第2話

tssoに出逢ったのは高校時代だな。

まだ携帯ゲーム機で双竜物語ってゲームだった。

ロングソードの男と双剣の女のキャラ固定で、HPや敵に合わせてキャラを変えるアクションゲームだったんだ。

で、双竜物語が家庭用ゲーム機に移行した時にtwinswordstoryって名前になってキャラメイクが出来るようになったんだよ。

澪を初めて作ったのはその時だな。

そのあと、容量の問題とオンラインを実装する為にパソコンゲームに移行したわけだ。

で、今度のバージョンアップは待望のVR対応だ。

このVRはイスに座ってコントローラーで遊ぶことも、別売りのモーションセンサー内蔵の武器型コントローラーでアクティブに遊ぶ事もできる。

俺は迷わず別売りのコントローラーを予約したけどね。

注意書きにある程度の広さが必要って書いてあったから、引っ越しまでしてしまったぜ。


えっ?オタクの度を超えてるって?

だから、最初から言ってるだろ?

オタクじゃ無いって(笑)


あっ、そろそろ帰らないと荷物が届いちまう。

帰り道、コンビニ寄って飯買わないと。


「課長、お先に失礼します。」


「高城君、お疲れ様。

申請していた来週の有休の件だが、通ったぞ。

一週間休むんだから、引き継ぎはちゃんとやっておいてくれよ。」


「ありがとうございます。

引き継ぎはちゃんとしておきますし、非常時は連絡貰えれば対応します。」


「悪いな、それは助かる。」


来週の有休はバージョンアップの次の日からだ。

えっ?何で次の日からだって?

バージョンアップするとバグやら何やらで、大体臨時メンテナンスが入る。

何もしないで一日潰してしまう可能性が高いから、次の日から休みにしたんだよ。


さて、飯は何にするかな。

コンビニの弁当コーナーを物色する。

有名店とのコラボ商品やら、期間限定など迷う事はあっても飽きることが無いのは有り難いなどと考えながら焼肉弁当を手に取る。

考えてる割にいつもの弁当って我ながら笑えるな。


弁当と2リットルの水、ビールとジャーキーを買って店を出る。


スマホを出して、チャットアプリを開いた。

相手を選ぶ、と言っても一覧には『澪』の一択だがな(笑)

「これから帰るよ。」と打つと、

すぐに「お疲れ様。」と返ってくる。

「15分位かな。」と打ち返すと、

「了解、待ってる。」と返ってきた。


えっ?一人暮らしじゃ無かったっけ?

そうだよ、一人暮らしだよ。

じや、誰が待ってるのかって?

後で紹介するよ。

って、言ってる間に着いたけどな。


俺の部屋の窓を見ると、明かりが付いている。

玄関の鍵を開けて中に入る。

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