「バースとチェリーコード、か」


 男は独りごち、煙草に火をつけた。

 噂に聞いた話では、バースという男は化け物じみたバーサーカーらしい。並外れた攻撃力を持ち、遠距離から正確に狙撃してくるのだという。

 一度もターゲットを仕留め損なったことがないんだってな。ふん、死ぬことを怖れてヒットマンスタイルでいくとは、バーサーカーの風上にも置けない野郎だ。

 煙を吐き出し、先端から灰が落ちる。

 俺は死を怖れない。殺される前に殺しちまえばいい。だが、体力が少ない分、長時間の戦闘はできない。だから、俺が表世界で無双することはなかった。

 気に食わないバーサーカーと役に立ちそうなヒーラー。男にとって、このパーティーを潰す理由としては十分だった。


「くくくっ……近いうちに会おうぜ、バース!」

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