十三発目 最強銃士は災厄と会合する
翠「ここまで来たけどこれからどうするの?」
冬弥「んー、相手の出方にもよるけど、とりま捕縛方向なら待ちかなー」
俺と翠がほのぼのとしていると、あるひとつの疑問が頭の中に浮かんだ。
冬弥「なぁクラント、そう言えば盗まれた宝ってどんなやつだ?」
クラント「ん?あぁそういえば言ってなかったか、ええっとな…」
クラントが言うには、盗まれた宝はとあるアイテムで、ひとつの効果を持っているらしい。
それは、
クラント「効果は、転生だ」
冬弥「は?!転生?!…マジか」
クラント「本当だ、これは召喚者の承認により、別世界から亜人または人間を召喚させるんだ」
冬弥「何そのめんどくさい効果…」
俺が落胆して、肩を落としていると、翠が耳打ちしてくる。
翠「ねぇ…それってウチらの世界からあいつら呼ばれたらやばくない?」
冬弥「あ」
たしかにやばい、「あいつら」とは、俺らの元いた世界にいた剣豪と呼ばれるほどの少年少女の事だ、そいつらは弾丸だろうがなんだろうが全て切り払い、ましてや、刀に刃こぼれひとつ残さない。
名前は、
佐々木 威吾 と
宮本 凛
おれらは勝手に阿吽カップルと言っているが、なんかあっちの世界では「平成の世に生まれ変わった巌流島の2人」とか大層な名前付けられてたな。今でも爆笑した記憶がある。
イアリングって呼んでるやつも居たがこれはあいつらだけか…
まぁ、この話は置いておいて、あいつらだけは呼ばれたらダメだな、勝てるか五分だ。
冬弥「そうだな、でもあいつらがピンポイントでは来ないだろう」
翠「あ、フラグたてた」
冬弥「やべぇわやったわこれ」
クラント「ん?なんの話してんだ?お前ら」
冬弥「あぁ、まぁこっちの話だ気にすんな」
バンダナの男 「いたぞ!あそこだ!」
眼鏡の男「おうおう嬢ちゃんやってくれたなぁ脱走なんてよぉ」
あ、見つかったらしい、あの3人か…覚悟してろよ…
冬弥「よぉ、お前らぁよくも人の嫁に手ぇ出してくれたなぁ?」
男「いや、こっちからしたらその嬢ちゃんの方が先に潜り込んできたんだが」
冬弥「そなの?」
翠「逆になんで何もなしに絡まれてると思ったの」
冬弥「それでも!クラントを誘拐したのはお前たちだろ!」
眼鏡の男「そうだよ、そいつの持ってる宝がなぁ俺たちの野望には必要なんだよ」
クラント「野望?」
バンダナの男「それはなぁ…異世界から言うこと聞く美少女を呼び寄せて好き放題してやろうって魂胆だよ!」
翠「うわ…最低」
翠がゴミを見る目で3人を見る。
男「いや、俺はただの傭兵だから違うからな」
バンダナの男「それにしても嬢ちゃんよぉ、改めて見るとべっぴんさんだなぁ、そんな冴えない男ほっぽって俺らと来ねぇか?イイコトしてやるぜ」
はぁ?コイツらホントニコロシテヤロウカナ。
翠のことを好色な目で見る奴らを見ると殺したくなる。
翠「なくない…」
眼鏡の男「ん?どうした?」
翠「冬弥は冴えなくなんかない!」
翠はそう言って二人の男の方まで走って行く。
バンダナの男「へっ!そんなんは飛んで火にいるなんとやらってなぁ!」
眼鏡の男が殴りかかろうと翠へ拳を振りかざすと、眼鏡の男は宙を舞いましたとさ。そりゃあ勝てねぇわな、ただの男ごときで。
バンダナの男「おー、まじかちょっとは楽しめそうじゃあねぇか!」
バンダナの男が舌なめずりをして前へと出てくるが男の歩が進む前に男の腕は曲がっては行けない方向へと曲がった。
バンダナの男「いっでぇぇぇ!俺の…俺の腕がァァ」
これで二人、さてもう一人の男はどうなるのかや。
男「ちっこんなに嬢ちゃんが強いとはな…先に男からっ!」
はぁ、こっち来るのはまぁ、妥当か。さすが傭兵だ機転が利くな。
冬弥「まぁ、負ける気は無いんですけd」
俺が言い終わる前に何かが俺の前を通った。
翠「させるかよ!冬弥に手を出せると思うなよ!」
なんて女の子なんだろう。俺が女だったら惚れること間違いなしだな。
翠「吹っ飛べ」
男「ごふっ、ごはっ!」
一瞬のうちに正中線に5連、見事に金的以外のフルコースお見舞いしたな。
冬弥「うっわぁーいったそー」
俺の目の前から消えた男はそのまま壁へと激突した。
クラント「冬弥…おまえ、なんか不憫だな…こんな強い子がそばに居るって」
冬弥「いんや?可愛くて逞しいなんてこの上ないじゃねぇか」
翠はいま、バーサークしてるから何言っても記憶にない…はずだ。
眼鏡の男「クソが!ここで勝てねぇならどうしようもねぇ!来い!異世界最強のモンスター!」
眼鏡の男は持っていた宝石を掲げるとそれは光を出した後に煙と共に『なにか』を召喚した。
そのなにかは2人で、雌雄の人型。やべぇ予感がする。ものすごく見覚えがある姿形をしているのは気のせいだろうか…。
威吾「なんだ…ここ?」
凛「べつの…世界?てか、何?この首輪」
やべぇよ…あいつらだけは呼んじゃダメなやつだ。
威吾「あれっ?てか、お前ら冬弥と翠じゃねぇか!なんでいんだよ!」
凛「失踪したはずじゃ?!」
あれ?敵意はない…のか?良かった…こいつらと戦えとか言われたら勝てるか怪しいもん。
冬弥「お、おぉ阿吽カップルじゃねぇか、ちょっと諸事情でこっちの世界に飛ばされたんだよ」
眼鏡の男「行け!異世界のモンスター共!敵を掃討しろ!」
威吾「は?馬鹿言えよ、友達に手を出すわ…け…」
威吾の様子がおかしいぞ…まさか…
すかさず凛の方にも目をやるが凛も同じく俯いている。
凛「了解しました」
覇気のない、まるで機械のような声で凛は返事をした。
冬弥「あー、やっべぇなこれ、行けっかな…」
翠「でも、行くしかないよね?」
いつの間にか正気に戻った翠が俺の横で臨戦態勢を取っている。
冬弥「銃の使用は?」
翠「実弾は禁止、ゴム弾、火薬無し鉄球までなら」
冬弥「命の危険性を持たない限りはそれで了解、やばい場合は致命傷を避けての使用は許せ」
翠「分かったよ、だけど殺したら許さないから」
冬弥「了解…現状での勝率は?」
翠「高めに見積って6割弱かな」
冷静になるために、状況を確認、整理する。
冬弥「クラント、念の為、ギルドまで逃げてくれ」
クラント「お、おう、絶対に死ぬなよ!」
クラントが見えなくなったことを確認すると、俺と翠はパァンと拳を鳴らした。
冬弥「よし、やるか…翠、行くぞ!」
翠「うん!」
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