イラストレーター義妹と.....? 〜ヤンデレの義妹と仲間〜

アキノリ@pokkey11.1

第一章 変態の義妹

第1話 脅威が迫る時

何故俺は義妹の菜美の変貌に今の今まで気が付かなかったのだ。

後悔+後悔=後悔に浸りながら.....俺は囚われている身体を必死に動かす。

パンツ一枚の素っ裸で義妹に強く縛られている為にあまり抵抗にならないが.....!


目の前の.....義妹の菜美は縛られている俺を見下しながら椅子に腰掛けている。

そして.....ボブの黒髪を揺らしながら.....整った顔立ちを歪めつつ。

俺をモデル?にしてイラストを描いていた。


コイツ、何だろうか。

マジでヤバイ様な気がする。

そんな菜美は俺に対してニコッとした。

悪魔か魔王かコイツ。


「私の絵の犠牲になってね」


「.....くう.....お前の.....変態力に付き合うつもりは.....!」


と思っていると。

俺の口の中に煮干しと梅干しを同時に突っ込まれた。

余りの不味さに短い悲鳴を上げる。

それを義妹はハイライトを消した目でニタニタしながら見てくる。

俺の苦手食材でなんて事を.....!


パンツ一丁の俺は.....菜美を涙目で睨みながら悶える。

その様子ですら快楽の様だった。

この変態!悪魔!クズ!

思いながら口をオエオエ言わせる。


「お兄ちゃん。貴方に拒否権は無いよ」


「お前!こんな事をして.....ただで済むと思うな!」


「何?私に暴言を吐くの?また突っ込まれたい?」


「クァ!」


ヤバイぞこれ.....まさか.....菜美がこんなだとは.....。

思いながら俺は後ろ手で紐を必死に解こうとする。

だが、目の前の美少女はそれに気が付いた様に縛り直す。

そして俺の顎を撫でた。


「お兄ちゃん.....煮干しが食べたいみたいだね。はい」


「ご、グァ!」


まるで地獄の門を叩いた気分だ。

って言うか、誰かマジで助けてくれ。

思いつつ俺は地獄を味わいながら。

目の前のライトノベル挿絵の有名イラストレーターを睨んだ。

こ、このクソッタレ.....美少女め!



その事態に陥ったのは今から二時間前の話だったと思う。

4月21日。

俺、南井和彦(ミナイカズヒコ)は学校から帰って来た。

高校二年生、17歳、黒髪の短髪に眼鏡で、身長173センチで、鼻の横に黒子がちょこんと有る。


まあ何処にでもいる平凡学生だがそれが俺だ。

俺は周りを見渡して、母さんの遺影に手を合わせてから。

ドリンクを飲んで、ソファに腰掛けた。


「.....母さん.....」


今でも涙が出る。

南井洋子(ミナイヨウコ)、享年43歳。

大動脈解離で即死した。

あっという間の死亡に.....当時、幼い小学生の俺は.....死んでないものと思いながら動かない母さんに縋る事しか出来ずに居た。


本当にあっという間の光景で。

それまで有った平凡が全部崩れ去ったのだ。

突然、倒れた母さんの事は.....今でも忘れない。

俺は.....母さんの思いを引き継いで、父さんと二人三脚で今に至っている。

でもやっぱり涙が出るのだ。


「.....寂しいんだよな.....」


高校二年生にもなって.....泣くなんてな。

でも本当に寂しいんだ。

ただひたすらに.....悲しいんだ。

だから.....俺はもう二度と笑えないと思っていた。


だけどある日、父親の南井和夫(ミナイカズオ)が再婚して。

明るい山佐裕子(ヤマサユウコ)さんと.....俺を嫌う義妹。

その二人がやって来て、運命は変わった。

当初、俺は義妹が嫌いで仕方が無かったのだが。


父さんと裕子さんが色々やってくれたお陰で.....それなりの仲にはなった。

だけどまだ.....義妹の菜美とは余り仲良く無い。

だから微妙な歩幅だ。


多分、思春期で俺と一緒だからだと思う。

でもきっと.....いつかは仲良くなれる。

思いながら菜美に接している。


「.....母さん。俺.....頑張るよ」


思いつつ、勉強しようと鞄を開けた。

そして.....横の教科書のポケットの間に何か入っている事に気が付いた。

そういや今日は勉強が忙しくて鞄の中をあまり見てないな。

大きな封筒の様なものが入っているが.....。

入れた覚えが無いんだが。


「.....何だこれ?」


思いながら俺はそれを取り出す。

そして.....その封筒を開けてみる。

そこには.....え?

え.....え?


「.....何だこれは!!!!?」


猛烈なエッチな絵が入っていた。

とは言え、ハイレグの様な.....その、言い辛いんだが、所謂、Tバッグを履いている様な素っ裸に近い女の子の絵。


ってかちょっと待て!?

俺はこんな物を入れた覚えは無い!!!!!

何だこれは!?俺の友人が入れた!?

まさか!?


「いやいやいや、マジに誰の持ち物だ!?何だこれ!?」


その原画?の様な絵には番号が綴られている。

俺は、!?!?、を浮かべながらその絵の束を捲る。

しかしかなり上手い絵だ。

相当にエッチだが。


「.....でもこれ誰のだよ?俺はこんな.....」


と思っていると。

玄関が開いて、ただいまーと声がした。

俺は大慌てでその絵を隠す。

ソファの下に、だ。

こんな絵を義妹に見られたらそれこそこれまで積み上げた物が全部パーじゃねぇか!!!!!


『うわ。キモい.....おぞましい』


「想像したくないッ!」


幻滅した様な目。

口調、ドン引きの顔。

勘弁してくれ.....と言うか俺はそんな義妹の顔は見たく無いッ。

思いながら.....ソファの下に必死に隠す。


ガチャッ


「.....何やってんの?アンタ」


「.....いや、何でも無い。あはは」


「.....ハァ?.....まぁ良いけど」


冷蔵庫を開けて、麦茶を飲む菜美。

マジで冗談じゃ無い。

あの絵は.....焼却処分でもしないと!

思いながら.....居ると。

悲しげな顔を菜美は浮かべていた。


「.....どうしたんだ?」


「.....どうもしてない。無くし物が見つからないだけ」


「.....へ?」


俺にその様に切り捨てる様に言葉を吐きながら。

辺りを見渡す、菜美。

そしてまた盛大に溜息を吐く。

それからソファの近くに鞄を置いた菜美。

俺は心臓をバクバクさせながらそれを見ていた。


そう言えば菜美は俺と同じ高校に通っている。

でも滅多に話したりはしないけどな。

鞄もそっくりだ。


「.....」


「.....」


居心地が悪い。

珍しく菜美が麦茶の入ったコップを持って.....直ぐに二階に上がらない。

何時もなら直ぐに二階に勉強する為に上がる癖に.....!

俺は.....菜美を見ながら真正面を見て目線を動かしてソファの下をチラ見した。

勘弁してくれ、何で今日に限ってコイツは.....。


「ねぇ」


「.....は、はい!」


突然、菜美が話し掛けて来た。

俺はヒャイ!みたいな裏声の様に声を出す。

すると菜美は嫌悪感を露わにした。


「何その反応?キモいんだけど.....」


「.....いや、お前こそ何だ。珍しく俺に話すとか」


明日は大嵐にでもなるのか?

見ると菜美は少しだけモジモジしながら俺に向いた。

それから.....言葉を発する。

本当に困った様子で、だ。


「.....私、学校に行く前からちょっととある探し物をしているんだけど。仕事道具とか.....アンタ知らない?」


「.....仕事道具?.....何だそれ?」


「.....ああ、やっぱり良い。私が悪かった」


立ち上がってハァと息を吐いて歩き出す菜美。

意味が分からん。


と思っていると、菜美がフラついて倒れそうになった。

俺は驚愕して菜美をコップを倒して直ぐに支える。

ちょ、ちょ、何だ!?


「菜美!どうした!」


「.....う、うん。最近、寝不足で貧血気味なの。ごめん」


俺はその言葉に.....母さんを重ねてしまい。

ついキッとしてから。

大声で叫んでしまった。


「この大バッカ野郎!」


「.....!?」


「.....お前まで.....俺を殺す気か!!!!?頼む.....身体の管理ぐらいしっかりしてくれよマジで.....」


「.....」


本当に.....また.....泣かせる気かコイツは。

俺をまた寂しい思いにさせたら許さない。

思いながら.....俺はただただ涙を浮かべた。

母さんの二の舞なんてごめんだからな。

思いながら葬儀会場を思い出しつつ.....菜美を見る。


「.....アンタ.....ん.....?」


複雑な思いを抱きながら菜美を床に寝かせていると。

ソファの下を見て?を浮かべた様だ。

そして手を伸ばしてひっぱりだs.....オイィ!!!!!

俺は慌てたが。


全てが遅かった。

一気に袋を開ける、菜美。

だがこの事に.....菜美は目をパチクリしていた。

予想外の反応に俺は?を浮かべる。


「.....あ、これ.....あれ!?何でこの場所に.....」


「.....え?お前.....その.....それ知ってんのか?」


「.....え?あ、し、知らないわよ!?こんなエッチな!!!!!」


紅潮しながらその紙の袋を持って駆け出す菜美。

いやいや!!!!?その袋の中は!!!!!と思いながら追う。

だがその途中で、はた、として俺は思い出す。


確か、菜美は今日の朝から探し物をしていたと.....言っていたよな?

俺の頭の中に有る、バラバラのジグソーパズルの様な考えのピースが俺の頭の中で嵌め込まれていく。

そしてハッとして一気に青ざめた。


ま、まさか?

鞄に間違えてあの絵を入れた?

そして.....探し物はあのエッチな絵?

それから.....仕事ってまさか.....イラストレーター?

それもエッチな絵の.....?!


「お前!どういう仕事をしてんだ!?もしかして闇の仕事じゃねーだろうな!」


「.....し、知らない!.....ってか何でこの存在を知ってんの!?」


「.....う.....ってかそれは良い!.....あのな!そのエッチな絵を見てもお前が動揺しないのはおかしいだろ!」


ハッとしている菜美を追い掛け回す俺。

この光景、人が見たら何て言うだろうか.....。

エッチな絵を持っている高校生を追う高校生.....思いながら居ると。

菜美がいきなり二階で立ち止まった。


「.....じゃあ.....あ、もう隠す必要は無いんだ」


「.....え?」


俺は目をパチクリした。

そしてニコッとして振り返る手にスタンガンらしき物がにぎら.....え?

俺はハッとする。

そのまま俺はスタンガンで気絶した。

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