第4話 雪の上の足跡
十二月。新雪の積もるゲレンデを華麗にスキーヤーが滑り下りてくる。その長身の男性はエッジを立てて鮮やかにターンすると、続けて滑り降りてくる女性を振り返った。
男の後方からはこちらもスタイル抜群の女性が、長い茶髪をなびかせながら滑降していた。女は停止している男の前まで近づくと、間近でターンを試みるが停まり切ることができず積雪へと倒れ込みかけた。
すると目の前の男が慌てた様子もなく、スッと近づき背後から彼女を支える。
女はスキーゴーグルを取ると、背中に体重を掛けたまま男を見上げた。
「怪盗さん♡」
困ったようにスキーゴーグル越しの視線を逸らす男。
彼の後ろを歩いていた防寒着に身を包んでダルマのように膨らんだ子供が、通りすがりに男のふくらはぎへとゲシッと蹴りを入れた。
長身のスキーヤー・有瀬塗範は、防寒着の少女・谷得織丹子と二人で知人である茶髪の美人スキーヤー・安藤玲の実家へと招待されていた。彼女の実家はニコの暮らす下礼村から車で数時間ほど北上した山岳にある馬飼来村で中規模なスキー場を経営している。
家業の手伝いの為にゲレンデへと残った玲と別れたトパンとニコは、受付センターのあるロッジ内に併設されているレストランで向かい合わせに座り、遅い朝食を食べ始めた。
「自分が滑れないからって八つ当たりするのは感心しないな」
トレードマークである黒い山高帽を椅子の肩に引っ掛けた黒いスーツ姿のトパンは、食事をしながら対面の少女へと苦言を呈した。
「あなたが鼻の下を伸ばしているから目を覚まさせてあげたのです」
ニコは澄ました顔で反論する。
「そもそもスキーが出来ないなら招待を断れば良かったのに──あっ、旨いなこれ」
スパゲティを啜っていたトパンが一点食いのスピードを速め、ガツガツと口の中へと掻き込んで行く
「あなた一人を行かせるのは心配でしたから。それに滑れないのではありません。滑ったことがないのです。ですから人生で一度くらいはスキー場という所へ行ってみようと思い立ちまして。まあ実際に来てみたら、こんなに寒いところで何が哀しくて雪遊びをしなくてはならないのか、理解に苦しむ限りですが──ちょっと、食べ方が汚いですよ」
トパンの方から飛んでくる食べかすを避けるかのように、ニコは自身の食事皿を傍へ引き寄せた。
そんな事をしているうちに、レストランの入り口付近が何やら騒がしくなってきたのに気づいたトパンは食事をしながらそちらの会話へと耳を傾けた。
「いやはやもう、びっくりしたのなんのって! あれが本物の銃声さ! パンパンパンと三発鳴り響いてな。早く犯人が捕まらんことには不安で夜も眠れんよ!」
それはこの近くに住む住人同士の会話らしかった。初めは男二人で話していたのであったが、段々と人が集まって来て、今や小さな集会のようになっている。
「まあ今駐在さんがこの辺のみんなの安否を確認してくれているからな。問題があったらすぐに連絡が来るさ」
その言葉に幾人かが頷いた。
「しっかし、この辺りで銃なんか持っていそう奴なんて、伍留爺さんか尾成の若旦那しか思いつかんて」
「だな。特に爺さんは酔っ払ったら何をしでかすか、わからんけん。年を経るたびにどんどん偏屈になっとるし」
「それは俺らも一緒じゃ」
皆がワッハッハッと笑い合う。
「そういえば最近伍留爺のところの嫁さんの姿を見ねえなぁ」
「ほんと、真千明には勿体無いくらい聡明で別嬪な奥さんだったなぁ」
「あれか? 脳みそが詰まった玲ちゃん、って奴か?」
「ホンマホンマ、あんな嫁さんいたら、そりゃあ家から出て来んわ」
男たちが好き勝手に言い合っている。
いつの間にかニコも話を聞いていたようで、トパンへと問いかけた。
「銃声と言うことは事件でしょうか?」
「まだ何とも言えないけど、これが第四の冒険になるかも知れないね」
トパンはナプキンで口元を拭うと、ウェイターへ食後のコーヒーを注文した。
「そういえば三つめの冒険の呼び名を決めてなかったですね。多数決で決めましょう」
ニコは一足先に注文してあった紅茶へとスプーンを使って角砂糖を立て続けに三つ落とすと、掻き混ぜながら提案する。
「──それ甘すぎじゃない? まあ個人の嗜好だからいいけどさ。そうだな『怪盗トパンの冒険』でいいんじゃないかな?」
「即却下です。『フィルムの秘密(スポンサーbyヤエオリグループ)』というのが良いと思います」
「長っ! だったら普通に『映画フィルムの秘密』で良くないかい?」
「今のは冗談です。私の一押しは『軽薄男と尻軽女』です。多数決でこれに決まりました」
「ちょっと待った! 軽薄男とは誰の事かな? それに多数決って二人しかいないけど──」
「私の一票はあなたの二票分に相当しますから」
ニコは涼しい顔で言ってのけた。
トパンとニコが受付センターの土産物コーナーで買い物をしていると、先程レストランで会話をしていた男の一人が慌ただしく村の自治会長である玲の父親を呼び出している姿が目に入った。
「会長さん、頼むよ! あんたが一番頼りになるんだから!」
「すぐ行くからよ!」
ドタドタと玲の父親が棍棒のような物を背中に担ぎながら二階から降りて来ると、男と合流して小走りに建物から出て行った。
「僕たちも行こう!」
山高帽にスーツ姿のトパンはネクタイをギュッと締めると、脇に抱えていた防寒着を羽織って二人の後を追い掛けて行く。
「ちょっと待って下さい!」
ニコは慌てて部屋の隅っこへと移動するとトランクを開けて、防寒ズボンや上着の重ね着をし始めた。
ニコはトパンたちからかなり引き離されたかと思っていたが、男たちはちょうど軽貨物自動車で通りかかった老人と話をしている処であった。
「ガハハッ! 息子に限ってそんな心配はいらんよ。寝てるか電話に出るのが億劫なんだろうよ。儂はもう行くぞ。夕方までにこの乳を納品しないとおまんま食い上げちまうからな!」
老人は幌の掛かった荷台を指し示すと、車を発進させる。
「今のはどなたです?」
再び歩き出した男たちに付いて行きながらニコはトパンへと尋ねた。
「彼が話に出ていた伍留爺さんのようだね。どうやら彼の息子さんと連絡が取れなくなっているようだ。家には例の美人の奥さんもいるはずだというから確かに心配だ」
「さすが軽薄男ですね。着眼点が違います。この事件は『軽薄男と美人妻』と名付けましょう」
「いつの間に軽薄男シリーズになったんだい? ほら、あそこに人だかりが見える。いいぞ、多分会長さんの到着を待っていたんだな」
トパンの推測通り、伍留真千明の邸宅前、鉄の棒を組み合わせた門扉のところに駐在所の若い巡査が地域の代表者の到着を待ち焦がれていた。
「わざわざ来ていただき申し訳ありません、安藤さん。この屋敷だけは私一人ではちょっと──」
丸栖巡査が頭を下げると安藤は彼の頭をポンポンと叩いた。
「いいっていいって。伍留の爺さんには苦労させられてるもんなぁ。爺さんが居ない内に終わらせるさ」
安藤は集まっていた住民の先頭に立つと、邸宅のインターフォンを押した。
何の反応もない。それを二回繰り返した後、門扉に手を掛ける。ビクともしない。
「誰か鍵を持ってたりせんか?」
安藤が周囲を見回したが、誰からも返事が無い。
「まあ、そりゃそうか。裏へ回ろう」
安藤が皆を引き連れて移動しようとするのをトパンが呼び止めた。門扉の鉄格子越しに見て取れる状況を確認する。
「見て下さい、積雪の上に門から玄関へと向かう足跡があります」
「玲のお友達の言う通りだ。入って行く足跡があって出て行く足跡がないということは、まだ中に誰かがいるということだ」
トパンの指摘に安藤が頷いた。
「勿論、別の出口があるのならばそちらから出て行った可能性はありますが、留意しておくべきだと思います」
「確かに。足跡のサイズから見て長靴を履いた男性でしょうね。しかし随分と足取りが乱れていますね」
巡査のその問いかけに答えたのも安藤であった。
「真千明は下戸だからな。どうせまた親父さんに呑めない酒でも呑まされたんだろうよ。もういいかな? 裏へ行こう」
安藤と巡査が先だって歩き出す、そのすぐ後ろを付いて歩くトパンとニコ。
「先程お見かけした真千明さんのお父様ですが、こんなに立派な邸宅なのに御同居されていないのですか?」
トパンの疑問には安藤が答えた。
「伍留爺さんは酪農だけが生き甲斐だからな。毎日朝は山羊と起きて夜は山羊と寝るんだ。いや、夜は酒と寝るが正しいか」
安藤は自分の言葉に笑った。それからトパンを振り返ると彼の顔を見ながら問いかける。
「ところでお友達の方、初めましてで良かったのかな? 申し訳ないが玲の連れてくる男友達の数が多すぎて顔を覚えきれんのだ──」
「裏門は開いてるな」
安藤が木の扉を引くと、それはあっさりと開き、勝手口へと行き来する数組の足跡が積もった雪の上に残されていた。
「あっ、それは私の靴跡ですわ」
後ろに付いて来ている住民の中から中年の新聞配達員が手を上げながら足跡を指さした。
「ふむ、引き戸から勝手口横のポストまで足跡が往復しているな。昨夜の雪は何時くらいに降りやんだか誰か覚えてるか?」
安藤が野次馬へと呼び掛けると皆が思った時間を次々と発言した。
「十時? 十一時? 十二時だというものはおらんな。ということは雪に残されている足跡は十時以降についたものだと考えていいな。昨夜の深雪ではそれ以前の靴の後は雪に埋もれて消えてしまっているだろうから」
安藤が皆の意見をまとめてそう結論付けた。
「ということは、真千明さんが屋敷へ帰って来たのは夜の十時過ぎと推測されますね。銃声がしたのが十一時頃ですから真千明さんが事情を知っている可能性は高いです」
巡査は自分自身が確認するかのように状況を整理した。
「入る前に他の足跡も見ておきましょう」
トパンの提案を受けて安藤とトパンが引き戸をくぐって邸内へ入り、扉のすぐ前へ立った。巡査は二人の背後から裏口周辺の写真を撮影し始めた。
「以前みたいに、また何か壊したと言いがかりをつけられるのは嫌ですからね」
巡査は言い訳する様に安藤へと告げる。
「勝手口からこちらへ向かっている足跡は他に一つ。邸宅から出て行ったきりで戻ってはいませんね。あとは勝手口から庭にある井戸へと向かう跡。何か重たい大きなものを引きずったように見えます。その跡の上に微かに靴跡が見受けられますので、何かを引っ張って行った者が井戸の中へとそれを入れてから勝手口へと戻って行ったのでしょう」
トパンの分析に巡査が感心する。
「凄いですね、まるで刑事か探偵みたいだ!」
「そんなにたいした者ではないですよ。単なる軽薄男です」
引き戸の向こう側からニコが全否定したが、トパンは聴こえなかったかのように安藤を促して井戸へ向かって歩いていった。
「貯水されていますね。どれぐらいの深さがあるんでしょう?」
残されている足跡を消さないように回り込みながら井戸を覗き込んだトパンが誰にともなく問いかける。
「ここの住民は皆、井戸に溜まった雪解け水を生活用水としておる。もしもこの井戸に落ちた物が何か知りたいのならばポンプ車が必要だろう」
「では必要じゃないことを祈りましょう」
安藤とトパンは二人とも同じ懸念を抱き、暗い表情を浮かべていた。
勝手口の鍵が掛かっていないのを確認した丸栖巡査は拳銃を構えると、恐る恐る扉を開けて中へと飛び込んで行った。間髪入れず安藤とトパンが続く。
そこは調理場となっており、拍子抜けするほど整然と片付けられている。
「人の気配がないな」
安藤が周囲の窺いながら耳をそばだてた。
一行が調理場から押し戸を開けて食堂へと入って行くと、思わず巡査が声を上げた。
「あっ!」
「シィー!」
反射的にトパンが口元へ一本指を立てて静かにするように促した。
面目なさそうに頭を下げる巡査。
食堂は争いが遭ったのが一目で判るほど散乱していた。
長テーブルは真っ二つに折れ、椅子は元の数が判らないほどあちこちに原型を留めない姿で転がっている。壁掛けの時計は床へと転がり、近くに電池が転がっていた。
トパンが時計へと近づき、屈み込んで時刻を確認する。
「十一時十二分。おそらく落ちた衝撃で電池が抜けて止まったのでしょう」
「争いがあったのはその時刻か。銃声とほぼ同じ時間だな──」
安藤が確認するように時計のあった壁を見た。
「おっ! あそこに弾痕のようなものが見えるな。どうやらここで発砲があったのは間違いないようだ」
トパンは険しい表情を浮かべながら立ち上がった。
「真千明さんと奥さんを探しましょう」
三人は一塊になって行動しながら家の中を確認して行ったが、人が隠れることが出来そうな場所は何処にもなかった。更に夫人の物だと思われる部屋は扉が叩き破られ、何らかの犯罪行為が行われていたことが明白となった。
巡査は麓の街から応援を呼ぶべく、一足先に屋敷から出て行った。
「何があったと思う?」
書斎に腰を落ち着けた安藤が困惑した様子でトパンへと問いかける。
「ここは見ての通り過疎地のド田舎だ。住民はみんな顔見知りで犯罪なんて縁のない村なんだ。そりゃあ伍留爺さんのように気難しい奴もいるが、誘拐や殺人をするなんて大それたことが出来るような人間はおらん」
「どうでしょうか? 人は追い込まれると想像以上に大胆な行動が出来る生き物ですよ。まずは状況から明確になっている事実を整理してみましょう」
トパンも手近な椅子を引き寄せると腰を下ろして話し始めた。
「雪が止んだのを十時と推測するのならば、屋敷の正面に残った足跡の人物は十時以降にここへ来ています。そしてそれ以降、裏口から出て行ったのも一人。この事実だけならばどこにも犯罪の要素はありません」
「確かにな。だが格闘の跡、止まった時計、そして銃声。これらの説明が付かない」
「格闘があったのは雪が止む前かも知れません。夫人の部屋の扉が破られたのも。だとすれば夫人たちの靴跡は雪に埋もれてしまったのでしょう。時計は銃声に関係ある可能性があります」
「ふむ、それは論理的だな。それならば雪が止んだ後に屋敷にいた人物は一人で説明がつく。いや、待てよ。その場合、井戸まで引きずった跡は何なんだ?」
「さあ? 現場から得られる情報から推測するには限界です。お手上げですね。真千明さんか奥さんが見つからなければ、推論を証明できません」
匙を投げたようなトパンの表情を窺いながら安藤が問いかけた。
「それは生死を問わず、という意味かね?」
その言葉に対するトパンの答えは無かった。
夕刻、事件は意外な形で急展開を迎えた。
村の外れの山肌に建つ尾成邸にて真千明の妻である菜多里が目撃されたのだ。
通報を受けて街から警官たちが駆け付けたが、すでに屋敷はもぬけの殻であり、館の主である尾成零夢は誘拐容疑で緊急指名手配された。
安藤家へと戻っていたトパンは食堂でその話を玲から聞かされると黙って何かを考え込み始めた。そんなトパンの気を引こうと声を掛け続けた玲であったが、やがて諦めて食堂から出て行った。入れ替わりにニコが近づいて来る。
「勿体無い」
気が付いたら正面にニコが座っているのに驚いたトパンが、顔を上げながら問い返す。
「何が?」
「聴いてなかったのですか? 今夜部屋で遊びましょう、と誘われていたのですよ。まあ、何の遊びかは知りませんが」
皮肉をたっぷり込めながらニコが答える。
「そりゃあ勿体無かった。そんなことより、もう一度伍留邸へ行かないと。多分僕は重要な物を見落としている」
玲の誘いをそっけなく一蹴しながら、トパンが立ち上がった。
「今からですか? もう外は暗いし、寒いですよ。明日なら排水ポンプ車も手配できますから、明るくなってからにしたらいかがですか?」
ニコの制止も聞かずに、トパンは防寒着を手に取ると食堂から出て行った。
「もう、仕方がないですね!」
ニコは部屋の隅っこへと移動してトランクを開けると、防寒ズボンや上着を取り出し、急いで重ね着をし始めた。
トパンはニコが付いて来るのが解かっていたかのように外で彼女を待っていた。
二人は肩を並べながら雪道を歩いて行く。
「一体、何がそんなに気になるのですか?」
不慣れな雪道で滑らないよう細心の注意を払いつつ、ニコが問いかけた。
「確かに玲ちゃんは美人だけど、それは上っ面の美しさでしかないんだ。見た目が整いすぎているから誰も中身まで気にしていない」
トパンは独り言のように呟くのみであった。
「何言ってるんですか、この人は」
呆れたニコは質問するのを止めて、黙って歩みを進めた。
警察が張った現場保存の立ち入り禁止テープを潜った二人は、そのまま勝手口から屋敷の中へと入って行った。
トパンは迷わず夫人の部屋へと向かうと、廊下の明かりを付けて壊された扉へと顔を寄せた。懐から片眼鏡を取り出し、右目に掛けると詳細に調べ始める。
その間、手持ち無沙汰となったニコは夫人の部屋の中をウロウロと物色するかのように見て回っていた。そして鏡台へ置かれた一つの写真立てへと目を留めた。
「これって──」
その背後からトパンが近づいて来る。
「やっとスッキリしたよ。おっ、ニコちゃんも良い所へ目を付けたね」
「何ですか? その上から目線」
「いえいえ。雇い主には頭が上がりませんよ、ニコ様」
妙にへりくだった態度を示すトパン。
「この事件に関して私は依頼していませんので悪しからず」
キッパリと報酬の支払いを拒否するニコ。
「ああ、そうか。じゃあ事件の真相は僕の胸の中へと閉まっておこう」
これ見よがしに嘆くトパン。
「いいですよ。私にだって推理ぐらいできます。他の写真立てには御主人との写真が残っています。ところがこの写真立てには何の写真も飾られていません。と言うことは、この写真に写っていた人物が犯人で、証拠となる写真を持ち去ったのです!」
自信たっぷりに言い放つニコ。
するとトパンがパチパチと手を鳴らしながら称賛した。
「素晴らしい推理だ──でも二十点」
トパンがキッパリとニコの推理を否定する。
「今、突然あなたをあの井戸へ落としたくなりました」
ニコが頬を赤く染めながら怒りの言葉を発した。
「だって、もし犯人が持ち去るなら写真立てを残して行く意味はないだろう?」
「うっ。そう言われればそうかも、ですね」
「ああ! この衝撃の真実を僕の胸だけに秘めて置かなくてはならないとは。なんて、つらく切ないんだろう!」
演技過剰気味に嘆きながらチラッとニコの方を盗み見るトパン。
「はいはい、解かりました! ヤエオリグループから事件解決の報奨金を出しますよ」
投げやりに言い放つニコ。
「よしっ、そうこなくっちゃ!」
力強くガッツポーズを決めるトパン。
「それで、あなたの推理は?」
浮かれるトパンへ答えを促すニコ。
「ああ、明白だよ。その写真に犯人が写っているんだよ」
トパンの回答にガクンと肩を落とすニコ。
「私もそう言いましたよね?」
「だから二十点あげたろ? 君が間違っていたのは写真を持ち去った人物さ」
「犯人以外に一体誰が──まさか夫人が! 何の為に?」
「大事な物だからさ。答えは全てこの部屋の扉にあるんだ。普通鍵の掛かった扉という物は外部からの侵入者を防ぐ為の物だ。ところがそれは常識という先入観なんだよ。鍵の掛かった扉には他に役割がある」
「──中にいる者を閉じ込める為」
驚いてハッとなるニコ。
「その通り。ここの扉を調べてみると、内鍵ではなく外鍵だった。私室としてはありえない、言い換えればここは牢屋だったんだ。つまり扉が壊されたのは夫人を攫う目的ではなく、彼女を救う為だったと考えるのが自然だ」
「ということは夫人を閉じ込めていたのは──」
「当然、真千明さんだろうね。ここまでの話をまとめるとこうなる。雪が降っている間に屋敷を訪れた犯人は扉を壊して夫人を部屋から連れ出した。それを帰って来た真千明さんに見咎められて、食堂で二人は格闘。どちらかが銃を持っており発砲。その後、犯人は真千明さんを引き摺って井戸へと落とし、夫人を抱えながら勝手口から出て行った──」
「では指名手配されている尾成さんは誘拐犯ではなく殺人犯だということですか」
ニコが哀しげな表情を浮かべながら結論づけた。
「いいや。ここまでは上っ面な推理にしか過ぎない。こういう結論しか出せないように何者かが状況を整えたんだ。いや、整え過ぎたと言うべきかな」
「どういう意味ですか?」
「逃亡中の二人が保護されれば事件の細部がハッキリするんだ。どうにか二人へ呼び掛ける手段はないものかな」
トパンの呟きを聞きつけたニコが満面の笑みを浮かべながら提案する。
「それならヤエオリグループの政治力を活用しましょう」
翌日、馬飼来村の駐在所へ指名手配中の尾成零夢と誘拐されたと思われていた伍留菜多里が出頭したとの連絡を受け、トパンとニコは安藤の運転する車で面会へと向かっていた。
「しっかし、あんたがその若さでヤエオリグループのオーナーをしているとはな」
感心しきりの安藤がニコを褒めちぎる。
「幾ら地方新聞とはいえ、朝刊の一面を差し替えて『あなたの無実を証明します』なんて広告を載せちまうなんて、全く可愛いだけじゃなくて大胆な娘さんだよ。ホント、玲に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ」
「もっともっと褒め讃えて下さい。隣にいる器の小さな男は他人を褒めるということを知らないみたいですから」
調子に乗ったニコが鼻高々に言い放つ。
「兄ちゃんも尻に敷かれて大変だな」
「──ハハッ、ハハハ」
安藤のツッコミにトパンは乾いた笑いで答えるしかなかった。
駐在所には若い丸栖巡査と年老いた巡査部長しかおらず、トパンの観察眼に一目置いている丸栖が彼らを尾成たちと接見させてくれた。上司である老巡査部長は我関せずの態度を貫き、事務机に座ってお茶を啜っている。
奥の畳張りの休憩室に座っている尾成と菜多里へと対面するように、テーブルを挟んでトパンとニコが腰を下ろした。安藤と巡査は部屋の入り口に立って状況を見守っている。
「初めまして。僕の名前は有瀬塗範。彼女が新聞記事を出した谷得織丹子さんです。まずはお二人がどのような関係か教えていただけますか?」
自己紹介後、一番訊きにくい事をストレートに尋ねるトパンへとニコが肘打ちしてから小声で囁く。
「いきなりそこですか!」
「いえ、それを解かっていただかなければ私たちの疑いは晴れません。私たちが立ち去ってから伍留邸で起きた出来事は今朝の新聞で知りました。全てが無関係であることを証明したいのです」
真摯な態度で告げる尾成の隣りで菜多里も頷く。
トパンは黙って尾成へ話の続きを促した。
「菜多里は私の妹なのです。早くに父を亡くした私たち兄妹は、生活を支える為に昼夜働いてくれた母のおかげで何不自由なく育つことができました。住まいは東京郊外の慎ましいアパートではありましたが、私も妹も幸せに暮らしていたのです。そして私は東京の大学へと進学し、そこで伍留真千明と出会いました。彼は同じサークルの仲間だったのですが、東京へ遊びに来た妹に出会い、私を通じて交際を申し込んできたのです。真千明は穏やかな性格で実家も裕福ですから、妹さえよければいいかなと思い仲介したのですが、正直私の内心は複雑でした。その時初めて私の人生にとって妹の存在の大きさを実感したのです。それからすぐのことですが母が亡くなりました。妹を養うために私は大学を中退しようかと考えましたが、真千明が実家を通じて無償で支援してくれたおかげで妹は無事に高校を卒業できました。そして大学を卒業し地元へ戻った真千明の元へと嫁いだのです。私も大学を出てからIT企業へと就職し、数年で独立してある程度の成功を収めました。生活に余裕が出来たのをキッカケに母の遺品を整理していたのですが、その中に母から私宛への手紙があったのです。そこには菜多里が母の連れ子で、私と妹には血の繋がりがないことが書かれていました。私は慌てて役所へ行き、戸籍を確認しました。そして母の告白が事実だと知ったのです。その瞬間から私は菜多里を取り戻す方法だけを考え始めていました。それでもある日、ふと冷静になり『戸籍を移す際に菜多里はその事実を知ったはず』だと気づいたのです。知っていて真千明を選んだのならば仕方ない、そう思った私は、幸せに暮らす妹の姿を遠目に焼き付けてキッパリと諦めよう、と心に決めて彼女の結婚後、初めてこの村を訪れたのです。ところが滞在した三日間で一日も彼女の姿を見掛けることが叶いませんでした。仕方なく最終日には直接伍留邸を訪れたのですが、真千明によると妹は友達と海外旅行中だと答えました。人は変わるものだとは思いますが、元来内向的な妹が友達と海外旅行するなど私は信じることができませんでした。ですから村の郊外に家を借り、そこから伍留邸を見張っていたのです。すると、ようやく妹の姿を見掛けることが叶いました! しかし、彼女の表情は暗く、とても幸せには見えません。私は堪えることが出来ず、真千明の元へと乗り込んで行きました。そして彼に慰謝料を払うから菜多里と離婚するよう、申し入れたのです。初めは門前払いを食らいましたが、真千明自身が事業に失敗し多額の借金を抱えていたこと、すでに菜多里との愛情が冷めていたこともあり、ついに彼の同意を得たのです。ただし真千明からは慰謝料以外に条件が一つだけありました。それは絶対に伍留爺さんに離婚したことがばれないようにすること。彼の父親は家族の名誉を非常に重んじる人物なのです。そこで私は真千明が不在の隙に菜多里を誘拐するという彼の提案に従いました。真千明が『親父は絶対に警察へは通報しない』と保証したからです。あの日私は積雪に紛れて伍留邸の勝手口から侵入し、菜多里の部屋の扉を壊し、彼女を屋敷から連れ出しました。慰謝料は後日離婚届と引き換えに真千明の口座へ振り込む事で話がついています。これが私たちの知る事実の全てです」
「それは何時ぐらいのお話ですか?」
尾成の長い告白が終わると、トパンは穏やかに問いかけた。
「夜の九時です。真千明はその時間、伍留爺さんの処へ行くと言っていましたから」
「なるほど、良く解かりました。有難うございます」
トパンが二人へ頭を下げて休憩室から出て行った。
「そろそろ所轄の警察署から応援が来る頃じゃないか?」
安藤が小声で巡査へと問いかけた。
「そういえばそうですね。爺ちゃん、紋平類署へ電話してくれたかい?」
巡査が老巡査部長へと呼び掛けるが、反応は無い。
「参ったな。うちの爺ちゃんなんですけど、補聴器を付け忘れてるんで聴こえていなかったようですね。今から呼びましょうか?」
巡査が悪びれずにそう告げると、安藤はその肩をポンと叩いた。
「いい警官になったな、坊主」
「そういうことでしたら逃亡の恐れもないでしょうから自宅待機していて貰いましょう。事件は今日中に解決しますから」
トパンは自信満々な表情を浮かべながらそう断言した。
トパンとニコ、安藤と巡査が伍留邸へと訪れると屋敷の前には伍留爺さんが立っていた。
「おう、おまえら! 真千明と連絡がつかねえんだってな? 村の奴から聞いてわざわざ来たんだがインターフォン鳴らしても出やしねえ。どっかで見かけなかったか?」
「伍留爺。まだ屋敷へ入ってないのか?」
安藤が皆を代表して答える。
「あたりめえだ。息子がいない屋敷に何の用がある?」
「鍵は持ってるか?」
「ああ、家の鍵と一緒にくっついてらぁ」
「じゃあ、門を開けてくれ。見せたいものがある」
安藤に促され、渋々従う伍留。門を開けて一行が屋敷へと入って行くが、雪の表面はすでに溶けており、靴跡は残っていなかった。
そのまま玄関から屋敷へ入って行き、食堂へと辿り着く。
「なんじゃこりゃ!」
破壊された家具類を見て、伍留が怒りを交えた驚きの声を上げる。
「一つお聞きしたいのですが、この屋敷には銃はありましたか?」
トパンが伍留の前へと進み出て問いかけた。
「誰だ、おめえは?」
伍留が不審そうにトパンを睨み付ける。
「事件捜査の為の応援です。たまたま安藤さんのスキー場へいらしていた──」
「所轄の刑事か」
巡査の説明を遮って伍留は独り勝手に解釈した。トパンはあえて否定せずに話を続ける。
「実は先日この屋敷から三発の銃声がしたと通報がありまして」
「儂が昔使っていた猟銃はあるが、あれは二連発だからな。パン!パン!の後、時間が空いてパン!ならそれだろうよ。真千明がなぜ撃ったかまでは知らないが」
「いえ、銃声を聴いた住民の話ではパンパンパンの三連発だったようです」
「では違う銃が使われたか、誰かが別の銃を持っていたということだろうよ。そんなことより真千明は無事か? 菜多里は?」
ようやく状況を把握したかのように、伍留がトパンへと問い詰めた。
「今は二つの可能性が考えられます。いずれにしても真実を見い出す為にはあなたの協力が必要です」
「儂の? 今初めてこの事態を把握した儂に何ができるというんだ!」
伍留はまるでトパンが事件の首謀者であるかのように、険しい表情を浮かべながら睨み付けた。
「状況を整理しましょう。最初の出来事が起きたのが九時から九時半の間だと推定するのならば、真千明さんが帰って来たのはそれ以降です。表の靴跡から推測して帰宅は十時以降と思われていましたが、銃声が三回続けて鳴ったことから十一時十二分には屋敷に二人の人物がいた可能性が高いです。つまり一人は雪の降っている時間に屋敷へ入って来て、もう一人が表の足跡を残したと言うことになります。銃声のあった日──真千明さんと連絡が付かないと安藤さんがあなたに告げた日の前日ですが、真千明さんとお酒を飲まれましたか?」
「ああ、あの日は珍しく真千明も酒を飲んでいたな。菜多里と喧嘩でもしたんだろうよ」
「では、千鳥足で残されていた靴跡は真千明さんのものと推測されます。だとしたら犯人はそれ以前に屋敷に潜んでいたと考えるべきでしょう。そして真千明さんと格闘になり、お互いが銃を撃ち合ってどちらかが相手を井戸へと引き摺って行き、落とした後に屋敷から立ち去ったのです。そう考えると真千明さんが屋敷から立ち去る理由はありませんから、おそらく──」
トパンが言葉を呑み込むと、伍留が顔を真っ赤にして怒鳴った。
「なんだと! 真千明が殺されたっていうのか? 誰だ! 犯人は一体誰だ!」
「落ち着いて下さい。犯人はもう判っています」
トパンの言葉に驚いたのは伍留だけではなかった。皆が彼に注目する。
「犯人は──あなただ」
トパンが指さした先には──伍留がいた。
「なっ! なんて無礼な奴だ! 儂が息子を殺しただと? 冗談も休み休み言え!」
怒りに赤く染めた顔でトパンの懐へと飛び込むと、長身のトパンを下方から威嚇する。
その背後から安藤が肩を抑えて伍留に自制を促した。
「兄ちゃん、説明してくれ」
「あの晩、真千明さんから離婚することを聞いたあなたは家族の名誉を守る為に離婚を阻止しようと思い立ちました。あなたが描いた最初のシナリオはこうです。酒に酔った真千明さんは家で待ち構えていた犯人と格闘し、お互いが銃を撃ち合って真千明さんは死亡。犯人は真千明さんの遺体を井戸へと投げ入れると菜多里さんを誘拐し勝手口から去って行く──」
「でもそんなの菜多里さんが証言したらすぐに狂言だとばれますよ」
間髪入れずにトパンの推理の穴をニコが指摘する。
「そうなったらシナリオを修正すればいい。犯人と菜多里さんはグルだった、と。真千明さんが離婚を承諾したというのは真っ赤な嘘だったと言い張るのです。証拠は何もありません。息子の嫁が愛人と共謀して旦那を殺した。非常に解かりやすいシチュエーションですし、最初のはったりがあるからこそ、より信憑性が高く感じられる」
そう話しながらトパンはニコの背後へと回る。
「でもそれって──」
言い掛けたニコの口をトパンが片手で塞いで言葉を遮った。
「フッフッフッー!」
口を塞がれたままニコが抗議するもトパンは手を離した後、何事も無かったかのように元の立ち位置へと戻って行った。
「勿論、犯行自体はあなたじゃなくても行うことは出来ます。しかし、菜多里さんたちが離婚の話を持ち出した際に否定できる人間はあなたしかいない。つまり真千明さんを殺害したのはあなたなんです!」
トパンの断定した口調に皆が黙り込む。すると、その沈黙を破るかのように、伍留が堪えきれなくなったかのように笑いを洩らし、やがてそれは馬鹿笑いに変わった。
その笑いを観念したものだと解釈した巡査が伍留の元へと近づいて行き、手錠を掛ける為に彼の腕を捉えると、伍留は笑いながらその手を振りほどいた。
「待て待て待て。儂としたことが、携帯電話という物があることを忘れておったわ。普段使うことなどないからな。これに真千明の番号が登録されておる。試しに電話してみても問題ないだろ?」
おどけながらトパンへと許可を求めると、トパンも肩を竦めて同意を示した。
皆に聴こえるように通話口を離して発信する。暫しの呼び出し音がした後、電話は繋がった。
「もしもし、親父か? 何かあったのか?」
「なんでもない」
伍留はそれだけ言って電話を切った。
「どうじゃ?」
「確かに真千明の声に聴こえたな──」
安藤が感想を述べると巡査も頷いた。
「ではこの茶番劇は終わりということで、儂は仕事へ戻らせてもらう。家が滅茶苦茶になった理由はおおかた夫婦喧嘩だろうよ。後は真千明に訊いてくれ」
一方的に言い捨てると、伍留は食堂から出て行った。
「いいんですか?」
巡査が納得できないという表情を浮かべながらトパンへと問いかけた。
「勿論。これが目的だったからね」
「全く意味が判らん。兄ちゃんはずっと出鱈目を語ってたってことか?」
安藤も首を傾げながら答えを求めた。
「有瀬さんのあの推理にはそもそも二つの穴があったのです。一つ目は三発の銃声に触れていないこと、二つ目は──そもそも真千明さんを殺す必要がないことです」
「おお、さすがニコちゃん! 成長したねぇ」
パチパチパチと手を叩くトパン。
「やめて下さい。絶対馬鹿にしてますよね?」
ニコがトパンからの称賛を本気で拒絶する。
「まあ、確かにあの推理を披露した意図まで感じてくれれば完璧だったけどね。今回の事件解明の鍵は三発の銃声にあるんです。パンパンパンと銃声がしたのならば、銃は二つあったと考えるべきでしょう。三連発の銃なんてそんな簡単に手に入る物ではないですからね。そして銃が二つあったのならば、人も二人いたという訳です。そもそも、彼らもそう思わせるために二つの銃を立て続けに発射したのですから」
「彼らとは?」
巡査の問いに答えたのはニコだった。
「あなたの首の上に乗っているのはカボチャですか? 伍留親子に決まってるでしょう」
明らかに年下なニコに貶されて巡査が凹む。
「つまり何か? この家を破壊したのも彼らの仕業だと?」
安藤が呆れながら確認した。
「そうです。調べなければ断定はできませんが、おそらく何らかの物損保険には入っているでしょうね。真千明さんが死んだことにしたかったのも家族の名誉の問題だけではなく生命保険の受け取りが主たる目的でしょう。当然、井戸を浚っても遺体は発見されませんが、僕の予想では二挺の猟銃が見つかると思いますよ。どこかに隠しておけばリスクを背負い続ける事になりますが、犯行現場で発見されればどうとでも解釈されますからね。当然指紋など出てはこないでしょうが、状況証拠と併せて何らかの犯行があったと判断される可能性は高いです」
「あのいかにも人を引き擦りました的な削がれた雪の跡は猟銃なのですか?」
ニコが素朴な疑問を呈する。
「いや、あれはおそらく頭陀袋に雪を詰め込んで引っ張ったんだろうね。雪なら井戸の周辺にばら撒いても良し、井戸に投げ込んでも良しさ。残った頭陀袋は畳んで持ち運べるしね」
「しかし、おかしくはありませんか? 十一時十二分に伍留親子がここにいたのならば、帰りの靴跡も二人分あるはずです」
巡査の指摘を受けて、トパンはおどけながらゆっくりとバックステップを踏んだ。
「それが答えですか──」
嘆息しながらニコが首を振る。
「真実とは得てして滑稽な物さ。伍留爺さんが真千明さんを村から逃した手段だってそうさ。まさか息子さんのことを『山羊の乳』と呼んでるなんて、あの日の僕らには想像も付かなかったからね」
「山羊の乳? あっ! あの時か!」
伍留爺さんにたばかられたのを知って、安藤が悔しそうに地団駄を踏んだ。
つづく
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