第7話 急展開
説明も終わり放課後、一緒に帰る約束をしてたから雪花を待ってたらなぜか紗雪もついてきた。
雪花は黒いコート。紗雪は白いモッコモッコのコート。
「橋本君、今日はアタシも一緒に帰るねー♪」
「ごめんなさい。姉さんもついてくるってきかなくて」
「いいけど、今日は母さんからすぐ帰って来るように言われてるからどこにもよらないよ」
「あっ!うちもパパからそう言われてたんだった!そだよね?せっちゃん」
「え、えぇそうね、、、」
なんか言葉につまってるな
「雪花、なんかあるのか?」
「ヒャァーー!もう名前で呼びあってるの!?昨日からでしょ?付き合ってるの」
ちょっと雪花さん、お前の姉ちゃんうるさいよ。おもわず視線むけると雪花は苦笑いしていた。
「雪花のほうからそう呼んでって言われたんだよ」
「そうね」
「あらーあらあら、せっちゃん積極的ぃ~♪」
もうほっておこう。
「で、なんかあったのか?」
「いえ、特に何もないわね。あなたの家もそうなのねって思っただけだから」
も?
「そっか」
まぁいっか。あー、そのうちちゃんと理由も聞かないとなー。昼の説明聞いた後だと罪悪感がやばい。
そんな話してるうちに駅に着いた。ちなみにその間ずーっと視線浴びまくり。
そりゃそうだ!有名な美人双子姉妹と一緒に帰ってるんだもんよ!雪花だけなら良かった。お互いに友達いないし、見られはしても話しかけてくる奴なんていなかったからな。
けど紗雪は違う。俺達とは正反対なのだ。
だからこうなる
「紗雪バイバーイ」 チラッ
「おう紗雪また明日なー!」チラッチラッ
挨拶ついでにこっち見んな
言いたいことはわかるけどさ
そんな視線に耐えながら中村姉妹との別れ道についた。
「じゃ、また明日」
「うん、バイバーイ♪」
「また明日」
そう言って紗雪が歩いていく。
雪花は一度背を向けるがすぐに振り向いて俺のとこに来て一言
「今夜日付が変わる頃電話するわ。そこで嘘の恋人の理由を話すわ」
そう言って紗雪の背中をおいかけていった。
家につくと奈々はもう帰ってきてたが母さんはまだ帰って来てないみたい。
「奈々~夜何たべたい?」
今日の夕飯当番は俺だった
「しょうが焼き」
「りょ~かい」
いつも通りだけどそっけないなー。まだ機嫌わるいのか?
ちょうど夕飯が作り終わった頃母さんが帰ってきた。
「ただいま~。ごめんね~収録が押しちゃって~」
「おかえり、そしてお疲れさん。もう準備できてるから座ってくれ」
「ありがとー♪」
みんなが食卓にちあとこで母さんが話を切り出した。
「朝言ってた話なんだけどね、食べながらでいいから二人に聞いて欲しいんだけど~」
「ん?なに?」
「どったの?」
「言ってなかったけど、お母さん前から付き合ってる人がいて、再婚しようと思ってるんだけど二人はどう思うかな?」
話ってこれかー。俺は奈々と目を合わせる。
奈々は苦笑いしてた。
実は、母さんは隠してるつもりだったけど俺達にはバレバレだったのだ。
つまり答えは・・・
「いいんじゃない?」
「ホントに?良かったぁ~!じゃ今度中村さんのご家族と一緒に食事でもしましょう!あっ、中村さんがお母さんの彼氏なの」
そう言う母さんの目尻には涙が少し溜まっていた。きっと不安だったのだろう。
「わかった。なら、その日が決まったら教えてくれ」
「奈々もおにぃと同じだから」
「うん、二人ともありがとね」
その後はいつも通りに過ごして俺は自分の部屋に戻ってきていた。今頃奈々と母さんは女同士で相手の人について話でもしてるんだろう。
中村さん。
母さんの仕事の話の中でたまに出てくる名前。だから別に知らない名前じゃあない。
中村さん・・・ね。
この名前と今日の雪花の態度、帰りの一言。焦ったかのように回りに周知させたがっていた事。確か雪花の家は父子家庭だって聞いた事がある。
多分、あの告白の理由は今回のが関係してるんだろうと思いスマホを眺める。
後数分でかかってくるであろう俺の嘘の彼女の電話を待ちながら
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