第2話
古ぼけたカメラを手に取り、遠くに車を走らせる。
自宅から1時間ほど、鬱蒼としているがどこか良い雰囲気の森に辿り着く。
森の手前にある、広い空き地に車を停め、森の中へ入ってゆく。
日光はかなり遮られ、昼なのに辺りは暗い。
何度も訪れているが、木の名前も、今さえずっている鳥の名前もわからない。
調べる気も無い。
特にこれといった目的も無く、ここを訪れているのだ。
しばらく歩いてゆくと、ほんの少しだけ光が差す、開けたところに出た。
中央には湖があり、水面は鏡のように綺麗に光を反射する。
俺は、この幻想的な空気感がとても好きだ。
湖のほとりは、うっすらと草が広がっている。
寝転がり、瞳をとじてしばらくぼーっとしてみる。
森の中はいつ来ても涼しく、外界の季節すら忘れさせてくれる。
陽が体に当たりつつ、眠気を感じ始めた頃にようやく"彼女"は俺の隣に寝転がって来た。
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