ランク入り
依頼を遂行しギルドの屋上からロビーへと下りると、射撃訓練場の教官が待っていた。
「ターゲットを仕留めたようだな、見事だ。いや、先日はすまないことをした。お前がバーサーカーだと知らなくてな」
「気にしないでください。それより、依頼を紹介していただいてありがとうございました」
「何、礼には及ばない。そういえば、自己紹介がまだだったな。私はベアトリーゼ。お前はバースだったか。相方のチェリーコードに教えてもらった」
俺とベアトリーゼは握手を交わした。その手は女のものとは思えないほど力強く、気を抜いたら握り潰されてしまいそうだった。
「さて、早速本題に入ろう。私がここでお前たちを待っていたのは他でもない。お前たちを正式なランク入りに推薦するためだ」
言い終わらないうちに舞い上がったのはチェリーコード。
「本当ですか!?」
「ああ、本当だ。私の目に狂いはない。お前たちはこれから化ける――そんな予感がするのだ」
正式なランク入り――響きはいいが、いまいちぴんとこない。
「バース、やったわよ! これでトップランクの仲間入りに大きく前進できるわ!」
「依頼をこなしていけばトップランクに近付くものじゃないのか?」
「もちろん成果を上げていけばランク入りはできる。だが、それでは時間がかかりすぎる。この世界にランク入りを目指している人間は掃いて捨てるほどいる。つまり、競争率が高いということだ」
「なるほど。それは願ってもない提案ですね」
「どうだ、受けてくれるか?」
「もちろんです」
この日を境に、俺たちの名はシェスティーナの街にも広まることになった。
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