第17話 暴露
教室に入ると、すでに紗雪は来ていた。バレないよーに、腰元で軽く手を振ってきたので目で返事をして自分の席に向かう。荷物を机の脇に掛け、椅子に座………れない。
「そろそろ腕離さない?」
「しょうがないわね」フヨンッ
弾力と共に俺の腕は解放され、雪花は自分の席に着いた。俺もようやく解放され椅子に座ると、隣の席の、俺の苦手な陽キャ女の藤田達がこのクラスになってから初めて俺に声を掛けてきた。ニヤニヤしながら…
「ねぇねぇ、橋本君」
「な、なに?藤田さん」
「今日見て思ったんだけど、橋本君と中村妹ってホントに付き合ってたんだねー!ウチら、てっきり罰ゲームかなんかでやってんかと思ってたんだけどー」
「は、はは」(やかましいわ)
「しかも、妹おっぱいすごいじゃん!抱きつかれてどんな感じだった?インフルで休んでて看病プレイとかしたのー?」
「い、いやぁ~」(そんな特殊プレイしねーよ。あ、おっぱいは、すんごいやわらかいですよ!てか雪花めっちゃこっち睨んでる)
「つーか、前にさ、ウチの友達は妹にフラれてんのに、こんなジミーなのとホントに付き合ってるって知ったらまじウケるんだけど。ほんとはいくらか払ったの?オタクって色々グッズ買うための金もってるんでしょ?妹もあの見た目だし影で遊んでてもおかしくないっしょ。どうなの?」
言いながら俺の肩をつついてくる
「あ"?」
(あー、頭にきた。それに思い出した。こいつら前に雪花の影口言ってた奴らだ。嫉妬か?妬み?まぁいっか、文句の一つも言ってやらんと気が済まん)
そう思った瞬間…
バチンッ
誰が俺の肩をつついていた藤田の手を叩いていた。目線がを上げるとそこにいたのは、、、
「アタシの大事なせっちゃんの事も悠君の事もバカにしないでっ!」
怒りの紗雪がいた。
こわっ!俺の怒りはどっか行っちゃったよ。雪花もあちゃーって顔してるし、藤田なんかカースト上位に怒られて居場所なくし始めてるし。てか藤田の回りにいた奴らいなくなるのはやっ!そして聞こえてくるクラスメイトの声……
「あれ?いま中村さん、橋本の事をゆうくんって呼んだ?」
「俺にもそう聞こえた。どーゆーことだ?」
「橋本君ってお姉さんの方にも手を出そうとしてたの?」
マズイ…これはマズイ。このままだと完全に俺が悪者になってしまう…
なんとか打開策を…
と考えてたら紗雪がまた爆弾投げやがった
「せっちゃんゴメーン!アタシも悠くんの事好きなのバレちゃった~!」
「「「「「「 !? 」」」」」」
クラスがざわつく。
違うそうじゃない!さっきは大事な~としか言ってなかったからまだなんとか出来たはずなんだ!完全にいまのでみんなの疑惑が確信になってしまったじゃないか!
視線が俺に集まる…
そして俺は………逃げた
いつもサボるときに使っている部室棟の第2美術室。以前はたくさん部員がいたが、今は片手で数えるほどしかいないため、本館の第1美術室しか使用されていない。そのため遠い第2美術室は現在誰も使っていない教室。
いや、誰もではないか…
「あれ?久しぶりだね?ゆうちゃん」
「ゆうちゃんは止めてくださいって言いましたよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます