第2話 “ハンター”

武器を購入するため部屋を出て数分歩く。求める武器は街のあちこちで売られている。

一軒のマーケットに入った。深夜も営業している店はここしかない。

非常に強力な武器ではあるが、なんの規制もなく商品棚に並べられている。種類も豊富にあるのだが、その中の一つ“ハンター”と呼ばれる武器を選択した。

射程距離こそ“ジェット”という武器には及ばないが“ハンター”の攻撃力は高い。俺は“ハンター”と在庫のなくなったエールを手にとり店員の元へむかった。


「コチラヘドウゾ」


他にも客はいたが、俺は店員に誘われるままにカウンターの前に立った。

この辺りでは見かけない浅黒い肌の店員はダークエルフと呼ばれる種族だろうか。

強力な武器にも関わらず何の審査もなく購入ができる。


「あぁ、すまない。四十七番を一つもらえないか?」


「ヨンジュウ……」


「七だ」


やはりダークエルフなのだろう。こちらの言葉を理解できていない。違う種類を手に取ろうとしている。


「いや、七番ではない。よんじゅうなな番だ」


何度かのやり直しの後、目当ての四十七番を手に入れる。

四十七番は武器などの類いではない。マジックポーションの効果がある薬だ。ヤツらとの闘いで消費したメンタルを一時的に回復することができる。

俺はダークエルフの店員に幾らかの金を握らせ店を後にした。

行きと同じように数分歩いて部屋へと戻る。部屋に戻るなり“ハンター”を装備して、先程までヤツが居た壁際を見やる。


俺は愕然とした。


先程までヤツが居た場所にはすでに何もないのだ。居なくなって助かったなどとは思わない。むしろ、絶体絶命の危機といってもいい。これがヤツらの手なのだ。

見失ったことにより、俺のメンタルは一気に消費されるが、一度見つけたヤツらを野放しにて寝込みを襲われるようなことがあれば、それは死を意味する。


「絶対に倒してやる!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る