救われた王都
〜〜〜〜side ユウキ〜〜〜〜
あぁ、なんてこった!!
まさかこんな威力になるとは!
突風が吹き俺を含めた全員が吹き飛ばされ、しばらく起きられなかった。
「……っあぁ…」
全身が痛い、声もろくに出ない。
みんな場外に出てしまっただろう、可能性があるとすれば彼だけ…
でも多分無理だろう。
首を無理矢理持ち上げて辺りを見回す。みんな飛ばされただけで問題はないは……ず…
(いない!?)
声にならない声で叫んだ。
もしかしたら、まだ立っていてくれるかも…
そう思いながら会場の中央を見てみると魔力壁がない
まさか、勇者の自分が人を傷つけるなんて思ってもみなかった。
だからこそ、癒えることのない自分への怒りと苦しみを抱えてしまった…
〜〜〜〜side ルーク〜〜〜〜
まさか試験官をやっている途中で死ぬとはこれっぽっちも思ってなかった。
でも今回のは死を覚悟した。
それほどの魔力を感じたから。
せめて被雷地の近くにいた受験者を庇おうと考える。だが脚が動かない。それ程の恐怖だったのだ。
雷系統の魔法ならこの躊躇の時間も惜しいのですぐに動かなければいけない、なのに動かない。俺は目を閉じた。
(恐怖で脚がすくんで、1人も守れないとはな、まさか俺がこんな奴らに負けるどころか、殺されるとはな。)
『………………………』
「あ…れ……?」
魔法が直撃する感覚が無かった。
「もう死んだのか…」
はじめは感じる前に死んだものだと思っていた、だが
「だいじょう…ぶ、生きてますよ…」
誰かの声で我に帰る。
そこには右腕が無い、俺の助けに行けなかった人が立っていた。
顔面蒼白でだいぶ消耗していた。
当たり前だろう、あんな攻撃を防いだのだから。それも束の間、音を立てながら倒れてしまった。
「救護を…」
彼を手当てしなければ!
せめて命だけでも…
会場は試験どころではなくなっていた…
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