試験2日目 的当て(?)

偵察用の魔力塊(魔力眼と名付けよう)を飛ばして見てみるとざっと1500は居るな。終わるのかな?

「次、851から900まで。」

「お?」

纏っている雰囲気といい魔力といい、明らかに周りとは違う奴が1人。

「あれが勇者様か。」

「歴代の勇者様方よりも優秀らしいぜ。」

「どんな魔法を使うんだ?」


「あれが〜」

「勇者様〜」

「同じ学校に通えるのか!」

「まだ受かったと決まったわけじゃないだろ。それよりキース、歴代最高って言ってもどのくらい強いんだ?」

「見てればわかるぜ。」


「はじめ!」


「魔法金属を破壊するなど容易いことだ。これが爺ちゃんも使えなかった上位魔法だ!!」


「フレイムピラー!!!」

「あ、それっすか。」

それはもう見た。

「「見たことあるの〜?」」

「ある。てゆうか使える。」

「マジっ!?」


「普通はこの学園の〜」

「トップのクラスでのみ教える〜」

「先生に教わったからな。」

「「すご〜い。」」


しばらくして砂埃が無くなると、一部が焼失した魔法金属まとが見えてきたらしく、生徒どころか先生達まで驚いていた。

「本当に壊したぜ!?」

「さすが歴代最高の勇者様だ!」

(なんだ、アリシアよりも威力が出てないな。これじゃあアリシアが勇者よりも強いことになる。良いんだけどね。)


「なぁ、レン。あの魔法を俺たちでかましてギャフンと言わせてやろうぜ。」

「その言い方はまるでキースも使えるみたいじゃないか。」

「その通り、使えるのさ!」

「じゃあやるか。」


「次、901から950まで」

「はじめ!」



特に目立った実力を持ったものは現れず、出番が近づいてくる。

「いよいよだな。」

「あぁ。」

「次、1351から1400まで。」


「はじめ!」


「やってやろうぜ。」

「やるか。」


合わせたわけではないが、自然とタイミングが重なって…

「「フレイムピラー!!」」



「「「「っ!?」」」」


勇者の時よりも長い間視界は悪かった。しばらくして

「「はぁ!?」」


先生の驚いた声。

勇者も腰を抜かしている。

「成功だな!」

「あぁ。」

キースとハイタッチをして喜んでいたのだが、キースの動きが止まった。

「どうしたんだよ?」

「お前、いったい…」

「急にどうし……た…」

驚いたな、そこには半分残った的がある。キースのだ。これはまだいい。

問題はこっちの方で、的のあった場所の地面ごとごっそり消失していた。そう、綺麗に消えて無くなっていたんだ。


「勇者様よりも威力が高いだとっ!?」

「ヤバいな、あいつ。」

「なんか威力間違えたや。」

「「なんかじゃないよ!?」」

周りを見てみればみんな驚いてるな。

勇者が一番驚いて、文字通り腰を抜かしてへたり込んでいる。

「なん………で……」

「どんまいだな。」

「「お気の毒〜」」


「早く交換しろ!場所は50番の隣でいい。」


「えー、1401から1450まで…」


……………………



この世界では、魔法は魔力をどのくらい込めるかによって威力は変わってくる。それが一番メジャーな方法だ。

だが、忘れられているのが基礎ステータスの攻撃のところで、これが大きければ大きいほど魔法も物理も威力は上がる。

そしてもう一つ。ステータスボードにも載っていない、『練度』である。

これはその属性の魔法をどれくらい使ったかによって変わる。もちろんたくさん使えばどんどん上がる。そして魔力操作にももちろん練度があり、それは魔力を伴った行動をする場合全てに関係してくる。ヴァレンはこの魔力操作の練度が異様に高かった。

なにせ6年間ぶっ通しだったから。








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