第4話 湖での練習
翌朝あずは、車で湖に着くと電熱線と発電機を回収して急いで別荘に戻り、それらを倉庫へ片付けると、あらかじめ作っておいたサンドイッチとコーヒーを車につむと、澁谷を叩き起こした。
「ねぇ、今日は午後から雪が降るみたいだから午前中に練習しましょう。さあ、起きて!」
「うーん…今何時?…6時じゃないか?」
「でも、貴方だって今日早目に帰るようにできるわよ?」
「…そうだな。それじゃ早朝だけどやるか!」
ふたりで車に乗り込み湖まで5分とかからない道を運転する。
「そうだ、昨日アイスリンクを見に行った時に小枝や石がリンクにたくさん落ちていたの。昨日ほとんど回収したけど、まだ奥の方が残っていたから拾ってくれる?」
運転しながら澁谷は「わかったよ」としぶしぶ返事を返した。
湖に着くと、澁谷は早速スケートシューズに履き替え滑り出した。
「もっと奥の方よ。…左、少し左の方だわ。」
澁谷は、あずからだいぶ離れたところまで来たが、小枝や石はそれほど落ちてはいなかった。
向きを変えて帰ろうとした時に、メリメリメリと氷に大きな亀裂が入り目の前の氷が斜めに傾く。「わああ、助けてくれ~!!」
ザバーンと音をたてて、澁谷は湖に落ちた。
「…貴方が悪いのよ…」
ちょうど雪がチラチラと降り始める。
あずは、しばらく沈黙した湖を眺めていたが、車を発進させ別荘に戻った。
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