第2話 HELP!!!!!
菜美に縛られて.....三時間後。
夕方だったから夜になっちまった。
俺は、とりま解放されたが。
しかし手首がかなり痛い.....口の中がおぞましい状況だ。
盛大に溜息を吐きながら俺は.....菜美の部屋のドアを見る。
因みに俺達の両親は帰りが遅いから助かったが.....にしても地獄の門か此処は。
思いながら.....扱いが雑すぎる事にもちょっとムカつきながらも。
少しだけ嬉しかったのも有って盛大に溜息をまた吐いてその場を後にした。
もうゴメンだぞマジに。
☆
でも座らされて縛られてキツかったが楽しかった。
マゾじゃ無いぞ。
ただ.....義妹に頼られているのが嬉しかった。
俺はこれまで.....義妹に頼られた事が余り無かったのだ。
どんな様でも、だ。
思いながら俺は.....親友の飯草祭(イイグサマツリ)と話す。
男友達の俺の唯一の親友の野郎だ。
勿論、義妹の秘密を隠しながら話す。
『へぇ。良かったじゃねーか?義妹ちゃんに頼られて』
「.....だろ。俺も嬉しかった」
祭、コイツの髪の毛は金髪に染めらている。
金髪に染められて不良の様に眉毛が無い。
まあとは言え不良なんだけど。
とある事がきっかけで友人になった。
そんな祭とテレビ電話をする中。
祭が言った。
『お前.....本当に嬉しそうだな』
「.....ああ。冗談抜きで嬉しかった。うん」
『お前の.....その顔を見ると俺も安心だぜ。お前、精神不安定だからな』
「.....有難うよ。祭」
おうとも、お前はかけがえの無いダチだからな。
そう笑顔で言うと。
祭はテレビ電話の先の扉の外から呼ばれた。
おう、と返事して祭はこっちに向けて言う。
義妹の七色ちゃんだな、今の声は。
コイツの妹だ。
『じゃあまた明日な。学校で』
「おう。お前も遅刻すんじゃねーぞ」
『....ったりめぇよ。以前のダチと連んでた時も有るし。俺は一切、遅刻出来んしな。これ以上は留年だ』
「分かってんなら良いや。.....じゃあな」
おう、と切った。
俺はその事に、フウ、と溜息を溢す。
祭は良い奴なんだけど.....少し話をすると疲れる。
それも配慮してくれるんだけど.....元不良だし.....なんか警戒しちまう。
「.....」
祭は一年前に不良達の闘争の中で俺が助けた。
他の不良にボコられて.....気絶していた祭を運んだのだ。
それで.....傷が治ってから友達になったのだ。
俺の教室に祭が攻め込んできた時は.....本当に何事かと思った。
でもそれは.....俺を探す為だったのだ。
「.....懐かしい記憶だ」
和かに思いながら.....俺は背後を見る。
ライトノベル的な本でも読もうかと思ったのだ.....が。
う.....ウァ!!!!?
「和彦♪」
「何やってんだお前!驚かすな!ってか勝手に部屋に入るな!」
目の前に何故か.....菜美が立っていた。
ビックリし過ぎてひっくり返るかと思ったじゃねーか!
思いながら菜美を見る。
コイツ、自分の部屋と思ってないか!?俺の部屋を!
「誰と話してたの?」
「何だよ。それお前に言う必要.....有るのか?」
「.....別に。話したく無いなら良いけど」
「.....じゃあ聞くなよ.....」
どっちなんだよ。
考えながら俺は手を額に添える。
すると.....菜美はムッとしながらも。
少しだけモジモジしながら話した。
「.....その。有難う。絵に協力してくれて」
「.....ああ。まぁ良いけど.....その代わりに教えてくれ。.....お前.....どんなライトノベルの絵を描いているんだ?」
「.....私?私は.....例えば伝統文庫の.....1000万部越えの小説の絵とか。所謂.....俺はお前と会うべきでは無かったの絵とか」
「.....ファ!?」
何だって?マジで.....と俺は思いながらスマホで調べる。
確かに.....そのライトノベルの絵を描いているのが美少女では無いかと噂になっているサイトとかが有るが.....そんな馬鹿な!?
コイツだったのか!?
「.....そらき、さんっていう、今は婚約して小説を書いてないけどライトノベルを書いていた人の絵を描いているイラストレーターの人とも会った事、有るよ」
「.....そらき.....って伝統文庫のあの美少女作家とされた!?.....凄いなお前!?」
コイツマジで何なんだ一体!?
じゃあ相当に稼いでいるんじゃ無いか!?
唖然としながら.....菜美を見る。
菜美は.....そんなに凄いかな、と言う。
いやスゲェよ!?
「.....お前。.....分って無いかもだけどさ、それは才能だよ。一種の」
「.....そうかな」
「お前を尊敬する。有る意味」
ペンネーム、夢羽(ユメハ)。
噂で美少女イラストレーターとされた.....それが.....コイツなのか。
結構色々な小説にアクセントを加えるとても有名なイラストレーターの一人だ。
俺は.....そんなイラストレーターが義妹だった事に.....感心した。
「.....でもその、和彦、本当に凄いって思う?」
「.....思う。俺はお前が凄いと。頑張らないとそこまでいけないだろ普通は」
「.....そう.....だね。有難う。和彦」
俺は笑みを浮かべて.....菜美を見る。
しかし.....何だか複雑なんだが。
何がって.....俺の裸がモデルになったのが.....ラノベの挿絵になるって.....うん。
かなり.....その微妙だがまぁ良いや。
コイツが満足しているなら。
「で、和彦。また.....その、モデルになって欲しいだけど」
「え.....何で?.....嫌です」
「.....何で?」
「.....いや、何でって.....お前、エグい事を.....する.....ハッ!」
菜美の目から和かながらハイライトが消えた。
俺は青ざめながら.....菜美を見る。
な、菜美さん?
菜美は震えて俺を見ていた。
ニコッと笑む。
「誘拐しようか?それとも監禁?どっちが良い.....?」
「助けて!」
俺は椅子から飛び降りる様にして駆け出す。
取り敢えずコイツはヤバイ!
と思いながら背後を見ると、菜美はチキチキとカッターを取り出していた。
コイツマジヤバイゾ!
「お前!ちょ、反則だろ!」
「.....待って.....?和彦.....?」
「いやぁ!助けてくれぇ!!!!!」
目が死んでるからな!
ってかこれ普通は逆だろ!
殺される!マジに!
このままではホ、ホルマリン漬けにされるぅ!
助けてくれぇ!
こんな義妹は嫌だ!!!!!
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