十二発目 最強銃士は、合流する
冬弥「さて、とそろそろ終わったかな」
ゆっくりと四番街のはずれを歩いていると、イヤーカフスが繋がった
ザザッ
翠『冬弥?聞こえる?』
少し息の切れた声で翠が話し出す。声色的にどこかを走っているようだ。
冬弥「あー、聞こえる聞こえる、どうした?」
翠『ちょっと非常時、五番街の入口まで迎えに来て!』
冬弥「おー、了解っ」
ザザッ プツッ
翠からの応援要請だったみたいだ、俺は通話が切れると即座に走り出し、緑の元へと向かう。
冬弥「五番街の入口…ここか?」
そこには『fifth street』という看板があった、多分ここで合ってるんだと思うから、翠が来るまであたりに何も無いか散策をしていよう。
数分後、肩で息をしているクラントと翠が走ってきた。
クラント「ぜぇ、ぜぇ…ミドリ、お前どんだけ体力あるんだ…」
翠「へ?そんなにスピード出してないよ?」
冬弥「お前のそんなは普通の人のそんなと尺度が違うんだよ」
2人の状態を見ると、先程の通話時ほどの焦りは見られない。何かあったのか?
冬弥「で?非常時って?」
翠「いや、さっきまで私捕まってた」
冬弥「はぁ?!お前…なんでそな危ないことしてんだよ」
翠「うぅ…ごめん」
冬弥「敵はどこだ?」
コロス、ゼッタイニ…
翠「冬弥?!殺そうとか考えてないよね?」
冬弥「ん?な、なんの事だ?」
俺が翠から目をそらすと翠が睨んでくる。
翠「冬弥…銃士としての技術はなんのために付けたんだっけ?」
冬弥「う…いざと言う時のため」
翠「違います!これは高みを目指すために技術をつけたの!それ以外への使用は禁止!」
冬弥「うぅ…わかった、分かったよコロシハシナイハンゴロシデスマス」
翠「はぁ…痛めつけんのもだめだからね」
クラント「はっはっは!嫁のことで本気になる旦那なんていい旦那じゃねぇか!ミドリ!」
クラントが高笑いをして翠にそう言うと、
翠「クラントまで…」
翠が少し疲労を顔に出す。
冬弥「まぁいいや、身の危険が及ばない限り銃は使わない」
翠「わかったよ…でも、殺害だけはホンットにダメだからね」
そう言って翠は俺に深く釘を刺す。俺がそんなことをするわけがないだろう、たぶん、もしかすると、そうだと信じたい。
〇アジトにて
バンダナの男「おい!お前ら!あの二人どこやったんだ?!」
眼鏡の男「は?!確かに縛り付けたぞ!」
バンダナの男「いや、いないぞ」
男「おいおい…マジかよ、めんどくせぇな」
男達は一斉に小屋を出てそれぞれの方向へと散らばり翠たちを探し始めた。
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