after3 雪花VS紗雪 その2
紗雪の乱入によってなんとか理性は保った。
「ちょっとせっちゃんなんて格好してるのよぉ! しかもつ、つけてないじゃないっ!」
そう、つけてないのだ。胸部装甲を。だから透ける事によって全て見えてしまう。だから理性も飛んでしまう。オレワルクナイ。
「ちょっとキツくて……。また大きくなったかしら?」
「んなっ!?」
雪花が紗雪を煽る煽る。
前より煽りが強いような? 紗雪がハーレムを認めた頃くらいからか? んん?
「いいから早く着替えてきなさいっ! 弥生さんに言うよっ!」
「もう、わかったわよ。まるで小姑ね」
「なんですって?」
「なんでもないわ〜」
紗雪に睨まれながら濡れた髪を拭きながら自分の部屋に向かう雪花。
さて、俺もスイッチ押して部屋に戻るか……ん?
「ねぇゆう君」
「なんだ?」
「手貸して」
「手?」
言われるままに右手を前に出した。
すると、紗雪はその手を取って自分の胸元に当てる。
「さ、紗雪?」
「アタシもね、少しずつだけど大きくなってるんだよ? ゆう君のおかげ……かな?」
「そ、そうなのか?」
「んーわかんないっ! あ、まだご飯支度残ってるからまた後でね?」
そう言うとパタパタと浴室を出ていく紗雪。
──後で??
夕飯の準備が出来たらしく、キッチンに向かうと、母さんと雪花、紗雪はすでに椅子に座っていた。
「あれ? 雪路さんと奈々は?」
「今日は泊まりらしいわよぉ。追い込み時期みたいね。奈々はお友達と女子会みたいね。たしか楓ちゃんっていったかしら?」
「そうなんだ。楓ちゃん……あぁ、あの子か」
「知ってるのね。じゃあ、食べましょう。いただきます」
「「「いただきます」」」
その後夕飯を食べ、食後にお茶を飲んでるところで母さんが言った。
「それ飲んだらもうお風呂はいっちゃいなさい。三人で」
「あいよ……ん?」
「「えっ?」」
「どうしたの? 三人とも」
「三人……で?」
「そうよ」
「や、弥生さん?」
「えっと、それはどういう?」
「知らないとでも思ってるのかしら?」
「「「……」」」
「母さんは反対しないから大丈夫よぉ。この際二人ともお嫁に貰っちゃいなさい」
「お、おおう……」
「じゃあ母さんは部屋でセリフの練習するからねぇ。お風呂上がるときに足し湯お願いね」
そう言って台本を持ちながら母さんは部屋に向かっていった。
「さすが貴方のお母さんね」
「バレてるのにもびっくりしたけど、あの反応はアタシも予想外だった」
「俺もだよ……」
ただ……
「「「後三人いるなんて言えない」」」
ハモった。
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