試験2日目、試験前の会話
テストは今日で終わりだ。
明日には結果が出るらしいからだいぶ忙しいんだろうが、まぁ王都なんだし仕方ないだろ。
「今日は実技の試験を2つやるが、まずは『的当て』をしてもらおうかな。ルールは、あの人形に全力で魔法をぶつける。以上だ!」
わぉ、めっちゃシンプル!
「しかもあれ、魔法金属だろ?」
「なぁレン、魔法金属って?」
「あぁ、ざっくり言うと化け物じみた耐久性のある金属だ。」
「もっと情報頼む。」
「魔力濃度が通常よりも格段に高い場所で数千年経ってようやくできるのが魔法鉱石で、それを錬成したものが魔法金属だ。」
付け加えると錬成の時にちょっとでも失敗すると魔力が空気中に散ってしまうから成功率は低く、それ故に魔法金属は貴重だ。
「魔力で覆われている感じだから
「魔法はわかるけどなんで剣まで?」
「数千年間魔力の濃い場所で魔力を吸ったんだ。魔力は多ければ多いほど魔法が強くなるのと同じで、吸った魔力が多いほど纏う魔法も強固になる。」
「なるほど?」
わかっていなさそうだが、試験も始まりそうなので説明は求められたらでいいか。
試験は1日目の終わりに配られたカードの番号順なのだが、僕らは到着が遅かったから後ろの方。
みんなの魔法が観れるからいいんだけどね。
「では1番から50番は的の前に!」
「はじめ!」
うん、なんか昨日予想した通りだ。
「全体的にしょぼいな。」
「「ちょっとよわ〜い?」」
やっぱりな。
「ちなみに魔力量教えてもらっても?」
「4000〜」
「6000〜」
「姉の方が多い〜」
「妹に勝ってる〜」
「やっぱり姉妹なんだな。」
ここでくるのかよ、キース。
「名前を〜」
「言ってなかった〜」
「姉のラファ。」
「妹のラミ。」
「家名は?姉妹だから同じだろうけど。」
「「捨ててきた〜」」
「「えっ!?」」
「家から逃げたの〜」
「家出ってことか。」
「「そう〜」」
たしかに家出しても学べるようなとこなら、宿舎のある学校の方が良いだろう。
「でも、なんで…「それ以上はやめとけ、レン。」
「配慮に〜」
「感謝〜」
どうやら聞かない方が、良い選択なんだろうな。さすがキース。
「すまない、不快な思いをさせてしまった。」
「「気にしてない〜」」
「そうだ、さっき魔力量の話してたな。俺のは11000くらいだぜ。」
「「おぉ〜〜」」
ヤベェ、俺が異世界から来てなかったら同じくらいだ。いや、訓練とかも出来ないからもっと低そうだな。
あ、普段は周囲への『解析』は使っていない。なんかプライバシーってものがねぇ。自分はされたら嫌だし。
だからこうやって直に聞いている。
でも代わりに魔力を外に出して偵察的なことをやらせている。結構便利って気づいたんだよ。そもそも自分の魔力だからいちいち報告を受けなくても情報が入ってくる。ちょっと人間の脳には重い負担でも『処理強化』があるから並行思考もいける。マジ神さま感謝!
「レン、お前のはどうなんだよ?」
「「凄そ〜」」
「100000ちょいかな。」
「「うわぁ〜」」
「聞かなきゃ良かった…」
弟子入りを考え始めた3人だった。
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