第38話 家族だんらん
飯を食べるために下に降りて行く。
腕にはニコニコした雪花が絡みついている。この子変わりすぎじゃない?こんなもんだったっけ?
「やっと降りてきたわね。テーブルに並べてあるから早く食べちゃいなさい」
テーブルを見ると、オムレツとご飯、佃煮に、味噌汁と思いきや何故かコーンスープ。後は昨日の残りと思われる麻婆春雨が並んでいた。和洋中が勢揃いだった。
「「いただきます」」
雪花と向かい合って食べ始めようとすると、目の前の箸が消えて隣に紗雪が座ってきた。
「それ俺の箸なんだけど…紗雪はもうたべたんだろ?」
「うん、食べたよ。そうだねぇ、悠君の箸だね。とゆーわけで、あ~ん♪」
ガターン!
恥ずかしいからやめてもらおうと言おうとすると、ソファーから何かが崩れた音がした。
奈々か?振り向くと、いつもの凛々しい顔をした雪路さんの顔がすっかり崩れていた。
あー、やばい。すっかり忘れてたわ。横目で母さんを見るとニヤニヤしていたので、多分母さんは気づいてたんだろう。
「さ、紗雪?どーゆーことだい?」
「どーもこーも、アタシも悠君の事好きなんだもん」
「でも悠聖君は雪花と…だろ?」
「それは知ってるけど、今はでしょ?諦める理由にはならないもん」
そう言いながらも箸は俺の口へとおかずやご飯を運んでいる。完全に断るタイミングを逃したなぁ。雪花はマイペースに食べつづけている。
「せ、雪花はいいのかい?」
「問題ないわ」
ハッキリと言い放つ姿に雪路さんは空いた口が塞がらない。
なんかすいません。モグモグ
すると母さんが口を開いた。
「そいえば年末年始はみんなは何か用事あるの?私たちはちょっと収録が押してて休みが取れそうにないのよ~。おせちは用意しておくけど、何か食べたいのはあるかしら?」
「伊達巻!海老フライ!」
真っ先に声を上げた。
「おにぃはいつもそれだね~。子供舌だもんね♪」
お菓子を食べながら奈々が突っ込んできた。いいじゃないか!好きなんだよ!
「なら、アタシ作ろうか?」
「は?作る?海老フライならまだしも伊達巻を?」
「うん、伊達巻もお家で作れるよ。作ったことあるし」
「すげぇ!じゃあ頼む!」
「ならお正月の料理は紗雪ちゃんにおまかせしちゃうかしら~?後でお金渡すから、その予算内でお願いね♪」
「はいっ!任せて下さい」
「なら私もがんばろうかしら」
「「それはダメ」」
「むぅ」
あっ、雪路さん復活した。なんだ?雪花が作るのはダメなの?
「せっちゃんの料理はちょっと辛くて…」
「大丈夫よ。今回はタバスコもデスソースも一本も使わないから」
「それがおかしいの!普通は数滴なんだからっ!」
デスソース一本って…こわっ!
「あっ!後ね、年末に睦月ちゃんが泊まりにくるみたいだから、よろしくね?雪花ちゃんと紗雪ちゃんはわかる?二人が通ってる学校の美術の先生なんだけど」
俺と雪花が思わず止まる。なんだそれ?聞いてないぞ?
「知ってますよー!あのちっちゃくて可愛い先生ですよね?ね?せっちゃん」
「え、えぇ。そうね」
「睦月ちゃんわたしの姉の子でね、悠聖達とは従姉妹になるの。それで姉夫婦は県外にいるから、寂しいと思ってさっき電話したらよろこんで来るって言ってたからよろしくね?」
さっきかぁ~~。なら知らないよなぁ。雪花の方もさすがにびっくりしてるだろ……ってめっちゃニコニコしてる!
ヤバい。食われる。
カクヨムコン5に応募してます。
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後、Twitter始めました。そちらもよければ。
更新の報告とかするくらいですかね?
絵とか書ければ良かったのですが…
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