ひさしぶり
美空にいってらっしゃいをしてから二度目の夏。
確実に730回以上は、泣いた。
どんなに泣こうと、美空からの連絡は無い。
何度も空のトーク画面を見つめ、考え続けた。
日課のように泣き続けていた、ある夜。
美空の事を考えながら、寝具に横たわる。
頭の少し上の窓から見える、濁った星に目を
美しい空だと単に思った。
そんな事を考え、一人で微笑んでいると、手元の携帯が震えた。
それさえ、二年ぶりだった。
その感触が心地よくて、ずっと震え続ければいいと思った。
誰かから連絡が来る事が一切無かった。
美空が引越したあの日の夜。
日を
毎日、学校から帰ると、真っ先に携帯を確認した。
美空から連絡が来てないか、「ひさしぶり」って連絡してこないか。
でも、毎回、何にもきてなくて。
宣伝の通知に何度、間違え心を弾ませたか。
丸い月が輝き、俺の丸い目も輝いた。
何の音もしない、まるで、朝の教室の様な俺の部屋にただ一つ音がした。
それは、美しく、尊かった
通知欄に書いてあったのは、『ミソラ』。
その光景は、星が煌めく夜空よりも美しく思えた。
懐かしく、珍しいその光景に
俺は、ハッと目を覚まし、美空とのトーク画面を開く。
そこには、長々しい文章はなく、短い言葉がただポツンと二年前の『じゃあね』という言葉の下に並んでいた。
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