六発目 最強、依頼を遂行す。



私は今、冬弥に勝つべく荒野を駆けている。先程冬弥からひとつ依頼が終わったと言う情報を聞き、私は焦っていた。

翠「くそぉ…どうすれば見つかるかな…残りはオーガと盗賊…2つとも生物…あ!」

走りながら考えているとあるひとつの考えが湧く。そう、この依頼はどちらとも生物の発見・討伐(捕獲)なのだ。そこでた答えは、

翠「生物としての行動を予測すること」

頭の中で盗賊団の行動法則を考える。

まず、盗賊団は人であるため、生きるために必要なことがある。水と食料を確保することだ。そのため、川沿い、そして居住のためどこかの洞窟などにいる確率が高い。

食は、商人や旅人から得るだろうため、高台の方が都合がいいだろう。

翠「そこから導き出される答えは…川の上流であり、洞窟も点在する人のこない地域…滝付近かな?」

そう思った私は川の上流へと行動を変える。

川沿いに上流にかけのぼり、数分後…松明のようなものの置いてある洞窟を見つけた。

翠「またベタな…冬弥が喜びそうな展開ね…」

ボソッとそう呟くと中から2人、盗賊と思しき風貌の男達が出てくる。

盗賊A「あ?嬢ちゃん、ここは君みたいな子が来るとこじゃないぜ、とっとと失せな」

盗賊B「おい、待てよ、でもこいつをボスに差し出せば俺らの格を上げてくれんじゃね?」

盗賊A「名案だな、じゃ、そういうことで嬢ちゃんちょっと来てもらおうか」

翠「…分かりました…こ、殺さないって約束していただければ」

盗賊A「ハハ、殺さないよ、君が大人しくしてればね」

そう言って、盗賊Aが私の肩に手を回してくる。

はっきりいって気持ち悪いが全員捕縛の依頼があるのでそうも言っていられない。

盗賊B「ボス!アジト付近をうろちょろしてる小娘がいたんで捕まえてきました、玩具としてどうぞ」

Bに続いて歩かされると比較的大きめな部屋に着いた。奥にはボスと思われる人物が座っている。

翠「あ、あの…えっと…その…」

ボス「おぉ、お前らやるじゃねぇか、結構な上玉だし…よくやった」

ボスと思われる男の機嫌が露骨に良くなる。

翠「あの…私…」

ボス「んー?嬢ちゃんどうした?ここからは当分出られないと思いな」

翠「違くて…その…私、あなたのこと捕まえに来たの」

私がそういうと部屋にいる男達の形相が変化する。

盗賊A「あ?何言ってんだァ?嬢ちゃんよォ!」

翠「コール M8T3 ドライト30」

手元に2種の拳銃もといハンドガンを召喚した私は相手に瞬きの間もあたえずに全員の足を撃ち抜く。てか、Mちゃんとドランも出るんだ。まぁいいや。

翠「あんたらねぇ…勝手に人の体ベタベタ触んないでよ!冬弥以外に触られたくないの…殺すよ?」

全員の縄を結び終えた私は、そのまま洞窟をあとにする。後で回収に来よう。その前に冬弥に連絡!連絡!

ザザッ

冬弥『お!どうした?終わったか?』

翠「ふふふ…私を甘く見ないでよ、冬弥!盗賊団捕まえたよ!」

冬弥『おぉ!そうか!じゃあ後はオーガだけだな!どっちが討伐するか勝負だぞ!』

翠「オーガ討伐に全てがかかってるんだからね!罰ゲーム覚悟しててよね!」

冬弥『もう勝った気でいるんかい!俺だって負けねぇぞ!じゃぁ、また後でな!』

プツン

ボス「お、おい、嬢ちゃん、悪いことは言わねぇからオーガはやめときな」

盗賊のボスが私に忠告をしてくる。部屋を出ようとしていた私は足を止め振り向く。

翠「ん?なんで?」

ボス「最近、一体のオーガがこの辺りを荒らしていてな、ほかの魔物やオーガを片っ端から食い荒らしてんだ」

翠「ふーん、道中にあったあの乱雑にに壊された木はそういう事だったんだ」

ボス「それで、そのオーガが、ゴールドランカーのパーティが行ってやっと倒せるほどのランク…Aランク魔物になってんだ」

ふむ、これは少し手強そうな相手みたいね、でもオーガって五メートル弱の魔物だしそんなに危惧することなのかな?ん?

翠「Aランク?魔物に階級なんてあったの?」

ボス「あん?嬢ちゃんしらねぇのか?魔物にはランクがあるんだ…」

盗賊団のボスの話をまとめると、こういうことらしい。

・魔物のランク

EからSSSまであるらしくて、

E ノーマルが1人でも倒せるレベル

D ブロンズが1人で倒せるレベル

C シルバーが1人で倒せるレベル

B ゴールドが1人で倒せるレベル

A ゴールドのパーティでやっと勝てるレベル

S プラチナが複数人で倒せるレベル

SS 国家総動員しても倒せるかわからないレベル

SSS 頂上的な力を持ち、世界中の冒険者が一斉に戦っても完敗するレベル


ここまでが基本レベルで他には???っていうランクがあってそれは、もう見ただけでも死ぬとか、その辺のランク付けさえも無理なものを指すらしい。まぁ、1度も現れてないらしいけど、現れてたらこの世界終わってるかぁ。

まぁ、そんなこと考えてる暇なんてないし、とりあえずオーガを急いで倒さなきゃ!冬弥に先越されちゃう!

翠「別に、そのオーガにあわなきゃいいんでしょ?なら大丈夫!あなた達は、逃げたら許さないから」

ボス「おい!嬢ちゃん!…そのオーガのせいでほかのオーガたちが逃げてこの辺りにはもうオーガがいないのに(´・ω・`)」

盗賊A~Z「(´・ω・`)」

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