after3 雪花VS紗雪 その3
その後は言われた通りに三人で風呂に。
母さんからあんな事を言われたから、二人とも大人しく入るだろうと思った俺がバカだった。
雪花が体で洗って上げるとか言い出し、紗雪がそれを止め、最終的に二人に手で全身を洗われて俺はもう限界。手を出さない俺に文句を言う二人から逃げるように風呂から上がって今は自室でベットに寝転がってソシャゲをしていた。
コンコン
そこにノックの音。
「はいよ」
「雪花です」
「開いてるよ」
「入るわね」
パジャマを着た雪花が部屋に入ってくると、そのまま俺のベットに腰かけた。
「ねぇ、怒ってる?」
「なにが?」
「ほら、お風呂で……」
「いや、怒ってないさ。ただ、母さんにあんなこと言われたばかりだったからなんか気恥ずかしくてな」
「そうなのね……」
「それより雪花こそどうした? 最近やたらと紗雪のことを煽ってるように見えるけど」
そう聞くと雪花は押し黙り、しばらくしてから口を開いた。
「怖い……のかしら? 」
「怖い?」
「えぇ。姉さんもついに自分をハーレムのメンバーとして認めたじゃない? それで今まで以上に貴方にベッタリになってきたもの。今まではハーレムから抜けさせるためにただ必死な感じだったけど、心から安心して貴方にもたれかかっているわ」
そ、そうなのか?
「それに姉さんは勉強も料理も出来るもの。私の居場所が少なくなってしまいそうで不安にキャッ……」
俺は雪花を抱きしめる。強く。
「んっ、ちょっと苦しいわ……」
「心配しなくても雪花の居場所はここにあるから。そもそも、全ては雪花のあの告白からはじまったんだぞ? あれからずっと俺の中には雪花がいるんだから心配すんな」
「ありがとう……」
雪花の顔がこちらを向く。自然に唇は触れ、舌は絡み合う。
「ねぇ、もっと安心させて?」
言いながら俺に体重を預けてくる。
そこで俺の部屋のドアが開いた。
「ゆう君、せっちゃん。ごめん、会話聞いちゃった」
紗雪が入ってくる。そして俺と雪花の前に腰を下ろした。
「姉さん……」
「アタシもね、不安だったの。やっぱりゆう君の一番はせっちゃんなんだろうなぁって。だからせっちゃんが出来ないことでアピールしようとしてたんだぁ。一緒だね」
「そうだったの……」
「だからおあいこね?」
「えぇ」
なんか二人で話がままとまったみたいだけど俺は一体どうしたら……。そこで紗雪の顔が俺に向く。
「でね、アタシもちょっと不安になってたから安心させて欲しいなぁ……」
「えーっと? それはどーゆう?」
聞き返すと雪花は俺の右腕に。紗雪は左腕に抱きつき、二人同時に耳元で囁いた。
「「だから今夜は三人で……ね」」
その後めちゃくちゃ安心させた。
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