8話 汚されちゃったよ......
「シュン様。 おはようございます」
「おはようございますラピスさん」
寝起きのラピスさんまじ可愛い!
そんな貴方には、 可愛いさポイント一万点差し上げましょう!
「あれ? シュン様。 目の下にものすごい隈ができてますけど大丈夫なんですか?」
俺は、 結局昨日は、 一睡もできなかった。
だってラピスさんの胸の柔らかさを体感できるのなんてこれを逃したら二度とないかもしれないじゃないか!
「ははは! 大丈夫ですよ!」
俺は、 そうラピスさんに言った瞬間ベットから立ち上がった。
だが、 俺がベットから立ち上がった瞬間俺の目の前にあった本棚が俺めがけ倒れてきて、 俺はなすすべなく押しつぶされた。
「シュ、 シュン様! 今助けます!」
「ははは、 これぐらい大丈夫ですよ」
俺は、 本棚を片手で持ち上げ元あった位置へと戻した。
「ほ、 本当に申し訳ありません! こんなところに本棚があったせいでシュン様にお怪我をさせてしまって
……」
「そんなの事故なんですからラピスさんが気に病む必要ありませんよ。 そんなことより早く食事にしませんか?」
「わ、 わかりました……」
「じゃあ俺、 先にでて……」
俺は、 部屋から出ようとした瞬間散らかった本で足を躓いてしまった。
そしてそのまま部屋の正面にあった窓へと頭から突っ込んだ。
「シュ、 シュン様!」
「ははは、 こんなの日常茶飯事ですよ」
「それは絶対に嘘ですよね!? それよりシュン様! 頭にガラスが刺さってますし、 すごい出血ですよ!」
「ああ、 確かに頭が少しボーとしてきましたね。 どうやら血を出しすぎたようですね」
「ええ!? は、 早く治療しないと! いいですか! シュン様は、 そこでジッとしててくださいね! 絶対ですよ!」
「わかりました」
はあ~本当にラピスさんいい人だな。
俺と結婚してくんないかな~
でもあんないい人に彼氏がいないわけないしな~
そうだ!
彼氏を殺せばいいんだ!
「はは。 これじゃあ千鶴と同じ思考じゃねぇか。 危ない危ない。 危うく俺も殺人鬼になるところだったぜ」
結局俺は、 その後ラピスさんに治療してもらってから、 冒険者ギルドへ向かうことになった。
また、 冒険者ギルドに向かう途中ラピスさんが、 俺の事が心配だからという理由で手をつないで一緒に行ってくれた。
ああ、 神よ! 感謝します!
冒険者ギルドの中は、 木製でどちらかと言うと酒場みたいな感じだった。
「それでシュン様は、 今日はどういった依頼を受けるつもりなんですか?」
「そうですね。 とりあえず一番弱い魔物の依頼ってどれですか?」
「一番弱い魔物ですか?」
「はい。正直僕は、 魔物の知識が弱いもので色々な魔物が見たいんですよ」
「そうなんですか! シュン様は、 とても勉強熱心な方なんですね!」
「ええ、 まあ」
よっしゃぁぁぁぁぁぁ!
ラピスさんの好感度が上がったぁぁぁぁぁぁぁ!
「それで一番弱い魔物ですが、 ブラックマウスと呼ばれている魔物ですね」
「ブラックマウス?」
「はい。 見た目で言うと大きな黒いネズミで、 手には手袋をしていますね」
「ハハハハハ」
あれ?
俺の思い違いならいいんだけど、 絶対それあの夢の国のネズミのことを指してるよね?
詳しい名前をだすと、 秘密結社Dに消されかねないからここでは言わないけど絶対そうだよね!?
「どうしたんですかシュン様? 急に黙りこんでしまって」
「い、 いえなんでもありませんよ! それでそのブラックマウスですけどどこにいるんですか?」
「基本何処でも見かけることができますね」
「そうなんですか。 それならとりあえず今から町の外にでて一、 二頭狩ってこようと思います」
「はい! いってらしゃいませ!」
こ、 これが妻を持っている旦那の気持ちだとでもいうのか!
そう言えばやたらとこちらに嫉妬の目線を向けている輩を多数感じるが、 どうせ俺がラピスさんと仲良くしてるのが気にいらないのだろう。
そんな君たちには、 ザマァという言葉をプレゼントしよう!
ハッハハ!
さて、 さっさとブラックマウスを狩ってまた、 ラピスさんを口説くとするか。
「み~つけた……」
あれ? 何か今地獄からの使者的な声が聞こえたような?
き、 気のせいだよな?
だが現実は、 非情である。
俺の目の前には、 髪の毛を逆立たせ、 目は前髪で隠れ見えず、 かなり怒っている様子の千鶴が立っていた。
その怒りは、 すさまじいようで昨日千鶴がラピスさんに対して怒った時は、 超サ〇ヤ人で例えると超サ〇ヤ人1程度なのだが、 今の千鶴を表すなら超サ〇ヤ人2だ。
なぜそう感じたかと言うと千鶴が怒ったときに纏う金色のオーラが、 今バチバチ音を立てているからだ。
そして周りの連中と俺は、 その怒り状態の千鶴に気おされ、 その場から動けなくなり、 まるで時が止まったように感じた。
てかあいつは、 いつからザ・〇ールドも使えるようになったんだよ!
そんなんチーターやん!
そんな茶番やってる場合じゃね!
早く動かないと今回ばかりは確実に殺される!
千鶴は、 ゆっくりと俺へと向かってきた。
千鶴が、 歩いた後には、 その足跡がくっきり残っていた。
う、 動け! 動けよ!
動け! 動けってんだよ! このポンコツ!
結果俺の願いもむなしく、 千鶴は俺の正面に立ち俺の肩に自身の両手を置いてきた。
ああ、 俺の命もここまでか。
短い人生だったけど悔いは……
思いっきりあるわ!
俺は、 まだハーレムも作ってないんだぞ!
こんなやすやすと死ねるか!
だがこの状況は、 どうしようもない。
今は、 とりあえず痛みにこらえる準備でもしますかね。
俺は、 そう覚悟を決め目をつぶった。
しかし、 俺の予想していた痛みは、 一切こなかった。
そしてそんな状況を疑問に思い、 もしかしたら助かったのかと思って目を開いたのが間違いだった。
千鶴は、 俺が目を開いた瞬間にキスをしてきた。
その時の俺の状況を漫画で例えるならキスをされた瞬間、 後ろにズキューンという擬音が出ているだろう。
てかそんな楽観視してる場合じゃねぇ!
は、早くこいつから離れないと!
だが奴は、 俺がそうするとよんでいたのだ。
俺が付き飛ばそうとした瞬間、 俺の肩に置いた両腕を使い俺を逃げられないように抱きしめ、 さらに俺の口の中に自分の舌を入れてきた。
俺は、 それをされた瞬間、 頭が真っ白になり何も考えることができなくなり、 千鶴のされるがままにもてあそばれた。
そして、 千鶴が俺にキスをしてから三分ほどしてからゆっくりと俺を離してくれた。
千鶴はと言うと俺とのキスの余韻を楽しんでいるのか顔が赤く、 恍惚とした表情をしていた。
そのあまりのエロすぎる表情に、 周りの男冒険者たちは鼻血を出して、 地面に倒れた。
対する俺はと言うと千鶴から解放された瞬間に地面へと崩れ落ちた。
ああ! 俺ファーストキスだったのに! ラピスさんと初めてしようと思ってたのに!
「俊の初めてのキスの相手はその女ではない! この私よ!」
「この汚らしいアホがぁぁぁぁぁ!」
俺は、 そう叫ばずにはいられなかった。
「なんでお前は、 いきなり俺にキスしたんだよ! 今までの乗りなら確実に包丁かスタンガンだったじゃないか!」
「私なりに考えたのよ。どうして俊が私のことを受け入れないのかを。 そして私がだした答えが、これよ!」
「意味わからんわ!」
「仕方ないわね。 説明してあげる。 私って俊に対して今までキスすらしたことなかったじゃない? それに私なりに最近俊に対して暴力を振りすぎたとも反省しているの。 だから今回は、 怒るのではなく私のキスという名のご褒美をあげることにしたのよ。 ちなみに私もファーストキスよ!」
「お前のファーストキスなんてご褒美どころか特大の罰ゲームだわぁぁぁぁ! しかも舌まで入れやがって!」
「し、 舌まで……」
「ああそうだよ! 舌までだよ!」
ん? 今聞こえた声って千鶴じゃないよな?
じゃあ誰だ?
俺は、 声がした方向に首を向けた。
そこには、 顔が真っ赤で茹でたこのようになったラピスさんが立っていた。
ああ、 神よ!
やっぱりお前なんて死んじまえ!
バーカ!
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