四発目 最強、試験を攻略す。



ファミスについて行くと、そこには大きな闘技場があった。

ファミス「こちらが試験会場になります、試験は2つ、1つ目はメイン武器での能力確認試験、もう1つは武器無しでの体術試験です」

冬弥「あのー、能力確認試験って例えば?」

俺の疑問に対して、ファミスが手馴れたように書類を読み出す。

ファミス「はい、メイン武器を使って、ゴブリンを討伐していただきます、その数、速さで能力を見ます」

翠「ほぉー、そうやって確認するんだ」

翠が、試験方法に感心している。

ファミス「ではまず、能力確認試験から開始致します、どちらから開始しますか?」

冬弥「ほーい、俺からやるよ、小手調べって感じかな?」

ファミス「分かりました、では出現数は何体にしますか?1から1000です」

冬弥「わかったじゃあ1000で」

やっぱりやるなら最大値だな。

ファミス「え?!か、かしこまりました、ですが、命を落としても責任はとりませんよ?」

ファミスが俺の宣言に対して動揺している。なんか面白いな。

冬弥「なぁ、翠、銃の召喚(?)が出来るなら、俺のあの銃って出せると思うか?」

翠「んー、まぁ出せるんじゃない?私のコレクションからも出せるといいなー」

そう、俺と翠は、資格を取り、自分専用の銃を作った。その名も、「MT157K」現存するなかで、最強の狙撃銃であり、フォルムチェンジという機能を使ってアサルトマシンガン、ショットガンへと変化する。俺の愛銃だ。

ファミス「では?準備はよろしいでしょうか?」

冬弥「あぁ、OKだ」

ファミス「それでは、試験、開始!」

ファミスの合図とともに、扉が開かれる。部屋の奥には、無数のゴブリン達が蔓延っている。地獄絵図かな?

冬弥「コール MT157K」

俺のコールという言葉に呼応するかのように、俺の腕の中にこの世に一丁しか存在しない愛銃が出現する。

冬弥「よっしゃぁぁぁぁ!むーた!よく来たな!まさかこっちでお前を使えるなんて!」

愛銃が来たことに対して喜びを露わにする俺の邪魔をするかのように、前にゴブリンが飛び出してくる。しかし、そのゴブリンは愛銃によって頭が吹き飛んだ。

冬弥「邪魔なんだよゴミが、爆ぜてろ」

狙撃銃を至近距離で打つなど、本来では言語道断なのだが、気がたっていたせいでやってしまった。

冬弥「掃射するか、モードチェンジ AMモード 放射」

俺が引き金を引くと同時に、数百の弾幕が、一気に放射される。なぜ、リロード無しで打てるのかと言うと、スキルを改良した。最初はリロードしなければ撃てなかったのだが、改築により、自動リロード及び超速リロードが可能になった。

冬弥「掃射完了 モードリセット」

ものの数十秒で1000体いたゴブリンは一体として居なくなった。すると、後ろの扉がまた開き、そこには驚いた表情のファミスと慌ただしくギルド内を動くギルド職員達がいた。ちなみに翠は奥のソファで座っている。

ファミス「歴代最高記録は!何日ですか?!」

ギルド職員「えぇっと、4日と5時間です!」

ファミス「これは…ギルド開始以来最高、最速記録を超大幅に更新しましたね…」

あれ?なんか俺ってまずいことしたかな?

そんなことを悠長に考えていると、横から翠が出てきて、

翠「さすがむーただね!あの量を28秒61で斃しちゃうなんて!」

そう言って翠が俺の腕に抱えられているむーたを撫でている。

冬弥「だっろぉ?ま!むーただからな!一体1発で仕留めて、むだなく1000発で掃射しきったぜ!」

俺と翠が慌てているギルド職員たちをはために談笑していると、

ファミス「すいません、翠さん、今の1000体が、今週スポーン可能な全てのゴブリンでして…急遽、能力確認試験を中止させていただきます、そして、冬弥さんは体術試験はパスとなります。いえ、そうしてください」

まぁ、この世界に無いであろう武術(体術?)のマーシャルアーツだし、俺はやんなくて正解かな。しっかし、さらにややこしくなりそうだな、翠にやらせたら。

数十分後、翠は数百もの武闘家の山の上に君臨していた。

何故そうなったのかと言うと…


翠「わかった!で?体術試験ってどんなルールなの?」

ファミス「は、はい、え、えっと、この試験は体術のみで複数人の冒険者の武闘家と戦っていただきます、敗北条件はどちらかの降参または、気絶などによる戦闘不能などです」

おぉ、あのできる子のファミスがわかりやすいほどに動揺している。なんか面白いな。

翠「わかった!じゃあ早くやろう!」

ファミス「えぇっと…では、まず対戦人数を宣言ください」

翠「今ギルドにいる人で対戦できる人数って何人ですか!」

翠のこの質問はギルド全体を凍りつかせた。ギルド職員達はなにか、嫌な予感を悟ったようだ。

ファミス「今可能なのは、200人です、ま、まさか…」

翠「じゃあ200人で!」

翠が元気よく返事をすると、ファミスは頭に手をやった。もはや卒倒もんだな…ファミスさん…2人してごめんなさい

ファミス「で、では、準備は整いましたね?対戦、はじめ!」

ファミスの合図とともに、冒険者の武闘家達は翠に向かって飛びついてくる。

しかし、翠はあらゆる武道、古武術を駆使し、向かってくる全員を気絶させている。

翠は、この世に存在するありとあらゆる武道、武術を修得している。これは、一朝一夕の実力ではなく、全てにおいて、10年近くかけて、師範レベルまで登り詰めている。(10年で師範にまで登れるのかと言われたら年齢の規定上、段が取れないため無理だが師範レベルの実力という話だ)搦手のない素手の試合であったら、俺も勝ち目はないと思う。

そんなこんなで、数十分後、武闘家の山が完成し、翠はその上に君臨した。ちなみにファミス達はギルド職員は、世界の終わりのような顔で翠を見上げている。

てか、武道や科学技術がいまいち発展していないこの世界なら武器ありの奴らにも負けないんじゃ?

無刀取りやら縮地やら、ヤバいの多いし、あげくにこの子面白半分でやり出した竜巻旋〇脚とか出来るし。

もはや職業アーチャーじゃダメなんじゃないかって思うよね。この世界で素手で翠にかなうやつ…うん、居ないだろうな。

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