オタクな俺にフラグが立った。ジャンル恋愛だと思ったら異世界転移でした。
koh
第1話
俺の名前は『高城陸斗_たかぎりくと_』今年三十一歳の健全な青年だ。
三十歳まで童貞だと賢者になれるらしいが、俺には資格がない。
何故なら今は居ないがそれなりに彼女も居たし、やる事はやってきたからな(笑)
なっ?健全な青年だろ(笑)
趣味はネトゲだが、オタクではない。
それなりに人付き合いもするぞ?
周りの奴らは俺の事を『リク』と呼ぶ。
「高城、今夜呑みに行かない?」
「悪いな、今夜は用事があるから今度な。」
「高城君、またご飯食べに行こうねー。」
「おう、旨いもん調べとくよ。」
「高城、お先。」
「新婚は良いな、まっすぐ帰れよ?」
えっ?誰ひとりとしてリクって呼ばないって?
あぁ、会社の中では呼ばれないな。
言い方が悪かったな、訂正するよ。
あくまでも、ネトゲの住人達限定だな(笑)
「リク、今夜はどうする?」
「今夜は海外から荷物が来るから無理だな。
接続とか、インストとか構築するのに時間がかかるし、暫くはスマホでパートナーのカスタマイズ位しか出来なそうだ。」
「おっ!とうとう来るのか。
落ち着いたら、行ってもいいか?」
「すぐには無理だぞ?
引っ越しの片付けも終わってない状態だからな。」
「お前も凄いよな。
ネトゲの為に引っ越しって、普通の人間なら引くぞ?
で、VRのグレードは何を買ったんだ?
スタンダードか?それともハイグレードモデルか?」
「どちらも違うな。
俺の買ったのはムーブセンサー対応のスペシャルエディションだ。」
「マジか?
あれ、三十万位するだろ?」
「おぅ!ボーナス全額突っ込んだぜ!」
「お前……
だから、彼女に振られたんだよ。」
「ちげーよ。
私とNPCとどちらが大事とか訳の分かんねー事言うからだよ。」
「NPCを取ったのか?」
「馬鹿か?
比べるのがおかしいって、説教したら出ていっただけだ。」
「暗にNPCって言ったんだろ?」
「言わねーって。
言ったとしたら、澪と何年一緒に居ると思ってんだって言っただけだよ。」
「やっぱり選んでんじゃねーか。
ま、お前のNPC…澪だっけ?
あれは凄いもんな。
ふつーはあそこまで拘らねーぞ?」
「澪とは大学入る前だから、十年以上カスタマイズし続けてるからな。」
「お前も飽きないな。」
「飽きねーよ、今度のバージョンアップで新しいパッチが販売されるから更に拘るぜ。」
「じや、部屋が片付いたらチャットくれよ。
何時でもルームに居るからな。」
「片付いたらな。」
「先に帰るぞ。」
「おぅ、ヤノマンおつかれ。」
長話してしまって悪いな。
あいつは矢野将司って同僚だ。
ヤノマンってネームで、同じネトゲをやってる仲間なんだよ。
で、話の途中だったな。
俺がやってるネトゲはtwinswordstoryonline
略してTSSOって言うんだ。
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