第2話 別荘 2

 揺らめく炎を見つめながら、あずと澁谷はコーヒーを飲んでいた。

 「明日なんだけど、急用が入って東京へ戻らなければ行けなくなってしまったんだ。午後の練習が終わり次第帰るよ。」

 「…そう。私たち…婚約しているのよね?」

 澁谷が笑顔で両手を広げる。

 「当たり前じゃないか!なぜそんなことを聞くの?」

 あずは、鋭く澁谷に目線をやると少し感情的に息をあらげる。

 「それなら、結婚式はいつになったらしてくれるの?式場の予約もまだなにもしてないのよ!パンフレットを見せたって後で見ておくってそれっきりじゃない!…他に好きな人でもいるの??」

 澁谷が逆ギレする。

 「俺は最初からあずだけだよ。俺のことが信じられないのか?」

 あずは席をたって窓の方へ離れるが、すぐに澁谷があずに近づき後ろから抱きしめる。

 「やめて…」

 嫌がるあずを無視して澁谷はあずの首筋にキスをし、両手で胸をさわり出す。

 「やめて!!」

 肩で振り払うあずは外へ飛び出していった。

 「一体どうしたっていうんだ!!」

 澁谷の声がリビングに響いた。

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