第63話 ○○日後に……

 とある昼休み。いつも通りに飯を食ってると紗雪がボソッとこぼした。


「ねぇ、SNSで最近流行ってる何日後になんとか…って知ってる?後、1いいねで何かする──とかっていうの」


 あぁ、なんか流行ってるみたいだっけな。


「いいねのなら私やってるわよ。SNS自体最近始めたばかりだけど」


 はぁ!?雪花が!?


「へ?え?せっちゃんが?」


「雪花?まじで?ちなみにどんな?」


「これなんだけど、いまだにひとつも来ないわ」


 そう言って画面を見せてくる。

 お、おおぅ。ほんとにきてねぇ……。てか、


「不思議だわ」


 そりゃ、フォロワーもフォローも0だしな。お前は何がしたいんだ?


「そういえば、うちのミユもやってましたね」


 そこでエレナも口を出してきた。って、まさかのミユさん!

 気になるけど聞くの怖いような?でも気になるな……。


「ち、ちなみにどんな?」


 するとエレナは箸を置いて話し始めた。


「何か、数日後にまじめになるみたいなのをやって、ホントに真面目になったら誰もかまってくれなくなってました。やけになって飲みすぎて、次の日の仕事でワタシに怒られながらニヤニヤしてました」


 うわぁ、想像できるわ。


「エレナも怒ったりするんだな?」


「えぇ、もちろん怒りますよ?寝顔を撮ろうとしたり、朝から酔っぱらってたり……」


「わかったわかった!おーけー!もう大丈夫だ。で、紗雪はなんでまたいきなりそんなことを?」


 止めないとエレナはずっと愚痴を言ってそうだな。


「んーなんとなく?みんな騒いでたからかな」


「へぇ。紗雪はなんかやらないのか?睦月は?」


「アタシはやらないかな?」


「あたしはそれ自体やってない……。なに?若い子はみんなやってるの!?」


 睦月の問いにたいしてみんなが一斉にうなずく。

 いや、睦月もまだまだ若いだろ。

 見た目だって。


「あたしもやろっかな。何日後に何かかぁ……あっ!」


 ん?なんだ?


「いいこと思い付いちゃった♪」


 そんな事を良いながらニヤニヤし始めたけど、イヤな予感しかない。


「いいこと?」


「へっへっへ。十月十日後にママになる!ってのはどう?ゆうちゃん?」


 へ?いやぁ、それはどうなんだろうなぁ……。


「先生ズルいわ。せめて後二年は待って」


「そうだよっ!」


「ワタシはいつでも……むしろぜひ!なんなら今すぐにでも!」


 いや、お前ら大学はどうすんのよ……。

 後エレナは落ち着け。


 ~~~♪


「ほら、チャイムなったぞ。片付けて戻ろうぜ」


 俺がそう言うと、みんな動き始めた。エレナは舌打ちしてるけど。さすがに今は勘弁してくれ……。

 俺も片付け始めると睦月から声がかけられた。


「あ、ゆうちゃんちょっと待ってて」


「なんだ?」


「こないだ言ってたデート、今週行くからね?」


 ……一応教師と生徒だぞ?どこいくんだろ?

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