第16話 格差社会

 完・全・復・活!

 うちはインフルエンザとかの感染力が強いのにかかると母さんによって完全隔離されるので看病イベとかも起こらないのだ!

 実際寝込んでる間に雪花や紗雪が来てくれてたみたいだが、母さんによって帰されている。そして今は、俺から2日遅れでインフルエンザになった奈々だけが隔離されてる状態だ。とりあえず、雪花にメッセージを送る。


『治った!明日からガッコ行く』


 ピンコンッ


 雪花『わかったわ。いつものとこで待ってるから』


 ……あれぇ?いつもと変わらない感じ?

 たしか倒れる前に二人から、ちゃんとした告白ではないけど、似たような事を言われたような?気のせいだったのかな?ま、いっか。


 ピンコンッ

 雪花『姉さんがお弁当作って持っていくから明日は何ももってこなくていいそうよ』


『わかった』


 おぉ、自分で作らなくていいなんて楽だ!

 普段は奈々と交代で作ってたからな。

 そして翌朝


「うぃーす、中村さんも雪花もおはよーさん。見舞いに来てくれてたんだろ?ありがとな」


「おっはょ~悠くん。気にしないで!てか呼び方!あの日変えてって言ったじゃない!」


「おはよう」


「悪い悪い。じゃあ、紗雪って呼ぶよ。あっ、後、倒れた日雪花が部屋までつれてってくれたんだろ?ありがとな!部屋汚くてごめんなー。」


「 いいえ、気にしてないわ」


 そういって並んで歩き出すと雪花が俺の左腕を取って抱き締めてきた。

 二つのお山に挟まる感じで凄い幸せな感触が俺の腕を包んでいく…。隣をみると真っ赤な顔をしている。


「雪花?」


「こ、これはあれよ。なんだか、さ…寒くて……くっついたら暖まるとおもって………」


 ………カーワーイーイーーー!

 あまりに可愛くて思わずナデナデ


「なっ……!?」


「あっ、わるい、思わず」


「別に怒ってないから、そのかわり…」


「そのかわり??」


「もっと撫でなさいょ………」


 で、デれた……


 言われるままに撫でようとすると、右腕が動かない…!? みると紗雪が半分死んだ目で俺の右腕に巻き付いていた。


「さ、紗雪? 」「姉さん?」



「……双子なのにどーしてここまで差が…Fって……アタシの4cupも上なんて…」


「ちょっ…姉さん!?」


「……F……だと………!?」


 思わず雪花の胸元をガン見してしまう。

 隠そうとしてか強く腕を抱き締める感じになるため、俺のうでがFに埋まってゆく。

 感謝します!!


「………あの日さんざん揉んだじゃなぃ……」


 なんかボソボソ言ってるが声が小さくて聞きとれなかった。


 駅に着く頃には紗雪は俺から離れて、それはそれは名残押しそーに仲の良い友達の元に行った。とは言っても今日と明日学校に行けば冬休みに入るのでたった2日の我慢だ。

 さすがに両手に花みたいな状態で行けば何を言われるかわからないしな。

 だか、そんなことより俺の気になるとこは別にあった。

 今の雪花だ。あの日喫茶店でおれに好きだといった後から、もう別人なんじゃね?って思うくらいに変わってしまっているのだ。

 簡単に言うと、デレッデレ。朝の腕組みからずっと全然離れない。


「なぁ、このまま教室いくのか?」


「そうよ。当然じゃない」ムギュー


「恥ずかしくない?」


「どうして?以前はフリだったけど、今回は私のほうは本気だもの。恥ずかしくないわ。それにこれは所謂マーキングよ。あなたに私の匂いを付けて私にも、あなたの匂いをつけているのよ。イヤならもうこうして挟んであげないわよ?」


「イヤなわけない!ぜひお願いしまっす!」


「フフっ、よろしい♪」


 勝てそーにない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る