十七発目 火龍討伐って言ったの誰だよ
冬弥「やっばぁめんどくさそう」
相手を見てわかりやすくげんなりする俺を見て翠が俺に蹴りを入れる。
冬弥「いったぁ!」
翠「戦う相手には敬意を持って闘う!」
冬弥「わかってはいるけどさぁ…7対2は結構しんどくねぇか?」
翠「わからなくも…いやいや!そんなこと思っちゃダメ!」
翠がブルブルと首を降って精神を統一させている。
ジェファ「おい、お前ら、死の覚悟は出来たのか?あ、でも俺の奴隷になるなら女だけでも活かしてやってもいいぜぇ?」
マリネ「ジェファ!ウェド様の言うことに従え!」
ソラ「ジェファ気持ち悪い」
セイラン「ジェファ死ねばいいのに」
ジェファと呼ばれる龍人は1番先に殺そう。
リウシュウ「マリネ、ソラ、セイラン、許してやれ、ジェファも久しぶりの召喚なのだ」
チャイ「そうやってリウシュウが甘やかすから増長して調子乗るのよ、あとジェファがキモイのは今更カバーしても無駄よ」
ジェファ「リウシュウだけが俺の味方だよ、チャイ、お前、今更ってなんだ今更って」
今の会話で白髪の龍人を除く6人の名前がわかった。赤髪がチャイ、青髪の双子の兄がセイラン、妹がソラ、橙髪がジェファ、紺髪メッシュがマリネ、緑髪がリウシュウらしい。覚えずら…ん?髪の色の名前か?セイランとソラとかもろ日本語だよな…なんであっちの世界の言葉が使われてんだ?あのウェドってやつ…何もんだ?
ジェファ「で?お前ら、死の身支度はできたか?」
冬弥「あ?出来てるわけねぇだろ?てか、人の嫁に何てぇだそうとしてんだ、ミミズの分際でいきがんのも大概にしろよ、ゴミワームが」
ジェファ「どうやら切符が発券できたようだなぁ!天国への片道切符がよぉ!」
ジェファがそう言って、突っ込んでくる。めんどーなのはっと、
冬弥「翠、青髪の双子、受け持ってくれ連携されるとめんどーだ」
翠「りょーかいっと」
冬弥・翠「コール むーた」
むーたが手元に召喚されると、俺と翠は二手にわかれた。ジェファはそのまま俺のほうへと方向を変えた、が、変えようとこちらへ顔を向けた瞬間、山の麓まで吹き飛ばされていった。まぁ、俺がしたんですけど。
チャイ「な?!」
マリネ「タフネスだけが取り柄のジェファが吹き飛ばされた?!」
リウシュウ「どうやら我らは人間を甘く見ていたようだな、見聞を改めねば」
セイラン「アイツ強いな」
ソラ「アイツ強いね」
龍人達がお空へと飛んでいったジェファを見て、驚嘆する。
冬弥「おー、結構飛んだなぁー、あれ?でも貫通できないってことは結構硬い鱗持ってんのか?まぁいいや、それよりも、これで力量差が分かったか?御託はいいからまとめてかかってこいよ?」
俺が挑発するように掌をクイッと2回やると、龍人達の目がまじになった。おー、こわっ。眼力だけで殺されそ。
ソラ「行くよ、セイラン」
セイラン「行くよ、ソラ」
ソラとセイランが、俺の方へと飛び出してくる。こいつらは飛び出すの好きだね。そんな悠長なことを思ってると、ソラの側頭部に弾丸がめり込んだ。
翠「お前らの相手は私だよ!」
翠がバーサークしてる。今回早いな、そんなキレる内容…あーあれか。気をつけよ。
セイラン「ソラ!」
ソラ「大丈夫セイラン」
ソラの頭にめり込んだはずの弾丸がポロッと落ちた。硬い?いや、再生速度が異常なのか。
冬弥「?!っ!空気読めねぇミミズ共だなぁ?」
リウシュウ「空気は吸うものだ」
カッチーン人の煽りに煽りで返すとかどんな教育受けてきたんだこいつ。つーか危ねぇな、なんだ今の攻撃、真空波?
チャイ「私もいるんだけど?さっきの威勢は強がり?」
いつの間にかチャイが俺の背後に回って、蹴りを入れようとしていた。即座に体を捻り、避けるも、捻った直後、遠くに見えるマリネの口に炎らしきものがくゆっているのが見えた。
冬弥「やばっ!」
マリネ「消し炭になって後悔しろ」
そのままマリネは俺のほうへと炎の玉を吐き出す。
体の勢いを殺さずに後ろに宙返りする。が、俺の耳元をちっ と炎の玉がかする。
冬弥「あっづ!遠慮なしかよ!」
チャイ「ウェド様に不敬を働くゴミ虫に遠慮も容赦もするわけないでしょ、安心して死になさい?」
チャイが、片足を上げて戦闘態勢でいる。その次の瞬間、俺の腕に激痛がはしり、同時にむーたが手から離れた。ガシャッという音で俺は意識を戻す。
冬弥「いった?!なに?!」
状況から察するに、チャイの、足技だ。だが、この距離、届くのか?…いや、あるなそう言えば、そんなやり方が。
冬弥「なるほどね?」
マリネ「何がなるほどねよ、死ね」
マリネがまたもや、口元に炎をくゆらせている。
冬弥「同じ手が2度も当たるかよ」
俺はマリネの口元に弾丸をぶち込んだ。リロード中を狙うのは定石だろ。
マリネ「いった!何ぶち込んでくれてんだ?!って鉄?」
冬弥「いや、鉄じゃないぞ「金属」だ」
ほんとに鉄では無いが、他に情報を開示してやる理由もない。まぁ、いいや。
リウシュウ「不可解な術を用いる狩人だな、その力、ちと見せてもらおう」
リウシュウが、またもや真空波のようなものを飛ばしてくる。はぇータネがわかった。あれは発勁か。簡単に言うと、中国拳法の体に当てて内蔵潰すみたいな技。ガード無視の最強技、プロが素人に打ち込んだら、よくて、丸一日は動けない、殺す気でやれば1発で殺せる技だ。そう言えば、この前の冒険者試験で翠が発勁で10人くらいぶっ飛ばしてたな。
リウシュウ「死合の最中によそ見とはなかなか度し難いな」
冬弥「やば…」
リウシュウの発勁が、俺の体に到達する。そのまま俺は、吹き飛ばされた。
冬弥「がはっ…しくったな」
内臓にダメージ入ったな…この吐血の仕方はまずい、早く勝負つけないと、大変なことになる。
冬弥「ふぅー…やるかスキル発動『叡智』」
コレはこの前習得したスキルだ。頭の回転が10倍になるらしい。が、スキルを使う時間が10秒だけとかいう使い所に悩むスキルだ。
冬弥「ふーん…よし、コール むーたMk-III」
俺の頭の中でできた設計図と完成系の名前を呼ぶ。それに呼応するかのように、むーたが光に包まれ、形と色を変化させる。
冬弥「さっさとカタをつけるぞ…粉微塵になるなよ?」
そう言って、俺はうつ伏せになり、むーたを構える。
チャイ「そんな無防備な体勢で大丈夫かい?」
チャイが突っ込んでくる。リウシュウは…臨戦態勢を取っているな。マリネはまた炎の玉を作ってるのか、先にチャイからだな。そうして俺は、迷うことなくチャイの頭を狙って発砲した。
チャイ「こんなの、へでもないね!」
リウシュウ「チャイ!避けろ!」
リウシュウの声に、反応して、チャイが身を捻る。ちっ、あのジジィ頭が回るな。よく見てる。
チャイが避けたあと、岩山に当たった弾丸は爆散した。
チャイ「?!何だい?あの玉は、さっきと桁違いじゃあないかい…っ痛ぅ!」
チャイの片腕も同時に爆散した。痛みにチャイが片膝をつく。
冬弥「誰が、一発しか撃ってないって言ったよ、余所見とか、度し難いなぁ?」
俺はそう言って、リウシュウと、マリネに同じ弾を撃つ。だが、なにか様子が違う。
リウシュウ「龍人をあまり舐めるなよ、小童ぁ!」
リウシュウが緑色の翼竜に変化した。いや、元々そうであった体に戻ったのか。
冬弥「ちっ…時間ねぇってのに、ここからが本番かよ!何が火龍討伐だ!」
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