一発目 最強銃士、異世界でも無双する。



翠「冬弥…ここ、どこ?」

翠が、怯えた表情で俺に問う。自分の状況を。

冬弥「すまん、俺にもわからん…ただ、少なくとも、やばい状況だってことは分かる」

俺は、状況を整理しようと頭を回し続ける。


〇今の状況

場所は?ーどこかの部屋(?)にいる。

誘拐?ーあんなに人のいる所でできるわけが無い。(×)


どうにか周りから情報を得ようにも、部屋の隅がどこかわからないほどに部屋は白く、何も無い。

そんな中、誰かが俺らに声をかける。

???「おーい、君たちか、被害者は」

冬弥「な?!んだ…?お前…?」

俺は、とっさに翠を自分の後ろに庇う。

なぜならそいつは、驚くほどの美少年である、しかし、そいつからは何か、人のそれとは違う気配がする。

???「いやぁ、そんなに身構えなくてもいいのにー、冬弥くんに翠ちゃん!」

教えてもいない自分たちの名前を呼ばれ翠が俺の後ろから不安そうに質問する。

翠「え?なんで私たちの名前を?」

???「あーそれは、その、こっちの手違いで、君たちはまだ死ぬ予定じゃなかったんだ」

冬弥「な?!はぁ?!ってことは、俺は、俺達は、死んだ、のか?」

???「そう、ごめん、こっちの手違いでそうなってしまったんだ…」

「そいつ」は申し訳なさそうに(表情はないが)、俺らにお辞儀をする。

翠「えっ…そっか…」

冬弥「翠お前そっかって、理解力よ…」

翠「んーまぁ、だって冬弥がいるし?」

翠が、俺の腕にしがみつきながら応える。うん、かわいい。ホッコリする。

???「おーい、聞いてるー?まぁ、そういう訳で、君たちにはお詫びとして、生き返ってもらう」

翠「うん?じゃあお兄さんがでてきた意味は?」

そうだ、元の通りに返してくれるならこいつがでてきた意味が無い。

???「それが、元の世界じゃなくて、別の世界なんだ。君たちで言うところの『異世界』って感じかな?」

冬弥「なるほど…そういうわけか…わかった、まぁ仕方ない翠も、いいよな?」

翠「うんいいよ、間違いは誰にでもあるもんね!」

俺と翠は、首肯し、そいつに行くという意向を示す。そいつは少し驚いた様子で。

???「え?まぁ、こちらとしてもありがたいけど、そんな簡単でいいの?」

冬弥「まぁ、いいよ、そうなったもんは仕方ない」

???「そうか、理解が早くて助かるよ、餞別と言ってはなんだが3つ手助けをしよう。

1つ 言語の取得

2つ 衣服・金貨の提供

3つ 何か希望のスキルの提供」

そいつは、3つの指を上げ、順に説明していく。

[言語の習得]

異世界ーウィルティスで発達している言語を例外なく全て理解及び使用可能。

[衣服・金貨の提供]

衣服を任意で着脱、変更可能な指輪の提供。知っている衣服なら装着可。

着脱のON/OFFの切り替えができる。

金貨500枚の提供。(金貨1枚の相場はそいつも知らんそうだ。1枚1000円くらい?らしい)

[スキルの提供]

何か欲しいものであればなんでもくれると言う。ないなら、表から選んでもいいらしい。

なんでもありだな…やりたい放題じゃねぇか…。


???「で?スキルはどうしようか?」

俺達は、熟考した後、思いついた答

えを、二人同時に答える。

冬弥・翠「銃及び弾丸の無限取得」

???「OK、使用時に弾丸は無限にストックされるけど、リロード・装填は使用者がやってね」

そう言って、そいつがパチンと指を鳴らすと、俺らの周りが謎の光に包まれた。

翠「あたたかい…」

翠が、感じた感覚を口にする。

冬弥「てか、ここまでしてもらって大丈夫なのか?」

俺は、ふと思った事を質問する。そうだ、ここまでインフレしてしまうようなことをしてしまってもいいものだろうか?

???「いや、君たちは例外だしね、言ったでしょまだ死ぬ予定じゃなかったってだから、まぁ、いいんだよ、おっと、そろそろ時間のようだ…じゃあね!異世界をたのしんでね!」

翠「あ!最後に!お名前!聞いてもいい?」

アープ「僕の名前は、アープ、アープ=フレイさ」

冬弥「そうか、じゃあアープありがとな!第2の人生を楽しむよ」

翠「ありがとう!」

俺と翠がそう言い返すと、視界が白く包まれ、意識が遠のいていく。あ…これ、意識持ってかれるやつ…だ…。

アープ「頑張って…冬弥、翠異世…」

アープが最後に何か言っていたが聞き取れずに俺の意識は途切れてしまった。

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