第3話
ラブレンジャーの残りの4人が何やらコソコソと話し合っている。
…何だか悪い予感がする。
ていうか、もう確実に1限間に合わないよね。
大きな溜息をつく。
仕方ないからのんびりと駅に向かう事にした。
「君、ラブピンクにならないか?」
え、ラブピンクを助けるんじゃなくて、新しく勧誘するの?
助けにいけよ。
驚いて顔をあげると目の前に4人が立ちふさがり、俺の行く手を阻む。
もしかして、俺に言ってるのか?
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ
嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌
俺、男ですからー!
やっぱり、戦隊物にはヒロイン枠必要よ?
由美かおるポジション必須ですから!!
高速で首を横に振る。
「うーん、やっぱりEは欲しい」
「Fとかなら最高だけどね」
「俺はBぐらいが好みだけどなぁ」
「それより尻でしょ」
…何だか知らないけど俺を取り囲んで揉めている。今のうちに逃げようか…
「間をとってDカップで」
胸の話してんのー?
俺、男なんで胸なんかありませんから!
断固お断り!
「頼む。ピンクは君が一番相応しい。君しかいない!」
いや、それ本当は誰でも良いんでしょ!
頼まれたところで俺に何の得もない。
「…ここだけの話、1年頑張ったら一生遊んで暮らせる…」
ブラックがこそりと囁く。それは悪魔の囁きだった。
「それにピンクは女だとみんな思っているから正体はバレない」
本当だな?絶対だな?後で全部嘘だったとか絶対にずぅぇったいぃにないよな?
「もしかしたら、レッドと結婚しなきゃいけないかも知んないケド」
…それは断固拒否をする!
「仕方ないなー、時給1200円でどうだろう」
ううーん、…一応命張ってるんですよねぇ?もう一声。
「1300円」
もうちょい
「1400円」
…1500円なら手を打とうか。
「1500円ね、これからよろしくピンク」
みんながそれぞれに肩を叩いてくる。
これで漸く5人が揃った、ラブレンジャー!
戦え、みんなのラブレンジャー!
負けるな、みんなのラブレンジャー!
世界に平和が訪れる日まで。
恋愛戦隊ラブレンジャーは今回で最終回です。来週からは時給戦隊シュセンドジャーが始まります。
みんな、遊園地で僕と握手!
恋愛戦隊ラブレンジャー(仮) 遠谷カナ @spica-kira
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