第42話 着崩れ初詣でほろ酔い紗雪と
ん~今何時だ?体が重いダルいしんどい…。
雪花と睦月は…いないか。部屋にもどったのかな?タフだなぁ。
カチャ
「おにぃおきてー!初詣行くよー!」
「んぁ?奈々か。今何時?」
「そろそろ9時になるところ!もうみんな起きてるから、おにぃも起きてご飯食べちゃってって紗雪さんが」
「あー、わかった。今行く」
そして寝ぼけながらベットから体を起こすと奈々の姿が目に入る。おぉ??
「奈々、お前それ…」
「へへーどう?綺麗でしょ?」
目の前にはツインテールにして、橙色の着物を着た奈々がいた。
はっきり言って可愛い。まじで
「すげぇ似合ってる。可愛い」
「あ…えーと…ぁりがと…」
「ん?照れてんのか?」
「まさかそんなストレートに誉めてもらえるなんて思ってなかったから…」
「そうか?可愛いから可愛いって言ったんだけど」
「うぅぅぅぅ~!わかったから早くおりてきて!もうっ!(なんか女の子の扱いに慣れてきてるしっ!)」
真っ赤になり、チョコチョコ歩きながら部屋から出ていった。なんだったんだ?
まぁ、いいか。腹も減ってきたしおりて飯でも食おう。
「みんなおは…………よ」
下にいくと着物姿の四人が揃っていた。
雪花は紫がベースの着物。紗雪は青で、奈々はさっきも見たけどオレンジ。睦月は赤だった。
「みんなすごい綺麗だよ」
「「「「!?」」」」
「ん~どおした?」
(ちょっと!悠くんってあんな素直に誉めるタイプだったっけ?)
(きっと寝ぼけてるせいで素直になってるのかしら?)
(さすがにこんなに女の子に囲まれてるから慣れてきたのかな?)
(それ奈々も思った!)
(でもまぁ、こんなゆうちゃんもこれはこれで…)
「おーい、何コソコソ話してるんだ?」
「なんでもないわ。初詣行くから悠聖君も早くご飯食べちゃって。でも、その前に顔を洗って目を覚ましてきたら?」
「あー、そうするわ。どうにも寝不足でな」
「悠くんちょっと待って!そのことでお話があります。せっちゃんと先生も」
「ん?なんだ?」
「私はないわ」
「あたしもないかなぁ…」
「逃げないの!おかげでアタシも寝不足なんだから!」
「紗雪も?どうしたんだ?」
「どうした?じゃないでしょっ!その…廊下まで声聞こえてたんだから…」
「えっ?」
声?まさか?え?
「トイレに起きたら聞こえてくるんだもん…。寝れるわけないじゃん!バカ!」
まじか!けど俺悪くない!俺だって寝てたもん!ウサギとウシの皮をかぶった狼が来たんだもの!
「ただの人生ゲームよ?姉さんも来れば良かったのに」
「そうそう!」
「な、な、な、何言ってるの!?4人でなんてそんな、そんな…!え?ゲーム?」
俺も勘弁してください。
「奈々、全然気づかなかった…」
「じゃあ今度は奈々ちゃんも一緒にいこーね?」
なんで奈々も誘ってんの!?
「うんっ!」
「なに?アタシがおかしいの!?」
おかしくないからそのままの紗雪でいて。
「じゃ、顔洗ってきまーす」
俺は逃げた。
そんなわけで五人で初詣で行って来たのだが、すぐに帰って来た。なにしろ、徒歩10分の所にある小さな所で人もいないし、店も出ていない。まぁ、人目が無いところが良かったからいいんだけどね。
後はおばちゃんが配る甘酒くらいかな?みんなで飲んだけど。
おみくじ? 五人もいたのに吉と末吉の二種類しかでなかったよ。おかげでなにも盛り上がらなかった。
「ただいま~っと」
さて、何すっかな?
「私は寝るわ。さすがに限界だもの」
「あたしも寝よ…。着物苦しいぃ~」
「奈々はゲームしてくるね!新年イベ始まってるから!」
そう言って3人は1人で着替えて二階に上がって行った。あれ?紗雪は?
クイクイ
服を引っ張られ振り向くと紗雪が俺の服のすそをつまんでひっぱっていた。心なしか顔が赤いような?
「どした?」
「着物脱がして」
「は?」
「だ~か~ら~!なんか1人じゃ脱げないから着物脱ぐの手伝って!」
…おいまさか
「お前甘酒で酔ったのか?」
「?」
いや、【?】じゃなくて
「こっち」
そう言いながら俺の手をつかんで階段を上がると紗雪の部屋にくる。
「帯から取って。後ろに結び目あるから」
言いながら俺に背中を向けた。
「これか?」
結び目をほどくと帯がストンと落ちる。着物が広がる感じがした。後ろからはわからないが、帯を取ったことによって前がひらいたのだろう。
すると紗雪が後ろを振り向いた。
「ねぇ、アタシにもせっちゃんや先生にしてる事と同じ事して?」
目の前には崩れた着物姿で頬は少し赤みが差し、目元は潤んでいる。
ハッキリ言ってヤバい。
「いや、お前ハーレム見たいなのはイヤだって言ってただろ?」
「そうだけどアタシだって悠くんにキスとか求められたいの。二人のあんな幸せそうな顔見たら我慢できないよ。それに今は2人きりだから。お願い」
そう言って俺の体を押した。後ろにはベッドがあり、俺はベッドの端に足があたりそのまままベッドに背中から倒れてこんでしまう。
「なぁ、お前甘酒で酔ってんだって。だから…っ!」
言いきるまえに俺の上に覆いかぶさり、顔の両隣に紗雪の手が置かれる。はだけた着物が俺と紗雪の姿を隠す。
「愛してる」
そのまま唇同士が触れた。
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