に太い机の足、四つん這いでくぐり懐中電灯で骨探し、天板裏にササクレとか障害物は無いか、ん? なんだ……字が書かれているみたい。


 心が咎めるが力を合わせ3人で机をひっくり返す……ふう〜。


 今度は湿気と暗さのせいかホコリは見えない。ゴツい部材で組まれた木の机、その裏側、照らしてみれば往年の傷や木目、字のようなものと、う〜ん、これは滲みでも年輪でもなく、地図といえば地図だし、文字が書かれている。


 目を凝らせば尻尾もある……この形は……あれだ! さっきまでオレが愛用していたネコ、デブ猫がくたばって寝ている姿だ「写真、写真」と紀美に促せば、

「その地形、竹浪さんが私のダウンに付けてくれた、シミにそっくりだね」と、五十嵐。

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