ミドルフェイズ:RHOシーンPC1「失った日」
GM:時刻は深夜、キミはリビングからの物音で目を覚ます。家族はもうとっくに眠っているはずなのに、一体何があったのだろうか。キミはなんのきなしにリビングへと向かっていく。
扉を開いた先に広がっていたのは、朱。一面に血が飛び散り、嗅いだこともない血生臭さでリビングは埋め尽くされていた
香凜:「え……?」突然目の前に広がった現実離れした光景に脳が追い付かなくなる
「……パパ? ママ? ……お姉ちゃん?」
GM:家族の名前を呼びながら足を踏み入れる。床に、見覚えのある服を着た誰かが倒れている。手足が欠けていたり、原型を留めていないものもある。キミはそれが父親で 母親で 姉だったものであることに気がついてしまうだろう
香凜:「うそ……なん、で……」
血だまりに膝をつき、意味もなく残骸を拾い上げてはあるはずの熱を感じようとする。しかし、家族だったものの残骸は、ただ冷たさだけを香凜に伝搬する
GM:キミは背後に人の気配を感じる。家族は全員目の前に"ある"。家族でないなら…この惨状の元凶に違いない
香凜:復讐心も湧き出る余裕もないが、ただ反射的に振り返るかな
GM:そこには全身を鉄の鎧で覆った男が立っていた。彼はキミを見定めるように見つめ、口を開く。
ナイトフェンサー:「レネゲイドの適正は十分の様だな。年齢も容姿も条件を満たしている。無駄足にならなくて安心だよ。私はナイトフェンサー。君の全てを奪い、代わりに新しい人生を与えに来た。尤も…君には断る事も選ぶ事も出来はしないがね」
GM:彼が淡々とそう述べた後、彼の指先から電撃が奔る。キミはそれに為す術無く、体の自由を奪われる。
床に倒れたキミは血に濡れたカーペットの不快な感触と、目の前に転がる絶望に染まった姉の骸を目にし、意識を失う。
香凜:「ぁ……」
意識を手放す前に見てしまった姉の死に顔がまぶたの裏に焼き付いちゃうかな……
GM:キミは無機質な建物で目を覚ます。この日からキミの世界から色は消えてしまった。
食べ物と呼べないような何かを飲み込み、薬を打たれ、気を失うまで訓練と言う名の拷問を繰り返す。そんな地獄のような日々を送っていたキミの独房じみた部屋にセルリーダーのストーングレイヴが訪れる。
ストーングレイヴ:「よぉクソガキ。いい面してんな。…空っぽの目だ。まぁ喜べよ。お前に任務だ。…成功したらなんでも好きなもんをくれてやるよ。別の任務でもいいぜ? それとも…もとの生活に戻りてぇか?」
香凜:「……を」もう叶わないとわかっていても
「……みんな、を」もう戻れないとわかっていても
「パパと、ママと……お姉ちゃんを」もう手遅れだとわかっていても
「……かえ、して」それしか、願うことはできなかった
GM:ストーングレイヴは少し硬直した後、腹を抱えて笑う。
ストーングレイヴ:「あぁいいぜ。ありえないと思ってるかもしれねぇが」
GM:彼はそう言いながらキミの腕を叩き折る。激痛の後、その腕は再生を始める
ストーングレイヴ:「普通は腕が一瞬でくっついたりはしねぇんだ。死人がよみがえるなんざわけねぇ。だが高く付くぜ? 任務を完璧にこなしてもらわねぇとなぁ?」
GM:キミの前に紙束が投げ捨てられる。任務の内容だろう。
ストーングレイヴ:「今からお前をUGNって糞の溜まり場に放り込む。お前はそこでいい子ちゃんの振りしてろ。合図したらすぐに連中の背中を刺せるくらいにな」
GM:ストーングレイヴはそう言い指を鳴らす。するとナイトフェンサーがストーングレイヴの傍に現れ、キミの前に立つ
ナイトフェンサー:「任務を受けるか? それとも…」
香凜:紙束を握りしめながら、肩を震わせながらうなづくでもなくうつむいてるかな
最後に残った心が、誰かを欺き、手にかけることを拒んでいるかのように
ナイトフェンサー:「だが我々もお前に他者を謀るのが難しいことくらいはわかる。だから…手助けをしてやろう」
GM:彼はそう言うとキミに黒い石の欠片を手渡す
ナイトフェンサー:「これを飲め。上手く行けば…そうだな、頼りになる友が出来るだろう」
香凜:手の中で鈍く輝く石を、力なく見つめる。その奥に潜むなにかが、自分を覗き見ているように感じる。
きっと、これを飲み込んでしまえば──もう後には退けなくなる。……でも、だとしても。誰かを欺くことになっても、誰かを傷つけることになっても、もう、自分に残されたものは……
「取り返せるん、だよね……?」
手の平の輝きに問いかける。黒い光、白き闇の奥に潜む"誰か"が、うなずいたように見えて
私は──その石を、飲み込んだ
GM:そうしてキミは紫藤市へと送り込まれた。UGNチルドレンとして、紫藤支部の皆を欺く装置として。
初めて支部を訪れたキミは、タイミングを誤ったクラッカーに出迎えられる そこでキミが出会ったのは 姉によく似た一人の少女だった
香凜:その人を見た時、胸が高鳴った。周りの喧騒が遠くかき消えて、その人しか見えなくなった 自分が求めたものが、こんなところにあったと、そう、錯覚してしまった。
自分でも気づかないうちに、体はその人の下へと駆けていて──
彼女の胸に飛び込んで改めて、あの時と同じぬくもりに包まれたようで──
GM:そこでホワイトアウト 場面は元の場所に戻る
GM:晶は目を閉じ、腕を組みながら聞いてる感じですね
グランギニョール:「と、まぁこんな所だけれど。聞きたいことは聞けたかしら?」
香凜……とは別の人格だというその少女?は、重苦しい空気を意に介さずに見下すような笑みを浮かべるかな
昴:「……お……お前……ッ!」
その表情に反応して詰め寄り左手でカリンちゃんの胸倉を掴み上げます 今までパイセン絶対に二人に手上げたことはなかったと思うんですけどね
GM:香凜は地面につま先が着くかどうかというくらいまで浮くかな
グランギニョール:「っ……あらあら、可愛い後輩に対してその態度?」
持ち上げられた際に少し顔をしかめながらも、煽り倒す
昴:かわいい後輩、に対して思わず右の拳を振り上げかけますが……拳を作ったまま動けなくなります
顔面付き合わせたままギリギリ奥歯かみしめて
「……クソッ……!」乱暴に手を放して下ろすよ
グランギニョール:ボスッとソファーに落ちながら面倒くさそうな顔して服を払う
「ずっと見てたわよ? あなたたちの友達ごっこ。 可愛い後輩だからって騙されちゃって、ホント馬鹿よねぇ? たったそれっぽっちの絆で、この子の事を分かったつもりでいて、結局何も見えていなかったんじゃない」
終始嫌な笑みを浮かべていたけれど、最後は少し別の想いを含んだような真面目な顔で言葉をぶつける
昴:どうにか感情を鎮めようとしていたが、今のカリンちゃんの発言を受けて跳ね上がるように顔をあげて 「かわいい後輩」に向かって、手を──
昴:このままだと香凜ちゃん殴るけどどうする? 止める?
香凜:殴って求められても美味しい
羽衣:間に入ってもいいんですけど、そのあと続けるのにまた時間かかりそう……
香凜:どのルートも見てみた過ぎる
羽衣:違うんです、殴るのは止めたいんです
GM:何で止める?
羽衣:えっ なにで なにで? えっと、割って入るから身体で?
多分香凛ちゃんをかばうように入るんだろうなぁと思いました まる
GM:当たっちゃうかどうか……何かで判定しようか?
香凜:<知覚>っぽい?
GM:じゃあ達成値は4で……
羽衣:振り下ろそうとしたところに入って、その手を止めます。止めきれなくても。咄嗟に、無意識に身体が動いて。香凛ちゃんを抱きしめるように。
昴:羽衣ちゃんにあたるかどうか判定(感覚)(ころころ→6)
GM:羽衣にあたっちゃうね…
昴:ではその怒りに任せたままの拳が、カリンちゃんの盾になった羽衣ちゃんに当たります 咄嗟にはっとなって止めようとはしただろうが、感情的になっていたのでほとんど威力そのままですね
GM:では拳が当たる寸前、羽衣の身体が薄い結晶につつまれる。
晶がエフェクトを使用したらしい… 晶は羽衣が飛び出したことに驚きつつって感じ
昴:「あ……」結晶に阻まれたものの、感情的になるあまり羽衣changが割って入ったのに気づかなかった 晶が止めなければ、間違いなく彼女を殴っていたという事実に茫然とします
羽衣:痛みは来てるだろうから、「あうっ……」って小さく声をあげます
昴:わなわなしながら力なく腕を下ろし、一歩後ずさります
結塚晶:「羽衣、お前…」と言って羽衣を見つめる
羽衣:「すみません……でも、傷つけてほしくなくて。先輩が考えていることも、分かるんですけど、でも、……香凛ちゃんなんです、この子は。何があっても。何を考えていたとしても」
弱々しく微笑みながら先輩に言って、それから香凛ちゃんの方に向き直ります
「……つらかったよね、不安だったよね」そう、抱きしめたまま
「ずっと、たったひとりで……ふたりでかな、頑張ってたんだもんね。……ごめんね、力になれなくて」
グランギニョール:その言葉に、彼女はそっと目を閉じて
「……なら、これからは努力しなさい。やれるものならだけれど」
と、そっと羽衣ちゃんに囁いて
「……はぁ。ま、この程度か。それじゃ、よろしく頼むわね?
この子に死なれたら困るもの。私もそいつも」
一行:「おや、もう引っ込んでしまうのですか? 私としてはこれからお話がしたかったのですが」
グランギニョール:「あら、聞くだけなら聞いてあげるけれど」
一行:「どちらかと言うと我々が貴女に聞きたいのですがね。まぁ、そんなに長々と聞いても困るでしょう。2点だけ。何故私たちに話したのですか? そして、貴女はどうしたいですか? 後者は後ほど"ロンギヌス"にも聞きますがね」
それは尋問と呼べる程のものではなく
グランギニョール:「──そうね」その言葉に、笑みを消し去って
「私はこの任務のためだけにここにいる。そういうことよ」
それだけ言って、有無も言わせず意識の底に潜るかな
一行:「やれやれ。きちんと話さなければ通じませんよ?」
結塚晶:「口の減らないやつだな」ため息をつく。バツの悪そうな顔をする…
昴:先の一件の後は床に座り込んで渋い表情のままうつむいてるよ
香凜:「ん……っ」
再び目を開いた時には、いつもの香凜ちゃんの雰囲気になってますね
「せん、ぱい……?」
羽衣ちゃんに抱きしめられてることに気付いて、すこし顔を赤らめるかな
羽衣:「おはよう、香凛ちゃん。……あれ、"おはよう"はおかしかったかな」
いつもと変わらない様子で、にこりと。
香凜:「えっ、と……」なにが起きたのか、と戸惑いながら周りを見渡して
「その……あいつが、何かしたんですか……?」
一行:「えぇ。"グランギニョール"と名乗る彼女から全て話は聞きました」
結塚晶:「勝手に全部…言いたいだけ言って…まったくあいつは」
一行:「その様子を見ると彼女が表に出ている間の記憶は無い、ということですかな?」
香凜:ばつの悪そうに、目を伏せながら
「……いえ、いま目覚めたってだけです。あいつとは……共有はできるので」
一行:「ふむ、なるほど。わかりました。では先程、彼女にも聞いたのですがはぐらかされてしまいましてね……1つ大事なことを聞きますよ。"ロンギヌス"。これから貴女はどうしたいですか?」
香凜:「っ……私、は……」
一行:「あなたが"ストーングレイブ"に命じられてここに来たことは既に知っています。あなたがスパイ活動をしていたことも既に知っています。そのうえで聞きます。どうしたいですか?」
香凜:「私は……」肩を震わせながら声に出そうとして、何度か思いとどまるように口を閉じたり開いたりを繰り返す
「……みんなに、会いたい。パパとママと、お姉ちゃんに……会いたかった。でも……でもっ……もう、みんなには──だから、せんぱいだけでも、って……だから、その……」
目を泳がせながら、目じりから涙を滲ませながら、抑えていた気持ちを吐き出す
羽衣:"大丈夫だよ、言えるよ"と背中をさすって。
結塚晶:「周りをしっかり見ろ香凜。お前には何が見えている?」穏やかな声色で
香凜:「っ……でも、だって……! 私にできるのは、せんぱいを守ることだけだからっ! それだって、できるかもわからないのにっ……。他の人を騙して、差し向けて、犠牲にして……そうでもしないと、たった一人の大切な人だって守れやしないのに……。……こんなに、臆病で、自分勝手で、最低な人間なのに……なんで……」
言葉が途切れるころには、涙が止まらなくなっているかな
羽衣:「──あなたが、大切だから。香凛ちゃんは、香凛ちゃんだから」
なんで、に続くように。
香凜:「……そうです、私は私です。あいつがいるかどうかなんて関係ない。せんぱいを手放したくないから、他の人を犠牲にするような……最低なやつなんですよ、私は……。皆が向けてくれた優しさも、笑顔も、全部踏み倒すつもりだったのに……あなたが一番嫌いな人間なのに……」
羽衣:「それでもほら、言えたじゃない。だからきっと、この先どうするかは、選んでいけるよ」
香凜:「……なんで、そんな簡単に──」
羽衣:「──"たすけて"って、聞こえた気がするの。だからかな」
香凜:その言葉に、もう、反論する言葉もなく──涙をこぼしながら、もたれかかるかな
結塚晶:小声で「敵わないな…」って呟いてます
一行:その様子を何を言うでもなく見守っている。
結塚晶:「お前は一人じゃない。私が、私達がここに居る。たとえこの先、皆と離れ離れになったとしても絆は簡単には断ち切れない。…"お前"が絆だと思っていなくてもな」最後のはグランギニョールに
一行:昴君の肩に手を置き
「キミ達の日常には嘘があったかもしれませんが、偽りではなかったようですな。ま、羽衣さんには後で落ち着いたころに一言謝っておきなさい」
と言って少し離れましょう。あえて香凛ちゃんの方には何も触れない
昴:「……」顔をあげはしないがおとなしくそれを聞いておりましたとさ
結塚晶:「羽衣、昴先輩、支部長。話したいことはまだあるが…時間がない。また会えたら…今度こそちゃんと謝らせてくれ」
GM:彼女がせつなそうに微笑むと、その身体はさらに薄く透けていく。それは再び光の粒子となり香凜の賢者の石に戻っていった
昴:それには少しだけ顔をあげて薄く視線やって見送るかな
羽衣:「うん──"また"ね、晶ちゃん」
GM:返事はない。だが彼女は確かにそこに居るのだろう。
と言った所でシーンエンドかな
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